メイドカフェの体験をしてきたルポ
さて、タイトル通りの話だ。
私はコスプレのような可愛い恰好が好きで、当然のようにメイドにも憧れがあった。ちなみに、メイドカフェの面接は二度目で一度目は落とされた、面接に気合を入れていなかったので順当な結果だと思う。コスプレ目当てで面接に行ったお店が実はガールズバーで面接時に気づくという間抜けなこともしたことがある。このような経緯もあり、今回面接であっさりと「体験してみましょうか」、と言われてとても嬉しかった。
またこのバイトに応募したきっかけが先のnoteに上げた失恋なので、怪我の功名のように感じられて嬉しかったのもある。別れた日に、なんとなく勢いで応募したのだ。
準備として通販でパニエを購入し、当日お店に向かう電車を待つ間わくわくしていたのを覚えている。こんなにわくわくした気持ちになるのは久しぶりだ、失恋から一週間毎日泣いていたから。ちなみに元彼もメイドカフェは好きなようだった、友人たちと初めて行って気に入ったらしい。一緒に行って、はしゃぐあの子を見てみたかったな。
入った時間は、休日の夕方からクローズにかけての時間で、メイドカフェと書いたが実際はカジュアルなバーに近い。源氏名も新鮮であった。私はSNSでハンドルネームを使っているのでフォロワーさんとのやり取りで文面でそう呼んでもらうことはあったが、実際に源氏名を呼んでもらうことは初めての経験だったので、不思議な感じがした。意外とすぐ慣れて反応できるものだ。
短い時間ではあったが、その中でもそのお店に対する感情は移り変わっていった。
一番初めは、メイド服を着ることができて嬉しい、可愛いであった。お客さんも結構褒めてくれるので、嬉しい。ただ、ずっと着ていると慣れる。
中ごろは、客層が中年から高齢の男性の方ばかりで正直若干引いていた。女の子と喋りたい人たちとメイドをしたい女の子たちが同じ空間にいるから、需要と供給は成り立っているとは思う。しかしながらなんともいえない気持ち悪さを感じていた。
終盤には、その空間にぬるま湯のような心地よさを感じ取った。普段は仕事をしていたり人付き合いが苦手で苦労している人たちが、安らぎを求めてやってくるオアシスのような場所なのだと思う。第三者がとやかく言う筋合いはない。
あとお給料
時給1000円×2.5(1.5時間+待機時間1時間)+1000×1.25(深夜手当)×1.5時間
2500+1875=4375
交通費往復380円
小計4755
(残り1525)
ドリンクバック4杯 200円?
チェキバック2枚 500円?
貰った合計額6280円
うーむ。高い。お給料の計算がどうなっているのかわからなかったのが、残念。聞こうとしたのだが、圧に負けてそれ以上聞けなかった。単純に興味はあったのだけれど。
あと休憩ってどうなってるんだろう。私はともかく、他のメイドさんは休憩!って感じはなかったけど、ぎりぎり4時間は超えてなかったし、多分セーフなんだろうなあ。
あとは、メイドさんに未成年の方が多いことに驚いた。若い方が働いているとは思っていたけど、お酒を提供するお店で未成年がお給仕(お仕事)するのは法令には違反していないとはいえ、いかがなものかと思う。もちろん個人の事情はいろいろあるだろうから安易に口出しはできないけど、理想を言うなら未成年がそういうところで働かなくても(バイト代が安くても)生活できるような社会が理想なのではないか。
またメイドさんの仕事は勤務時間のみにとどまらない。メイド用のTwitterアカウントを持っている方がほとんどで、そこで自身が出勤する際の宣伝や自撮りをあげたりする。私がいったお店で働くメイドさんは、働くうちに自撮りがうまくなっていくらしい。自撮りが努力になるというのは、私の中ではなかった感覚なので驚いた。やはりメイドさんそのものが商品であるという側面はぬぐえない。
その関連で特筆すべきは、やはりバックがあることだと思う。ドリンクバックは比較的カジュアルなものだという印象を受けた、注文してくれたお客さんと乾杯をするくらいだ。メイドさん用のコップは小さめだったので、これは飲みすぎを防止するためなのだろうと予想している。
今回私は幸運なことに、チェキを撮ってくださる方がいた。2枚のうち1枚はお客さんが、もう1枚は私が持っている。メイド服を取り忘れたので、このチェキが唯一この日の私の写真だ。非常に貴重な一枚。私は被写体にも興味があったので、その意味でも撮ってもらえて嬉しかった。出来栄えは全くよくなかった。せっかくお金出して撮ってもらったのにこれかという残念な仕上がりだった。悲しい。撮られるのも練習が必要なようだ、ポーズも急には思いつかない。
あと髪さらっさらのロングヘアのお客様(男性)に、人見知りしそう、人間関係苦手そう、自分もそうだから同じ感じがすると言われた。メイドに擬態してても同類には見抜かれてしまうのだなと、妙な親近感を感じた。変わった男の人が好きなのかもしれない。(元彼も人付き合いはうまくないようだった)
つらつら書いたけど、こんなもんかな。とても貴重で幻のような一夜だったことだけは間違いない。1枚のチェキだけが、あの日の私の存在の証明だ。