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第10回 しまなみ海道ウルトラウォーキング 102kmに参加しました。

自身の100kmウォーク5回目として、標記の大会に参加してきました。
結果は、コースを楽しみつつも自己ベストを大きく更新する15時間30分で完歩。
初めて計画的にタイムを狙ったおさらいも兼ねて、道中の思考や計画など脳内が垣間見える感じに詳細に記しています。

自己振り返りとしての要素が大きいですが、
コースのイメージを知りたい方や、来年以降同程度のタイムを目指す方には参考になる・・・かもしれません。


【大会概要】


大会名 :第10回しまなみ海道ウルトラウォーキング
開催日 :2024年9月14日(土) ~ 15日(日)
コース :102km / 75km
制限時間:102km:28時間 / 75km:25時間
https://www.actrep-sports.com/shimanami-ultrawalking/

サイクリングロードとして有名な『しまなみ海道』を中心に
風光明媚な瀬戸内海を進み、向島から6つの橋を通って6つの島を徒歩で移動します。
広島県から瀬戸内海に浮かぶ島々、四国へと進み、
そして、最後は今治城でゴールを迎えるという見どころ満載のコースです。



【エントリーの経緯・目的】


主にこのような理由から興味を持ち、このたびエントリーを決めました。

・こんなにも橋を渡り歩くコース、橋好きウォーカーとして一度歩かない手はない。
 ※「橋好きウォーカーなら、100km歩いたって橋に飽きるわけないよね?」という自己検証も兼ねて。
  結果はもちろん、最後まで(むしろ最後がいちばん)楽しかった。 

・ゴール地である今治市のゆるキャラ・バリィさんと私の相棒・ちゅんすけの鳥キャラ共演を果たしたい。

・知り合いのウォーカーさんから勧めていただいた。

身近な土地や市街地ならひとりで歩けるので、大会だからこその歩く意義を感じるコースが私は好きですね。
美しいしまなみ海道を通って島を自由に渡り歩く・・・
この特別感は、ぜひとも”大会で”味わいたいと思ったんです。



【今回のウォーク方針】


・自己ベストタイム更新を目指す。
 (目標は16時間台前半。大会5戦目にしてようやく明確にタイムを意識しました。)

・タイムの追求と同時に要所の景色を満喫して写真を撮る、各エイドでの実況など、”普段の楽しみ方”を忘れないこと。

反省点もありますが、結果的には無事目標を達成することができました。
自分なりに満足のいく結果を残せたと思います。



【大会前日】


午後半休を取得して仕事を切り上げ、新幹線で品川駅→福山駅へと移動しました。
18:30頃到着。
はじめての広島県。駅のホームからも見える立派な福山城に出迎えられ、早くも気分が上がります。

宿泊先のホテルへのチェックイン後は、福山市内を軽く夜散策に出かけました。
もちろん観光名所も良いですが、旅先の何気ないまちの風景を知るのも同じくらい大切にしたいところです。
福山城 ~ 艮神社 ~ 芦田川 ~ 明王院 ~ 福山市ばら公園 など、約10km。

初遠征で少し浮足立っていて、また、翌朝は時間にゆとりがあるためのうのうと歩いてしまった。
そんな具合で余裕を見せていたところ、前日までは正常に機能していた充電ケーブルの不調でGarminが充電できないトラブルに遭い・・・
「バッテリーを無駄に消費している場合じゃなかった」と後悔しつつも、
翌日早めに尾道入りしてダメもとで家電量販店を回る計画を立て、眠りにつきました。



【大会当日】


ホテルの朝食バイキングでしっかりとエネルギーチャージし、福山駅9:25発の電車で尾道駅へ向かいます。

約20分で尾道駅に到着、南口を出るとすでにウォーカーの姿が多数。
と言うのも、同日開催の『せとうちジャーニーウォーク in 広島2024』の受付会場がちょうど駅前の広場で、
120km部門のスタート間際というタイミングだったためです。

さっそくのお祭り感にこちらも元気をいただきますが、今回、広島が舞台の2大会が同日開催なのはあえてなのでしょうか。


さて、まずは充電ケーブルを探すべく開店直後のエディオン尾道店に出向きますが、Garmin自体取扱いなし。
少し離れたケーズデンキにも電話で問い合わせるも同様の回答。

諦めて約70%のバッテリー残量で臨むことにし、渡船フェリーで向島へと渡ります。
料金は大人100円(片道)、乗船後に現金支払いです。

約5分で向島へ到着。速いですね。
参加者らしき人の流れに着いていき、11:08 受付会場の『尾道市民センターむかいしま』へ到着しました。
この時点ですでに気温33℃の快晴となかなかの暑さ。

男女比3:1の割合で、102km部門は約400名の参加者が集います。

開始は12:00から5分おきにウェーブスタートで、私は最終ブロックの12:15でした。
(このブロックは慣れた人の集まりだと説明がありましたが、アクトレップ社の大会はまだ2回目なんだけどな・・・と内心思いつつ。)



最前列から出発し、同ブロックの中で頭ひとつ抜けて速そうな男性を追って勢いよく進んでいきます。
先に出発した方をぐんぐんと抜いていき、約6-7kmで3位まで追い上げる。

途中で順位変動はありつつも、この時点での上位5位を概ね維持していたはずです。


1つ目の橋『因島大橋
全長1,270m・約7km地点

橋の前後には必ずアップダウンがありますが、こちらはコース上唯一の階段で昇るポイント。
他はゆるめの舗装坂のため特に気になりませんでしたが、この階段は少しだけキツく感じました。

また、二層構造になっていて車道下の遊歩道を歩くため陽射しを避けられる点も特徴です。
気温35℃越えの猛暑日、しかし想定よりは雲と風があるので対処できる範囲だと感じながらの進行。



基本的に一本調子で迷うことなく、

14:31 第1エイド『ファミリーマート因島田熊店』(17.5km)到着。
1位の方とほぼ同時に2着でした。

サンドイッチをいただきます。
エイドでの基本ルーティン(食事・飲み物補充・トイレ休憩・Xに実況ポスト)を一通りこなしてコンビニから出ると
既に3着の方も到着していて、1、3着の方が先に出発していました。微妙に出遅れて再び3位で出発。

ここまでは7:30min/kmペースで進行、想定よりも速くなってしまった。

先陣がずっとこのペースを維持するのなら離脱するつもりでしたが、
私と同じく8:00min/km程度まで落ちたたため、引き続き見失わない程度に着いていくことに。


2つ目の橋『生口橋』
全長790m・約20km地点

景観を楽しみながら軽快に乗り越え、生口島に入ります。
海岸沿い歩きが続き、15-16時台の体感最もキツい陽射しに負担を感じはじめました。少し前までの余裕はどこにいった。



1位の方がコンビニに立ち寄ったタイミングで順位が入れ替わり、

16:29 第2エイド『瀬戸田サンセットビーチ』(32km)到着。
1着でした。

バリィさん印のおにぎりセットをいただきます。
眺めが抜群なエイド裏手のビーチで少し写真を撮ったあと、夜の準備(UV対策アイテムを脱いで身軽に、ヘッドライトの用意など)とエイドルーティンをこなし、
また順位が入れ替わり2位で出発しました。

陽射しが弱まってきて、装備も軽くなり気分良く歩くも、自然と8:20-8:30min/km程度まで減速していった。


3つ目の橋『多々羅大橋』
全長1,480m・約35km地点

広島県と愛媛県との県境にかかる橋で、完成時には斜張橋として世界最長を誇ったそうです。
県境の表示も見られてとても歩きごたえがありますね。楽しい!
気候的には、この頃がいちばん気持ちよく歩けていたかもしれない。

愛媛県に入ると、去年も多くの参加者を苦しめたと言われる夜の大三島エリアへと移ります。

約40km地点で再び1位になり、約45km地点でコンビニ(ローソン今治大三島町宮浦店)に立ち寄りました。
この先第4エイド(74km)まで約30kmコンビニが存在しないため、必要があれば忘れずに寄りましょう。


50kmを越えたあたりから、脚のむくみと重さに歩きづらさを感じはじめる。
前半飛ばしすぎた反動なのか、もしくは脱水気味だったのだろうか(※少し自覚はあったので夜間帯も十分な水分補給を心がけた)。

普段は一定ペースか後半にやや上がるペース配分のため、
今回初めて前半集中型の歩きになってしまったことを反省しつつ、
ここで9:00min/kmを維持目標ラインに設定し直すことに。

前半の貯金があるぶん、最悪10:00min/kmまで落ちても16時間台では完歩できる算段。
焦る必要はない、淡々と進むことだけを意識しよう。

日没後は自分のヘッドライトの灯かりだけが頼りの暗闇コース、個人的にはまちの灯かりがある都市型コースよりも好きです。



20:10 第3エイド『大三島 憩の家』(55km)到着。
意外とまだ1着でした。

ありがたい屋内エイド。

女性スタッフさんに「女性で1位なんて凄いです、めちゃくちゃ格好良いです~」とおだてていただき調子に乗るw
ちなみに、エイド入り直前に数分ザっと雨に降られたもののすぐに止みました。よかった。

バウムクーヘンをいただきます。
畳の部屋に上がって休めるため、靴下の履き替え、ストレッチやマッサージなどの時間もとりました。
滞在はおそらく15分程度?、後から他2名が到着したことを確認しつつ、引き続き1位で出発します。


私は早々にペースダウンしはじめたのに、
思ったよりも抜かれないのは、他参加者も同様に前半飛ばしすぎて失速したのか
または、高速で歩き続けてもどうせ開門時間に引っかかるので意図的に緩めているのか、どちらなんだろうと考えながら。

最終的なゴール時間がトップの方と大差ないことを考えると前者だろうか。


とはいえ、大三島を抜けるまでには2名の方を見送りました。

おそらく私が自販機に寄る間に1名先を行かれ、また、もう1名とは少しの間会話・並歩させていただきました。
9:00min/kmペースで無理なく歩ける程度に余裕を取り戻しましたが、
あくまでも順位ではなく目標タイム達成のみを念頭に置いていきます。


4つ目の橋『大三島橋』
全長328m・約69km地点

しまなみ海道の中で最初に架けられた橋だそうです。
これまで通過した橋と比較すると短く、美しい曲線を描くアーチ橋。
夜の橋もやはり素晴らしい眺めですね。
これで大三島エリアをクリア!



23:03 第4エイド『ローソン伯方島インター店』(74km地点)到着。
3着のはずです。

※夜間は見栄えする写真が少ないので、エイドと橋の写真をまとめていきます。

パン3種類の中から1つ選べるスタイルで、チョリソーソーセージパンをいただきます。
ここまで来ると後方の方々とはある程度間が開いたように感じる。やるべきことをこなして次へ進みます。


5つ目の橋『伯方・大島大橋』
全長1,153m・約74km地点

※公式のgpxデータを元にすると約74km地点でしたが、エイドと被りますね・・・。でも参考までに記載しておきます。

次エイドまでは再び集中力が途切れて眠気に襲われ、9:30min/kmまで減速した区間もありました。
速めの一定ペースを維持することで大抵の眠気は回避できるので、
それもこれもペースを落としているせい。でも致し方ない。



01:27 第5エイド『水軍公園』(88km)到着。
順位変動なし。

ワッフルをいただきます。春雨スープの提供もありましたが、熱いものを食べたい気分ではなくパスしました。
ここでようやくコーラ(カフェイン)を注入。


残り14kmと思うと自然とラストスパートをかけられる気分にもなり、16時間切りは確信に変わる。
あとはどこまでいけるか、自分の脚にすべてを委ねてみることにしました。

さて、エイドを出るとラスボスがすぐそこに待ち構えていますよ。


6つ目の橋『来島海峡大橋』
全長4,105m・約89km地点

最後を飾るにふさわしいこの立派な大橋は、「来島海峡第一大橋」~「来島海峡第三大橋」の3本の吊橋で構成されています。
本来は明るい時間帯に渡り絶景を堪能することが推奨されるコースだと思いますが、橋好きには夜もたまりません。

静かなこの橋を独り占めして闊歩できるなんて、とノンストップで歩き抜けていきました。


そして、今治市街へ。
来島海峡大橋を乗り越えてからゴールまでの約6kmがやたらと長く感じました。
ここに来て、信号でたびたび足止めをくらうのがややもどかしくも・・・

03:45『今治城 吹場公園』に到着。

102kmの旅、終了です!
お城がゴールなのは良いですね、勝者の帰還という感じがします。


タイム:15時間30分12秒
順位 :総合3位・女性1位

大躍進!

コースの特性が違うとはいえ、今年5月の東京エクストリームウォーク100での自己ベスト(17時間0分)を1時間半短縮できました。
今回のほうが2km多いですしね。

途中苦戦しながらも、自分比でとてもよく頑張ったと思います。
お疲れさまでした!


【ゴール後の行動】


第10回開催を記念した限定フィニッシャーTシャツを購入した後、
リタイア組の方をゴール地点へ送り届けたレスキュー車に同乗し、今治駅まで送っていただきました。

バリィちゅんコラボも果たしました。

駅のベンチで待機後、始発電車で松山駅まで移動して今度はのんびり観光のスタートです。

完歩後の一杯は最高ですね!(※みかんジュース)

松山城を中心に駅前をコンパクトに散策した後は、松山観光港→広島港へジェット船で約70分の船旅。
路面電車やバスを利用しながら広島市内を散策し、新幹線で家路につきました。

余力があれば宮島まで足を伸ばしたかったのですが、またいつか・・・
さすがにそこまでの元気はありませんでした。

帰りは今治駅からしまなみライナーを利用して福山方面に戻るか、
松山散策後に松山空港から飛行機を利用する方が多いのでしょうか。
なにやら変則的な工程を組んでしまったけど、大充実の旅でした。


【雑感】


・風光明媚なコースは魅力的、人気大会であるゆえんがよくわかった。
 一方で、102km部門は非ウォーカーがコースへの興味から気軽に申し込むと、コンビニ等がなく単調な真っ暗夜コースに心が折れるのというのも理解できる。

・光量の大きいヘッドライト(夜対策)、明るい色のUV対策グッズ(黒系だと陽射しで熱を吸収しまくってつらい)はあってよかった。

・前週に参加した他大会のほうがより過酷な暑さだったため、まだマシに感じたが、それでも残暑厳しく身に堪える暑さだった。
 2日間に渡る陽射しに耐えた参加者は、日の出前に完歩した私以上にタフだと思う。

・前半集中型となり(キツい)、自分本来の歩きができなかったのは大きな反省点。
 暗闇の自然コースや橋は本来得意な部分であり、後半にペースを落としたのは本当にもったいない。

・でも、きちんと途中で方向転換して計画的に完歩できたのは良い経験になった。

・最後まで計画的に歩き通せれば、大会ベストタイムを狙いに行ける可能性もあると感じた。
 コース次第では、15時間切りも射程圏内に入ってきた気がする。
 今回トップの方と約7分差のため、写真撮影などのこだわりやエイド滞在にかかる時間を短縮していたらあるいは・・・と思いつつも、
 現状こだわりを捨ててまでタイムや順位を追うつもりはない。

・反省を活かして再挑戦したい気持ちはあるが、次はタイムを狙うよりもコース満喫に全力を注いで楽しみに行きたい。
 来島海峡大橋で迎える朝に期待!
 同時期に気になる他大会がなければ、おそらくまた来年も参加すると思う。



さて、次は来月の『第7回 中山道・木曽路ウルトラウォーキング103km』。

未舗装路が多く難易度は高めですが、五街道のひとつ『中山道』の宿場町を旅人気分で散策できる魅力的なコースです。

しまなみ海道とはまた違う特色を持ったこの大会、今度はゆっくりと街道歩きを楽しみたいと思います。


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