私とSさんの話
一昨日、とある人に会ってきた。
今の会社を受けに行った時に面接をしてくれた方だ。
便宜上、Sさんとする。
2020年の10月に私は今の会社の面接を受けに名古屋に向かった。
その時Sさんは全国の課員をまとめるかなり偉い役職に就かれていた。
Sさんが私に内定を出してくれたからこそ、私は今の会社で働いているのだが、私が入社して3ヶ月後あたりにSさんは会社を去っていった。
それから約2年が経って、その時の上司からSさんがうちの会社に戻ってくると聞かされ、私はとても驚いた。
辞めた後のことは、時々他の人から聞いていた。
とはいえ、福岡に住んでいることや美容関連会社に勤務していることなどの本当に取るに足らないような話。
私が入社してすぐにSさんは辞めてしまったので入社後は2回程度しか会っておらず、強い印象はなかった。
でも、入社して3年9ヶ月の間、私は時々こう言われていた。
「Sさんが残した最後の財産」
Sさんが採用を決めたのは私が最後であり、今の時点でSさんが採用した中でうちの会社に残っている人もそういない。
とはいえ、Sさんは私のことはそんなに覚えていないだろうと思っていた。
2022年の秋頃、Sさんが福岡支店のサブマネージャーとして戻ってきた。
その時、私はチーフでそれなりにやっていた。
戻ってきてからしばらくして、福岡支店のチーフから電話があった。
「Sさんのこと覚えてる?」と聞かれたので「覚えてるよ」と答えた。
それからまた少し経った後に、私の社用携帯に電話がかかってきた。
Sさんだった。
「仕事、もう慣れました?」と聞いてくるSさん。
私は笑いながら「一応チーフなんでそれなりにはやってますよ」と答えた。
2年もやっている人に「慣れましたか?」はちょっと変な感じがして、この時のことは私の中に鮮烈な印象を残した。
そしてそれからまた月日は流れ、2024年の夏。
私はサブマネージャーに昇進し、Sさんはマネージャーに昇進していた。
Sさんは東海の出身で、お盆を利用して帰ってくるというので飲みに行くことになった。
福岡と名古屋、遠く離れているので時々電話で話したり、社員旅行や全国会議で顔を合わせることはあっても、長い時間話すことはなかったので、ちょっと緊張していた。
他拠点のマネージャーと1:1で話すこともそうそうないので、何を話したらいいんだろう?とか考えて落ち着かないでいた。
でも、どうしても聞きたいことはあったので、それだけは聞こうと思ってはいた。
どうしても聞きたかったこと。
「どうして私を採用したのか」
なぜこれが気になっていたかという話は、次の記事で。