メルシーポットの奇跡に成長を垣間見る
つい9月に4歳を迎えた我が家の坊っちゃん。
ダウン症歴も4年と2ヶ月弱。
これまでの成長はたしかに健常児の2倍ゆっくりさんではあるが、外界の様々な菌やウィルスや対人関係、人としての礼儀・お作法、食事の所作、生きるための運動、などなどのとてつもない難関ハードルをギリギリすれすれ上くらいあたりを余裕かまして乗り越えてきた。
どっかの誰かが、成長がゆっくりだから時間はかかるものの、成長1つ1つに気づいて嬉しく、尊くなる、という仙人みたいな尊い言葉をおっしゃっており、驚愕しつつも「ほんとかいな」とか思って疑いの眼差して過ごしたが、たしかに1つ1つの成長に気づくとき、誰よりも嬉しく、驚いて、喜びの舞をひとしきりして、写真もパシャリパシャリ激写し、旦那さんほか、私の父、母、姉、強力サポーターのシッターさん、保育園の加配の先生以下担任の先生、療育のPTの先生、くもんの先生とかたっぱしから共有をしては共感を得て、ホクホクして近くのスーパーまでスキップかましていく、ような日々を送っている。
健常児を育てたことがないので、これが通常発達だと見逃してしまうぜよということなのかは全くわからない。
ただ、今朝も彼の成長魂を垣間見た。
それは、我が家の三種の神器のメルシーポット。
メルシーポットは、鼻垂れ小僧の鼻水をこれでもかというくらい電気の力で吸引してくれる、鼻水吸引器。こんなやつ。
これまでは相当な格闘をもって、ドドドドドと鼻水吸引を行ってきた。
たしかに、大人でも音をきいただけでちょっとひくレベルの重鎮感。でもこれを一度使うと、もうハンディには戻れない。過去あまたのハンディを購入しては失敗してを繰り返してきた。ハンディの方が手軽だし、身軽。
でもなかなか吸引しきれない。本当にとれてるの?と思わず自分の鼻に突っ込んで試してみたくらい。
我が家の坊っちゃんはダウン症という特性上、鼻と耳と目がかなり近いところでつながっている(らしい)。結果、目やにが出始めると、「ああ、これは次は鼻水がくるな」と思った瞬間、鼻水がドバーっとで始めて、それが喉にはいっていって咳となり、ゴホゴホしたあげく、その鼻水は耳までいって
中耳炎になる、という定番の風邪フルコースとなる。
そうなると、毎週末耳鼻科通いが続き、夜も熟睡できないので子どもはさらに体調を崩し長引き、疲れ果てたころにその風邪がこちらに回ってくることになる。風邪の家庭内循環の完成。
それを避けたい一心で導入したメルシーポットちゃん。我が子やかなりこれが大嫌いで、大暴れで全然できないのでいつも大人二人がかりとなる。
父がいすにすわらせて完全固定し、体をガチガチにブロック。
母がメルシーを掲げて、いやがるこどものお鼻に無理やり装着。
相当泣かれるし、相当嫌がられる。しかも最近は力も強くなってきたし、ただ泣くだけじゃ収まらず、ブロックされた体を全身でいやいやするので、超硬い石頭が旦那さんの顎を直撃したり、私の向き合ったおでこに真正面からバチコイやってくる。当たると超痛い。。
でも、泣きわめいて泣きじゃくる結果、鼻水もよく出てきてよく取れる。わざとそういうつくりににしていたらこれまた神業だが、とにかくあやつが大嫌いな我が家のダウン症児はメルシーポットがじゃじゃじゃ~んとでてくるやいなや、「僕はいませんから」みたいに気配を消す。
そんな彼だが、なんと今朝のこと。これまで私が明日から会社の合宿で不在になるというそんな直前期に体調を崩しまくってだいぶ重度の鼻垂れ小僧になりやがられて、メルシーポット登場。そしたらなんとなんと、興味津々で自らそろりそろりとやってきた。
「やってみる?」と聞くと「うん!」というからやって差し上げた。
結論至って普通に、驚くくらい自然に鼻を突き出して、すん。とメルシーポットを装着させてくれた。
「・・・。」
え、驚きすぎて無言。あの・・あの、散々暴れまくる日々は何だったのか。
あの頭突きは何だったのか、あのジタバタはなんだったのか。
そして驚きながら終わって彼を直視すると、ジェスチャーで「もう1回」。
え、きみいつからメルシーとお友達になったのさ?
成長を感じた1日でした。明日はサポーターの皆様に母から嬉しい成長ご報告のLINEが吹き荒れます。