好きを大事にしたら習慣化した話
我が家のたー坊先生、ダウン症を持っておりまして、成長がものすごーくゆっくり。最近、ようやく歩き始めた彼は、ダウン症の中でも恐ろしく歩行がゆっくりさんで、もう一生歩かないんじゃないか？！と思うほどだった。歩き始めが遅いからとて、歩くことに強欲になってこれまでの3倍速で追いつくか、というとそんなことはなく。
彼はいまだにできれば歩きたくないらしい。隙あらば、両手をバンザイして抱っこをもとめてくるし、歩かせようと抱っこから地面に降ろそうとすると両足を腰に巻き付けてきて、絶対に降りないぜよ！アピールをしてこられやがる。
少し前からどうやら運動面はさほど得意ではないらしい、ということを悟った母は、ヘラルボニーさんの「異能を、放て。」バリに彼の異能を見出す方にシフトすることに決めた。だって誰よりも私こそ、得意苦手がきっぱりはっきりしていて40歳目前にもはや嫌なことを強いられたものならば、一気にやさぐれて、人生から彩りが消えて、「生きてる意味って何だろう？」と普段考えたこともないような問いにのループに入り込むに違いない。だからもう苦手なこととか好きじゃないことは絶対にやらない！！人生、好きなことや得意なことに取り組む方が幸せだし何よりごきげんに暮らせるのである♪
といつからか悟った。
それは子供とて同じなわけで、我が子を観察していると、好き嫌い、興味あるなしはこんなにもはっきりしているのか、ということに気づく。
■好き、愉しい、得意
・音楽を聴いて体を動かす
・絵カード（動物・しぐさ、体の部位などなんでも好き）
・公文（何がはまっているのかまだ要観察中）
・パズル（これも公文。2～3枚パズルは大得意）あとは型はめパズルも好き
・絵本（最近は彼のダチであるぬいぐるみたちにも読み聞かせている）
・鳩を追いかけまわす
・お砂場で砂遊び
・水遊び、手を洗うこと
・人と一緒に食べる
■嫌い、興味なし、無関心
・歩行
・ひらがなカード
・だるまさんが転んだ
・音楽がない運動
・お風呂
・一人で食べる
歩くのは好きじゃないけど、鳩は永遠追いかけられるし、運動は好きじゃないけど、音楽にあわせて体を動かすことや手遊び歌は大好き。だるまさんが転んだには興味がないけど、「ヨーイドン！」と声をかけるとキャッキャと動こうとする。水遊びは好きだけど、お風呂は好きじゃない。一人で食べると食べ残すしすぐ飽きるけど、みんなで食べると楽しそうに食べている、とかとか。
こう考えると、かれが特に好きなのは、音楽と人と絵と水と動く動物、なんじゃないか。それが全部ストライクゾーンにぴったり的中しているのが何と公文なんじゃないかと最近理解した。
公文というと、ドリルとか計算、漢字と思う人が多いと思うが、彼がやっているのはベビー公文の延長で、教室にいくと先生がプリントを出してくれて、まずは歌を一緒に歌う。意外や意外に、歌の教材プリントが潤沢なのに驚いた。定番曲から何この歌？というような歌までしっかり揃っている。
この前だんなさんが、食卓で我が子に対して「しょ、しょ、証城寺～」と歌い始めて、死んだおじいちゃんがよみがえってきたかと思うほどびっくり仰天したが、さらに驚いたのは横でぴったり「しょ、しょ」に合わせて手をたたく我が子の姿だった。この慣れ具合、おぬし、初見ではないな。旦那さんが手に持っている歌詞カードは公文プリントだった。証城寺ですか。
そして極めつけはこのパズル。なんと２ピース。楽勝じゃん！と思いきや、意外と向きとか絵が理解できてないとできないし。我が子を見ていると2ピースでもおそろいしいほどにへんてこりんなところ同士を組み合わせようとしたりする。それでもやっていくうちに絵を見てつなげているのかスムーズにできるようになり、いまや３ピースはわりとできて、4ピースの世界に突入した。個人的に母の趣味は1,000ピースの大きさでやる2,000ピースパズルなので子供がパズルをしている姿を見ては母の右肩もブンブン回るのであった。
好きと得意を大事にしたら、公文にドはまりした。今や我が子は朝4時半にピッカーンと起きると、「あっち、たい！」という。寝室から「あっちにいきたい！」「階段おりて1階にいきたい」とおっしゃる。眠い目をこすりながら１Fに連れていくと、定位置のメガネ置き場にその日着けたいメガネをとってメガネをする。そして一目散に公文バックめがけてまっしぐら。自分専用の幼児用のソファに前日夜バイバイして座らせたプーさんやら何やらのぬいぐるみをブン投げて自分の席を確保し、そこに座ってカバンから取り出して公文教材で一通り遊ぶ。すごくないかこれ。得意を追求したら、公文が習慣化した。
現在の我が子、テレビはほぼ見ていない。もともとは目が悪かったからテレビを見せるな、とお医者さんに超強く半ば脅されたこと、もとい諭されたことが理由だったが、最近は絵本と公文で大半の時間を過ごせるので、動画なしでも満足をしているご様子。
ただ、最近激アマのあまちゃんのパパが我が子のためにと加入したディズニーチャネルにだけは坊ちゃんもどはまり、1日1話プーさんOKとなったので、しょっちゅうテレビを見ては、指さして「ぷーたい！（おそらく、プーさんみたい！）」とご主張される。ディズニーにはだれも勝てない。
