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尊徳ブームは減税ブーム?!二宮尊徳が今生きていたら、きっと減税の仲間になったと考えたわけ。読書感想から R6.10.3

 はじめに ひさびさの金次郎

 まだ参政党員だった5年前、神奈川支部の方から誘われて映画『二宮金次郎』観みました。(当時は参政党も綱領として減税を掲げていました)

 ステージでの監督のお話にも大変感銘を受け、映画も号泣でした。
 二宮金次郎って、そういう人だったんだ。。。賢くて愛があって、厳しさと優しさが同居して。また映画を観たいな、と思いつつ日が経ちました。
 そして、最近になり 日本維新の会 参議院議員 松沢成文事務所からメールが来ました。(2021年横浜市長選挙出馬の際、選挙を手伝ったご縁でときどきメールが来ます。)すると、新刊のお知らせでした。『教養として知っておきたい 二宮尊徳』を上梓され、そして出版に際し、どこでも講演に行きます!というお知らせでした。
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 松沢さんは、歴史に関するご著書を何冊か書かれています。先の横浜市長選のときは『横浜を拓いた男たち』を拝読しました。
 選挙日程に合わせてだと思いますが笑、たとえそのことを含んでいたとしても、二宮尊徳はたしか、自由民権家的な働きをした方だったような。。。と思い出し、本を読んでみようと思いました。

『教養として知っておきたい 二宮尊徳』から 尊徳は減税の仲間だ!と思う点について

 本で読み、また映画の感動がよみがえるとともに、あらためて尊徳の実践は減税の考え方、裕哉様の考え方ととても共通点があると思いました。
 そこで、これを聞いたら、減税の仲間でしょ!という部分を拾い出してみました。

1.桝を統一し、減税を実現!

 小田原藩では以前から、年貢として納めるお米を計る桝の大きさが統一されておらず18種類くらいあり、不公平な取り立てが行われていました。小田原藩大久保忠真(ただざね)が「百姓のためになる改革案」(今流で言えば、行政改革)について提案を呼びかけ、尊徳が以前から気になっていた、「斗桝の統一」を提案しました。
 米俵一俵を四斗一升と計算し、桝で3回が一俵と決めたことにより、それまで3回以上過剰に計測されてしまうことが無くなり、結果「減税」できた、ということがありました。

2.百姓のために年貢率の引き下げ(減税)を実現!

 忠真は、分家である旗本・宇津家の所領、下野国桜町領(こうずけのくに さくらまちりょう)(現 栃木県真岡市 とちぎけんもおかし)の復興を、尊徳に命じましたが、尊徳はすぐには了解せず、まず現場を徹底的に調査しました。尊徳は現場現実主義なのです。
 その土地の徹底した調査から「村柄取り直し10カ年御仕切り書」という計画書(いまでいうマニフェスト)を尊徳は小田原藩と宇津家の間に取り交わしました。この契約書は、まさに減税を約束するものでした。宇津家の歳入を、復興のための10年間は米1005俵、畑からの税145両とし、10年後以降は2000俵を歳入とする、という減税マニフェストでした。
 桜町領は本来は4000俵の歳入が見込まれるのに、平均962俵に減ってしまっていたそうなのです。これを復興して増やすとともに、10年後には年貢率を4000⇒2000俵にする、という減税マニフェストを約束させ、見事これを実現しました!

3.お上からの補助金は害悪である

 小田原藩と宇津家が減税マニフェストを認めたいくつかの要因には、いままで立て直しのために人材や補助金をつぎ込んできたものの失敗し、お手上げだったという背景がありました。 
 任にあたる尊徳に、忠真が資金援助を申し出ましたが、これをきっぱりと断りました。

開発事業を実行するのに、お上からの補助金は要らない。それは恵みではなく、むしろ害悪である。毎年補助金が出れば、人々は依存心ばかり大きくなり、自立心が育たない。自立心がなければ事業は絶対に成功しない。尊徳はこうした信念を「荒地は荒地の力をもって開く」と表現したのである。

太字はブログ筆者の編集

これが報徳仕法(ほうとくしほう)と呼ばれる尊徳の思想の神髄なのです。
素晴らしいですね!!
 尊徳は”お金の性質”を見抜いていました。殿様からお金をいただくと、人は自分でなんとかしなければ、という自立心を無くしてしまう。だから、与えるのではなく貸して、返済させることで自立心と覚悟をもって行動できるのが人間だ、という考えを持っていました。

4.象牙の塔の学問より実学 福沢諭吉との接点

 尊徳の高弟、福住正兄と福沢諭吉が箱根で知り合い、意気投合。箱根開発を推進する中で、お互いが本を贈り合っているそうです。福沢からは『学問のすすめ』が、福住からは二宮尊徳にまつわる本『二宮翁夜話』など。
そんな二人の思想に3つの共通点 がみられます。
 実学の重視。
 数理を重視する合理性。
 独立心の尊重。
他者に依存しない、独立した人間により社会は発展する、という考えは共通している、と著者は評価しています。

5.欧米の自由主義者の評価

 (1)GHQインボーデン少佐
   論文「二宮尊徳を語るー新生日本は尊徳の再認識を必要とする」の中で、尊徳こそは、近世日本の生んだ最大の民主主義的な大人物である。世界の英雄ともいささかもひけをとらない。 とし、リンカーンにも比すべき人物である、と評した。
 (プラグマティズムと尊徳の「道徳経済一元論」は通じるものがあるので、このような評価になる、と筆者の論。)

 (2)マーガレット・サッチャー 
   サッチャー来日の際、大日本報徳社が『二宮翁夜話』の英訳本をプレゼントしたところ大変喜び、このような感想が送られたそうです。

「政治とは人間の心と同意義だということです。政治は単なるロジックでやってはいけません。ロジックだけで人間性がなかったら、政治はただの卑しい権力争いになってしまいます。人間性とは愛であり、愛とは忠誠心、奉仕の心、許す心、見返りを求めず与え続けること。すなわち、推譲です。二宮翁は、仕法は心田の開発からといわれました。私は、英国病克服は英国民の歴史的魂を呼び覚ますことからという信念をもって一一年半努力してまいりました。そして、大英帝国の誇りは永遠のものとなりました」

松沢 成文. 教養として知っておきたい二宮尊徳 日本的成功哲学の本質は何か PHP新書 . 株式会社PHP研究所. Kindle 版.

6.経済を伴わない道徳は戯言である。道徳を伴わない経済は罪悪である

 道徳経済一元論です。素晴らしいですね。なんとこの言葉を初めて知ったのは、浜田聡事務所の法案調査の資料でした笑 それは、富士河口湖町の住民が内閣府の委員会で最後につきつけたPPでした。

以上、6点を挙げてみました。どうでしょうか。二宮尊徳は、間違いなく減税の仲間だと思います!

尊徳像と減税草の根運動

 映画、尊徳本と来たちょうどそのとき、ときどき視聴する山田五郎さんが解説する美術評論動画が上がってきたところ、なんと二宮金次郎の銅像についてでした!
前編

後編

後編では、そのGHQが尊徳をリンカーンと評した話も出てきます。

山田五郎オトナの教養講座よりスクショ


尊徳像は、公金で建てられたのではなく、尊徳を愛する民が建てて広げてきた、世界でも珍しい草の根パブリックアート、というお話でした。

山田五郎オトナの教養講座 よりスクショ


減税草の根運動みたいだなぁと思いました。

もし、あなたの町に金次郎の像をみかけたら、減税の象徴としてその像のある住民の方に尊徳の思想を知っていただき、減税の仲間になっていただいたら、減税が広がるのではないかな?と思いました。

おわりに 尊徳ブームはすなわち減税ブーム?!

 このように、私自身がまず二宮尊徳への認識を新たにするとともに、なんとなく世間でも尊徳をとりあげる方が増えています!これは偶然でしょうか? 金次郎像ブームも上げ下げがあるようですが、今また、尊徳ブームが来ているのではないでしょうか。そして、それはつまり、減税ブーム、なのではないでしょうか?!
 私はそんな気がしてなりません。

 今日も減税、明日も減税、令和の大減税!

減税あやさん

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