まんがあんぱんになった日
我が家のダウン症児、4歳目前にしても発語はまだない。
この前保育園に迎えに行ったら、同じクラスのお友達に、
「あ、たー坊くんママだー!」
「あのね、これね、カブトムシとクワガタね、こっちは黒くてこっちは茶色なの!すごいでしょー?」と怒涛の如く話しかけられて、驚愕した。
おお、3-4歳児ってこんなにしゃべるんだ。
我が家は発語が全くないので、お友達の情報も全く入ってこないし、日々保育園で何がどうなっているのかわからない。けんかしたもしてないも、何がいや!も何がいい!も。
「今日はどんな1日だった~?」「愉しかった~?」とめげずに聞いているけれど、どんな1日だったのか知れたことはまだない。
保育園に相談したら、1日どう過ごしたか、家ではどう過ごしているのか、お互いに交換日記することに。他の子はこうした先生とのやりとりはとっくに卒業済みらしい。先生のこの粋な計らいのおかげで、トイトレが出来た!とかお友達におもちゃ投げた!とか給食の様子やお昼寝の様子、お友達と遊ぶ様子などが少しだが垣間見えて想像がつくようになった。
そんな中、先日交換日記もとい連絡帳に保育園の先生から
「たー坊くん、ますますお喋りするようになりましたね!」というコメントが書かれていて度肝を抜かれた。はて、本当に我が子のことだろうか。
・・全然言葉が出てないのに?
我にかえって改めて我が子を観察してみるとびっくり。確かに何だかめちゃめちゃすごいしゃべっているではないか。言っていることは全然わからないが、意図を持ってしっかり何かを発語していることは伝わってくる。
しかも、二語文は無理だけれど、彼が覚えた言葉がある。
もも(桃)、パパ、ママ、ココ(自分のこと)、たい!(痛い)、たい!(したい)、アッツ!(熱いand暑い)、まーい(丸い)、カッカブッブー(車)、パン(パン)あたり。音として発することができるようになった!!
そして一番、文章に近い発語は何かというと、
「プーたい!!」
これは「プーさん、みたい(テレビ)」らしい。たしかにかなりコミュニケーションに近い言葉が出てきていると思うのは親のひいき目、もとい愛情故だろうか。
ちなみにこの「プータイ!!」はえらく高速で「プータイ、プータイ!」と主張なさる。そして同時に、「あっちたい!」も少し前に習得した我が息子。
朝4時半に目覚める彼は、起きた瞬間からこの「プータイ!」と「アッチタイ!」をエンドレスに交互に怒涛の如く連呼される。
ゆーっくりではあるが、言葉の出始めに喜んだのもつかの間。
耳を疑うできことがあった。
それは、
「アンパン!!アンパン!」という連呼。どうやら自分のほっぺにグーにした両手をくっつけて叫ぶことから、アンパンマンのことなのだと理解した。
ちょっと前まで、彼はアンパンマンを「マン」と呼んでいた。お世話になっているPTの先生曰く、ダウン症の子は言葉の語尾の習得から始まり、ゆーっくりゆーっくり発語に向けた準備が始まっていくことが多いそう。
「マン」から「アンパン」への変化は、発語に向けた成長ということか!!
ただ、アンパンマンの「マン」が「アンパン」になったことを考えると、このあと「アンパンマン」とフルセンテンスの方向へ進むのか、いやある意味逆に「アン」に研ぎ澄まされていくのか、今後の彼の成長に乞うご期待あれ。