たー坊、オランダへ 〜ダウン症児ママの子育て奮闘記〜

AYA。1985年生まれ。 2020年9月に誕生した息子は21トリソミー(ダウン症)日々の葛藤や喜び等をありのままに綴っています。 https://instagram.com/ta_bo.gokigen?r=nametag

たー坊、オランダへ 〜ダウン症児ママの子育て奮闘記〜

AYA。1985年生まれ。 2020年9月に誕生した息子は21トリソミー(ダウン症)日々の葛藤や喜び等をありのままに綴っています。 https://instagram.com/ta_bo.gokigen?r=nametag

最近の記事

メルシーポットの奇跡に成長を垣間見る

つい9月に4歳を迎えた我が家の坊っちゃん。 ダウン症歴も4年と2ヶ月弱。 これまでの成長はたしかに健常児の2倍ゆっくりさんではあるが、外界の様々な菌やウィルスや対人関係、人としての礼儀・お作法、食事の所作、生きるための運動、などなどのとてつもない難関ハードルをギリギリすれすれ上くらいあたりを余裕かまして乗り越えてきた。 どっかの誰かが、成長がゆっくりだから時間はかかるものの、成長1つ1つに気づいて嬉しく、尊くなる、という仙人みたいな尊い言葉をおっしゃっており、驚愕しつつも

    • 運動会のかけっこで闊歩したヤツ

      ダウン症児を育てるママ代表として胸を張って言いたいのは、年に数回、どうにもこうにも胃がキリキリマイになる日があるということ。 まずは、4月と3月の入学、進級、修了式、卒園式という保育園の期が変わるタイミング。これらの日は健常の子にとっては何のことはない、希望の光に満ち溢れたセレモニーの日だ。我らダウン症メンバーズにとってもそれは変わらない。変わらないのだが・・本当に緊張でしかない。 名前を呼ばれてトコトコと前に出て、受け取るべきものを受け取ってお辞儀をぺこり。ちょっとニンマ

      • ダウン症でよかったとダウン症じゃなきゃよかった

        最近思うこと、ダウン症の我が子をいまぶっちゃけどう思うのか。 生後すぐに緊急搬送されて1ヶ月半ちかくNICUにお世話になっていた間に、なぜか心理士さんがそばにいて、なぜか先生に早く面会にこいと言われて、1人里帰りしていたわたしは何だか怪しい、我が子はダウン症じゃないか、と過去史上最高のモヤモヤをかかえていた。 一方、こちらの思いはいざ知らずいたってノー天気な旦那さんはそんなこと気にも止めずに「今日も心理士さんと先生にお母さんはいつお見舞いにきますか?って言われたよー!」と

        • まんがあんぱんになった日

          我が家のダウン症児、4歳目前にしても発語はまだない。 この前保育園に迎えに行ったら、同じクラスのお友達に、 「あ、たー坊くんママだー!」 「あのね、これね、カブトムシとクワガタね、こっちは黒くてこっちは茶色なの!すごいでしょー?」と怒涛の如く話しかけられて、驚愕した。 おお、3-4歳児ってこんなにしゃべるんだ。 我が家は発語が全くないので、お友達の情報も全く入ってこないし、日々保育園で何がどうなっているのかわからない。けんかしたもしてないも、何がいや!も何がいい!も。 「今

          柔らかいって罪だわ・・って話。

          そういえば、最寄り駅のデパートに31アイスクリームがあって、最近見事にどハマりしている。ロシアに駐在していたとき、海外で初めてみた31が、「31アイスクリーム」ではなく、「バスキン&ロビンス」=ロシア語で文字通り「Баскин Робинс」だったので、また31ぽいアイス作られやがってと息巻いた記憶がある。日本以外は各国「バスキン&ロビンス」らしい。 昔はアイスクリームケーキにはまっていたが、今私を虜にするのはそう、「シェイク」!!!!通常のアイスクリームを選んで「シェイク

          好きを大事にしたら習慣化した話

          我が家のたー坊先生、ダウン症を持っておりまして、成長がものすごーくゆっくり。最近、ようやく歩き始めた彼は、ダウン症の中でも恐ろしく歩行がゆっくりさんで、もう一生歩かないんじゃないか?!と思うほどだった。歩き始めが遅いからとて、歩くことに強欲になってこれまでの3倍速で追いつくか、というとそんなことはなく。 彼はいまだにできれば歩きたくないらしい。隙あらば、両手をバンザイして抱っこをもとめてくるし、歩かせようと抱っこから地面に降ろそうとすると両足を腰に巻き付けてきて、絶対に降りな

          成長に伴い、なくなるものがある。

          たー坊先生が生まれてから今年の秋で4年になる。成長はのーんびりだけど、この4年は「あっ!!・・」という間だった。子供の成長スピードに関係なく、子育ての時間ってこうやってあっという間に過ぎ去っていくんだろうなぁ。 成長とともにできることがもちろん増えるのだけれど、今回はちょっと違う方向に光を当てて、成長に伴って我が家のダウン症児がやらなくなったことを振り返ってみよう!という回。 その1:アゴかっくん これはわりと早いうちからやり始めていた。1歳直前くらいか。 首が座った直後

          話さない=理解してない、じゃない

          我が家のダウン症児は現在、生後3歳と7か月になろうとしている。何においても超驚くほどに成長はゆっくりさんで、ただだからこそ成長が見えた瞬間が超わかりやすくて、そして超絶感動する。 これは先輩ママさんにもよく言われたことで、ダウン症関係の本にも散々書かれていた。たー坊先生が生後半年くらいまでの暗黒期に関連書物を読み漁り、先輩ママパパさんたちに突撃訪問していた私は、正直、当時この「成長がゆっくりだけど見えたときに超感動する話」を聞いて、「ふーん」という感じもしていた。 だって、

          趣味とよんでいいですか?

          ・・・趣味がない! ママ友がいない問題よりもはるかにずーっとずーっと昔から私を悩ませてきたテーマ。 それに反していつもものすごーく軽いタッチで割と何気なく聞かれるご趣味は?問題。いつも答えに紛糾するのでした。 そもそも、趣味って何だろう? 「趣味 辞書 意味」で今風にGoogle先生に聞いてみると、 「専門としてでなく、楽しみとして愛好する事柄」 「物事から感じ取られるおもむき。味わい。情趣。」 だそうで。 うーん、テニスとかマラソンとかスポーツは好きだけど、この中でず

          もんじゃへの執念

          この前、といいつつもうあっという間に1か月前の年末、富山の友人が島根に帰るついでに東京に寄ってくれた。 むしろ遠回りなのにありがたい。翌日16:00の新幹線まで時間があるので本当は個人的な趣味で源泉掛け流しの温泉に行きたかったのだが、それだと間に合わないから我慢して、富山にも島根にもないであろうとのを探しまくった。 富山は海産物もお米もお酒も美味しくて、大抵のものはあることが分かった。本人に聞いたら賑やかな歓楽街!と言われたが、それはさすがにプレゼントできないので、東京にし

          恒例の年末の過ごし方

          たー坊先生が生まれる前は旦那さんと大みそかは神社で年越しが恒例だった。しかもどこにいくのかは結構過激な方法で決めていた。お互い好きな神社を5つ書く。書いた紙を丸めて机の上にだして混ぜてお互いに1つずつ選んで交互に開封していく。開封した紙に書かれた神社には行かない。そうやって開封していって、ドキドキしながら残った一個の紙を開けて、そこに書かれたところに行く。31日の昼頃にやってそのまま車でゴー。最初は近いところを書いていたけれど、刺激が足りなくなってきて、お互い少しずつ遠いとこ

          日本の未来を憂う②〜見知らぬ人達とおじいさんを保護した編〜

          我が家の3歳児のピックアップのため保育園に向かっていたある日の夕方、道の端を進んでいるのか進んでいないのか、よくわからないほどのペースでよたよたと歩いているおじいさんを見かけた。右手に杖、左手にはなぜか子供用の傘。え、子供用?なぜ?と思ったけど、それよりも何よりもそのおじいさん、プルプルしながら壁にそって牛歩してた。スーツを着ておめかしされていた。 大丈夫かなあ?気になったけど、一旦そのまま保育園に向かった。その日の朝はハロウィンだったのに仮装させるのをすっかり忘れて登園さ

          日本の未来を憂う②〜見知らぬ人達とおじいさんを保護した編〜

          三歳児検診に行ったら心がカッスカスになった話。

          ※長くなります。お暇な人だけ暇つぶしに。 我が家のダウン症児アイドルのたー坊先生、9月に無事3歳を迎えた。 なので、いざ参らん、3歳児検診へ。 ・・なんだけど、実はずーっと行くかどうか迷ってた。 平日13時からって働く母にとっては非常に難しい時間帯。子供も同様。 13時といえば、保育園でお昼を食べた後、「あーむにゃむにゃ。さて寝るか、ふわぁ~。」という時間ど真ん中。そんな中で寝ずに行かねばならないわけで。彼らにとっては眠気がマックスな魔の時間、13時。光景を想像しただけでぞっ

          三歳児検診に行ったら心がカッスカスになった話。

          鉛筆持ちをいとも簡単に習得した話

          前回の公文の続き。我が家のダウン症児たー坊さん、ひょんなことから公文に通うことになった。 体験教室の最後の日、ダウン症の中学生を30歳まで教えていた先生がおっしゃった。「とにかくお母さんが愉しむこと。もっとやらせよう、もっと頑張らせようと親が思った瞬間、その意図は子供に伝わります。そして一気に子供はつまらなく感じます」と言われた。ドキリとした私は、「そうですよね、もちろんそうですね!」とその場を取り繕ったが、内心はただでさえ成長が遅いからガンガンやらせねば、くらいに思ってい

          ダウン症児、公文との出会い。

          我が子を授かり、彼がダウン症だとわかる前。保育園からがっつり英才教育をやる気満々だった。バイリンガル保育園が良いかな、いやクリスチャンの幼稚園が良いかな、特に教育水準の高い文京区か杉並区に住みたいな、などなど。でも産後すぐに子供が緊急搬送され、挙句にダウン症の疑いありと告知され、そして1ヶ月くらいで確定診断が下った時。 子育ての方針ががらっと変わった。というか、変えざるを得なかった。彼はきっと受験と無縁だ。競争の世界では生きていけないと思った。知的にも身体的にも2倍成長が遅

          ダウン症児の「バイバイ」に学ぶこと

          我が家のアイドル坊ちゃんはダウン症。発達はよく言われる通り本当にゆーっくりで、2歳10か月の今もまだまだ歩く気配がない。お尻でズリズリあるくシャフリング全盛期で、何ならばそこらの人よりもスピードがマシマシする日々。 そんな我が家のたー坊先生、親の焦りもよそに毎日を愉しくごきげんにお過ごしである。そんな彼に感化されることもすごく多くて、「幸せって何だろう」という問いがぐるぐるん回る。 先日noteに書いたとおり、6月にアメリカに行ってきた。初めての海外。2歳でなんて贅沢な。