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1日、1日をごきげんに過ごすって本当に難しい。
我が家のたー坊先生はダウン症で大きな合併症はないものの、基礎疾患あり認定を受けているので、健常児がかかってもさほど重症化しないといわれているRSウィルスであっても、かかると危ないんじゃないか、とつい咳をしようものなら、はっとして凝視して様子を見守り、何でもなさそうだとはぁ、とヒヤリハットする。見えない敵RSに戦々恐々としつつ、未熟児ちゃんやこうした基礎疾患アリ子ちゃんは、国の補助でRSが流行る時期に「シナジス」と呼ばれる注射を打つことになる。
大抵は秋口に流行っていたRSだけれど、最近はコロナもあってよくわからない=先生にもよく読めない流行り方をするらしい。今年もすでに怪しいということで、6月から受け始めることになり、毎月我が希望の里、都立小児総合医療センターの遺伝科にセクセクと通っている。

先月はなんと、9月9日のたー坊先生の生誕2年のククの日に予約をいただき、お注射に行ってきた。先生、その場であれ!?誕生日じゃないですか、と気づいて「こんな大事な日にごめんなさい!」と。いやいやいや、たー坊先生にとっては何よりも大切なプレゼントですから!とお礼を伝えたら、先生、何とも気まずそーうにしていた。研修医の先生も2人いらしたようなので、あとで「誕生日に予約いれてぶっとい注射をして差し上げた先生」とい噂が立たないといいのだが。
ちなみに、我が家はこの先生のことを信頼・尊敬してやまない。ものすごくのほほんとした、でも気になることを伝えるとものすごく親身になって解決策を見つけてくれる先生だから。

ダウン症児の特徴は、身体様々なところに出てくる。例えば耳と鼻。我が家の坊ちゃんも一般的よりも耳の中がくちゃっと小さくて、鼻から喉に垂れてきた鼻水があっという間に耳に達して滲出性中耳炎と格闘することになる。かかりつけ医の耳鼻科にいっても一向に治らず、1歳から一年近く毎週通っていた。おかげでその耳鼻科院さんともとても仲良くなった。

でも通院しても治らないという現実が患者の両親の不安を一番駆り立てるもので。都立小児の先生にボソボソと相談したところ、すぐに都立小児の耳鼻科の先生の予約をしてくれた。なーのーに、こともあろうにその診察日の直前にたー坊先生のお耳はすっかりよくなられまして、診察を受けたときに「あらー?きれいですよー!」と言われて、いやんとモジモジしたのでした。。

これまた別のときに、たー坊先生の足が冷たすぎて日々困っていた。しかも食事はとっているのに一向に体重が増えない期間がこれまた1年くらいあった。いまでも覚えている。ずーっと8キロと7.8キロの間をいったりきたり。8キロだと思った瞬間、翌月には7.8キロみたいな。先生に相談したらおそらく問題はないと思うが、念のため血液検査をしておきましょう、とすぐに検査部署の予約を取ってくれた。結局、どの数字もぴったーりど真ん中にあって、「うん、健康そのものですね」とえらく褒められた。二度もオオカミ少年と化した溺愛母はもはや、モンスターペアレントではないかと自分で自分を心配しているが、とにかく気になるものは気になるので仕方ない。「モンスター化してでも早期発見」を目指したい。しかも先生がちゃんと受け止めてくれるので、つい気になったこまごまを相談してしまう。

そんな先生なので、シナジスのために月に1度、遠路はるばる通院することもさほど苦ではないというか、頑張れている。ただ、その都立小児で先日こんなことがあった。(※先生の名誉のために書くが、先生は全く関係ない)
診察前に必ず、身長と体重を図る決まりになっている。測定室の前に順番を引く番号券があって、毎度のように引いてまっていた。

そうしたら、かわいらしい4歳くらいの男の子とママさんがいた。
きっとたー坊先生の倍は生きていらっしゃるお兄さんなので、本人も何となく貫禄があるし、お母さんもとてもちゃきちゃきしていて、お子さんへの話しかけ方も熟練の技、という感じだった。

次の瞬間。
「お子さんかわいいですね、あ、ダウンちゃんですかー?」って。
「あ、はい、そうなんですー・・」
「何歳ですか?」
「あ、えっと今日2歳です」
「えーそうなんだ、うち4歳」

と。
声をかけてもらえるのはとてもありがたい。ただでさえ、日々ワンオペで保育園と自宅とのノンストップ送迎で、保育園に通い始めて2年になるのに何とママ友が一向にできる気配がない!!ママ友って自然とできるものだと思っていたので、すっかり困り果てて思わず旦那さんに相談してしまったほどだ。「私、ママ友一人もいないんだけどどうしよう」って。
「へーあやちゃんでもママ友ってほしいものなんだね」とかなんとか言われたので、もう二度とこの人に相談するまい、と誓った記憶だけはある。

なので、本当にこうやって話しかけてもらえることはありがたいし嬉しい。
のだけども・・。
この広い都立小児病院において、ましてやダウン症外来でもないのに、隣に座ったちょこっとの瞬間で息子を見てダウン症ですね、と言えるのは、ママさんの熟練の技!なのかもしれないが、「そうですか、我が息子は見ただけでダウン症ってわかるのですね」と私は捉えてしまい、我が息子は正真正銘の「ダウン症顔である」とポンっとお墨付きをもらったような気がして、なんだかものすごく落ち込んだ。

久々のこんな感覚。2年もずっと一緒に生活してきて、受け入れたつもりだし、彼の個性だと思えているはずなのに、こんなどうでもいい些細なことに落胆する自分が本当に嫌になる。ママさんにもたー坊パイセンにも極めて失礼な話。だけれど、こういう感情は理屈ではない。ともすると自己嫌悪に陥るし、ああ、こんなことでヤダヤダ!と自分にイライラしたりもする。だってもう2年も経つんだよ、って話なわけで。

こういう時、たいてい単純に自分のコンディションが悪い、ということが多い。ある意味で脳が、あなたのコンディションは今良くありませんよー、なのでいろんな物事を少し斜めにとらえがちですよー。というメッセージを発しているということ。それ以下でもそれ以上でもない。こういう時の解決法としては、大好きな甘いものを思い切り食べるに尽きる。そしてよく寝る。よく寝てしっかりリセットする。やりかけのこととか、残したこととかもあえて机に残さずに片付けて完了させてみる。そして、それでもだめなら最後、誰かに思いのたけを吐き出す。

そうすると、大抵は明日またちょっとだけごきげんに頑張れたりする。
にしても、障がいを持った子供との向き合い方、障がいを持っていることそのものを受容するって本当に難しい。

お昼寝から起きた瞬間からこの奇跡顔!
雨でもごきげんシャンシャン!
口閉じて寝ているのは極めて珍しい。明日雨かも。。



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