近所のかみなりくん。
「かんかん、ごはんおいしそうねって言ってる~!」
寝起きのほとんど開いていない目をこすりこすり、朝ご飯を食べる彼は言った。
朝からゴロゴロ鳴り響く雷たち。
この夏から、彼にとっては雷くんも良き友だちのようだ。
「かみなりくんはそらにいるよね」
「ひこーきぷた(ヘリコプターのこと)もおそらにいるきね」
「ぱとかーくんもぬれてる!」
そうね、いつもお外にいるもんね。
「さむいさむいっち言ってる~!」
風邪ひかんといいねえ…
そんな会話をしながら、保育園に行く準備をして。
土砂降りの雨の中、車に乗り込むと、彼はふと言った。
「ぱとかーくんも、れいんこーと持ってるんか。」
かんかんと一緒やねえ…
「ぬれんね、れいんこーとあるきね!」
いつも駐在所にいるパトカーは屋根のない屋外に止まっている。
どうやら、自分が車に乗ったことで、いつも外にいるパトカー君がこの雨で濡れているのではと心配したらしい。
彼には本当に多種多様な友だちがいる。
せんぷうきくんにも話しかけるし、ふみきりくんは大親友だし、最近お気に入りの「いろいろくれよん」の絵本にはなんとトイレにまでついてきてもらい、ウンチをするのを「ここでみててね」と場所指定している。
工事現場にいる大好きなしょべるかーくんには去り際「かんかん帰るきね~」と別れの挨拶もする。
かみなりくんのように姿の見えない友だちも、声しか聞こえない友だちもいる。(いや、彼にはしっかりと姿かたちまで見えてるのかもしれんけど。)
日常の折々に、あの子は何しているかな、今ご飯食べてるかな、なんて思いを馳せたりしている。
ごく幼いうちは、こどもはみんなアニミズムを生きているというけれど、それを日々これほど間近に感じていると、本当にそこに命が存在しているような気分にさえなってくる。
今は、そんな彼の今だけの世界観を一緒に、そして存分に味わいたいのだ。
それと同時に、人間の、生まれてからの育ちの段階、発達原理や発達心理をもっと深く学びたいなあと思う今日この頃。