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川崎市議の、名古屋市の減税ヒアリング報告会に参加しました!河村市長はマジスゴイ!!重冨さんも減税派?!笑 R5.7.9(7.29更新)

目次


はじめに


 川崎市議、とは中原区選出の無所属 重冨たつや議員です。第3期目に突入、若手なのに中堅という存在感!政令市で6000票獲得、無所属でスゴイと思います。かわさき減税会としての参加は、樗礫散木(ちょれきさんぼく)さんと私だけでしたが、他にも初対面の有権者4名がいて、大変熱気のある会でした。
 重冨さんはこの4月末、名古屋市へ赴いて行政、減税日本の議員にも会い、質問や意見交換。河村市長にも面会予定だったそうですが、河村さんがコロナになってしまい、会えなかったそうです。(仮病ではなく、報道でも確認できたそうです笑)
 6月から計3回開催された報告会から、私の目線で特に取り上げたいことを書いていきます。

1 名古屋市の減税について

 重冨さんが名古屋市の減税に興味をもったのは、SAKISIRUの、この記事からだったそう。

 

河村さんの減税についての考え方

 減税会メンバーはともかく、他の参加者は「減税」政策については初耳かもしれないので、まず河村市長の減税についての4つの考えを、減税日本HPを読みながら確認しました。

 特に、 行革してから減税、ではなく、減税するからこそ行革できる、という考え方については重冨さんもなるほどそうだなー、と最近思うようになられたそうです。

名古屋市民税減税の歴史

 H21年に国会議員を辞し、減税を掲げて、首長として市政に臨んだ河村たかし氏。市民税10%減税を達成。民意だけが味方。行政も議会も、減税には抵抗が強かった。首長当選からの減税の達成は、河村氏のカリスマ的人気に負うところが大きかったかもしれない。

 H22年度 河村市長の減税案について、公明党、共産党が対案を提出したため票が割れてしまい、結局否決されてしまいます。河村市長は議会解散の是非を問うリコール運動を起こし、住民投票により議会を解散し、減税日本から多くの党員を議会に送り込み、H23年度に再び当選。減税日本の議員が増え、議会での承認も得られやすくなりました。 
 H23年度 税率変更と付帯決議により市民税減税5%を達成し、いまのところ継続中。行政と議会での、減税への風当たりはいまだに強いようです。

名古屋市市民税減税の沿革 2枚目

この10年間、河村市長の市議会での戦いの歴史は壮絶。本当にスゴイ!。単なる票稼ぎの提灯政策ではなく、なぜ減税が必要なのか、という理念や思想があるからこそ、信念を貫く行動ができるのだと思いました。

ぜひ、こちらで河村たかし氏の減税へのアツい思いに触れてみてください!


1 事前に調べたこと&名古屋でヒアリング結果(PP印刷参照)

 均等割り、法人税、国からの交付金(補助金)、財政調整基金、他の動向を、川崎市と比較して、読み取れることなどの説明がありました。

以下が パワポの画面印刷、2面 の資料。

1面目 主に事前調査による確認資料
2面目 1面の続きと、減税日本市議との意見交換


では、順に印象に残ったところを書きます。

1-1 名古屋市 市民税減税5%検証報告書より

 H26年の市民税減税5%報告書 の結果は、減税したよりも、しなかった場合(ケースB)が良い数字になっています。これは、評価の数式に国からの※交付金(補助金)を入れたからそうなる、んだそうです。補助金を計算式に含めなければ、減税(ケースA)のほうの市内総生産の数字はBに勝つそうです。
 ※交付金=地方交付税交付金 というのが一般認識。名古屋市の場合、減税しても、交付金は減額されていないので、変化なしです。ここでは補助金(国庫支出金)の意味になります。

名古屋市 市民税5%減税検証報告書(概要)H29年度 P9 表(イ)

 ある政党から行政に対し、交付金を計上する計算式に「アドバイス」があったそうです。計算式に加味したことは、この報告書の説明にそれとなく書かれています。

同報告書 p8


 いったいどのような仮定を前提とし、特定財源を活用するような計算式にしたのでしょう。このような統計は、作成者が自分の立場や主張に有利なように手心を加えることはありがちなことだと思います。統計や評価を学問的に問い質せるシンクタンクなどがあれば、計算式の恣意的な点を指摘できるのかな、と思います。 

 しかし、良心が咎めたのか?笑 最後にはこのような記述がありました。

 なお、市民税5%減税を継続して実施した場合と、市民税5%減税 - 12 - を実施しなかったと仮定し、減税相当額のみを政府支出に上乗せした 場合の比較では、減税を実施した場合における10年間の市内総生産(名 目)や民間最終消費支出(名目)、企業所得の伸び率が、減税を実施 しなかったと仮定した場合における伸び率をいずれも上回っており、 市内総生産(名目)の伸び率を例に見れば、その差は10年間で1.35% 程度、年平均では0.13%程度であった。

同報告書 p11-12

減税相当額のみを政府支出に上乗せした。つまり、特定財源の活用を考えない単純計算の場合、ということかと思います。

 河村市長は、このような○○政党の圧力で計算式を変えざるを得ない行政と対峙している、ということがこの報告書からも分かります。

1-2 それでも貯金できる!


減税しても財調がかなり積まれています(=貯金できています)。

グラフは川崎市との比較がありますが、共通項は政令市、というだけで、東京に近い川崎市と中京地区の名古屋市を単純に比べられないと思いました。

 

これはH23年5%市民税減税条例制定の際、付帯決議として財金100億円確保することが明記されたことも大きいと思います。このように、減税政策に与えられる厳しいハードル。一見、役所とズブズブの議会勢力のイジメのようですが、努力の賜物であるし、これこそが減税する意義、だと思います。

1-3 事業仕分けで事業廃止実現!


 例えば、事業仕分けで廃止になった事業は、こんな感じです。事業目的が時代にそぐわなくなった施設は廃止し、行革実行!素晴らしいですね!!

広報なごや 市会だより臨時号 H24年1月p4

この市会だよりがA41両面1枚なんだけど、めっちゃ中味が濃い!
H26年以降はWeb上で見られます。

H24年は掲載がありませんでしたので、下記に写メを貼ります。

広報なごや 市会だより臨時号 H24年1月 オモテ面


広報なごや 市会だより臨時号 H24年1月 裏面

このオモテ面のほうの、右のコラム、面白いことが書いてありました!
毎月発行してたのを、河村市長が認めず、年7回にした!笑 素晴らしい!大賛成! 名古屋市民の皆さんの反応は、どうなのかしら。

2 減税日本市議団との意見交換から

 詳しくは、掲載した資料(PPの写メ裏面)を読んでいただければ分かるのですが、もっとも印象に残ったことは、減税を掲げる市長や政党に多くの市民が注目し、減税政策を支持していることが市議会にまで伝わると、議会でも反対しずらい雰囲気が醸成される、という話でした。やはり、私たち有権者が、様々なやり方で声を出し、世の中に届けていくことが必要不可欠だと思いました。

3 平成24年の5%減税法案の付帯決議

1で添付した資料 名古屋市市民税減税の沿革 2枚目の、H23年の欄に、付帯決議が4項目があります。

 ①毎年度減税に伴う財政状態の見通しを議会に報告すること
 ②将来世代に過度な負担を残さないよう努めること
 ③財政調整基金100億円の確保に努めること
 ④減税の財源は行財政改革により確保し、市民サービスをより一層充実させること

  減税するとなると、議会はこのような条件をつきつけてくる。①、②、④などは、減税に限らず、常にそうであってほしいことなのでは? しかし、減税に対するこのような厳しい条件が、行政運営を切磋琢磨するパワーになると思いました。
 重冨さんによれば、③のように具体的な数値を明記するというのは大変珍しく、本気度が現れているとのこと。そして、これは前述したように、これでどうだ!と言わんばかりに、基金積み上げの約束はしっかりと守られています。

4 初対面の参加者の反応

 重冨さんの会に長年来られている方のほとんどは、身近に目にした課題を持ち込んだり、市政の状況を知ることが目的です。地方議会において、「減税」という政策を議員に要求していくような活動は、珍しいことなのかもしれないな、と思いました。

 参加者のお一人が、かわさき減税会名刺をみて、どんな活動をしているのですか?と尋ねられました。請願を市議会に提出し、重冨さんにも紹介議員になっていただいたことや、全国で事務事業評価シートをチェックする活動をしていると、お話しました。その方はこのシートのことはご存じなくて、樗礫散木さんが、以前調査してくださった、延滞金徴収事業について話しました。すると重冨さんが、すぐに事務事業評価シートをパワポで映してくださいました。
 事業には無駄な仕事も多く、評価も自画自賛であること、ちょっと減税をいうと、道路が直せない、と脅される話をしたところ、参加者の一人が「小学校のときそう習いました!笑」と仰って、本当に居た!とビックリしました。28才だとのことですが、そんな体験を記憶しているなんて、減税派予備軍として見込みあるなー。また会いたいです笑

 名古屋市の減税額は一人数千円です。そこだけをみて議論していると、減税したって、市民に何かいいことある?って、空しい気分になりそうな話の流れになっていきます笑。数千円を惜しんでいるのではなく、税金の無念な使われ方、ジャンケン理論、選択肢のある政治、自由な社会を求める思想… お伝えしたいことが次々と浮かんでくる。 だけど、一足飛びにはそこまで話の内容を持って行くのはできませんでした。ここら辺、端的にわかりやすくお話出来たらよいなぁ。。。
 ワタセユウヤ(渡瀬裕哉氏のツイッターアカウント名)が減税運動ノウハウをtwitter上で呟き出し、何も知らなかった私が、減税の深い意味、運動の理念に興味関心を持つまでの、この数年間を思い出しました。日本各地を回り、減税の意味、事務事業評価などを分かり易く、面白く、皆を納得させるお話をされるワタセユウヤの凄さ、貴重さ、有難さを改めて感じました。

5 今後の市政へ


 重冨さんには、この調査結果を今後どのように生かしていこうと思っていらっしゃるかをお尋ねしました。
 減税に対してのマインドを持って活動していくことになると思うが、具体的なアクションに繋げていくのは難しい、とのご回答でした。
 了解です!かわさき減税会が、具体的なアクションを提案していきます笑
3年前に議員控室で消費税請願の署名をいただくためお会いしてから3年。減税のマインドをもってくださっただけでも、この、減税運動の盛り上がりの成果だと思います! 今後も重冨議員にはアプローチしていきたいと思います。よろしくお願いします笑

6 かわさき減税会メンバー 樗礫散木(ちょれきさんぼく)さんの感想

重富議員は現在国内で政策として「減税」を掲げる、ほぼ唯一と言ってよい自治体の名古屋市に行政視察で訪問され、その内容についてお話を伺いました。詳細はあやさんが書かれた記事をご覧ください。

重冨さんはネットメディアsakisiruの記事”5%減税でも…名古屋市の市税収入増加に注目。河村市長「減税で経済を盛り上げる」”を見て関心を持たれたそうで、名古屋市の河村市長が減税についてどの様な理念を持っているか、地域政党・減税日本のサイトから情報を得て、その上で視察に赴かれたそうです。sakisiruの記事では税収増、人口増とあるが実態はどうなのか、市議や行政の反応はどうか直接確かめて来られました。

その報告で興味を引いたのが「市民税減税を10年以上にわたり行ってきたが、市役所職員は未だに減税に対して否定的である」という減税市議団との意見交換で出てきた話です。減税を行うと当然税収は下がり、事業に充てる予算は少なくなります。しかし必要な事業は削減できず、従ってどこからか捻出せねばなりません。この作業は非常に労力がかかるため職員からは嫌がられており、それも減税に否定的になる一因と考えられます。もっとも、そもそも予算は行政の権力の源泉であり、市職員のみならず市議会政党も軒並み減税には否定的とのこと。条例が議会に諮られた時は減税が話題に上り広く市民に認知されていて真っ向から反対は出来ず、そのため減税の幅を縮小させる様に”独自減税案”を提出して対抗してきたそうで、当初10%だったものが5%になって可決されました。

また減税の効果について検証を行うという条件付きで実施されている市民税減税ですが、その検証方法にも減税にはっきりと反対する〇〇党が横槍を入れています。過去2回行われた検証で、第1回目の検証では「減税は有効」という判定でした。しかし第2回目では、減税した場合としなかった場合の比較シミュレーションに、減税の効果が減殺されるようなパラメーターが押し込まれたため「減税しない方が良い」という結果となりました。それでも減税を継続し続ける河村市長は大したものだと思います。

「減税条例が可決するまでのパブコメ、外部有識者の提言はどの様なものがあったか」に対する名古屋市役所側の回答で引用されている2つのパブコメはどちらも減税に対して否定的な意見でした。重冨さんが「わざとか?」と勘繰りたくなる気持ちもわかります。つくづく減税は戦いなのだなと思いました。

太字は減税あやさんによる

減税に否定的な市民の意見とは、以下のようなものでした。
肯定的な意見は、パブコメには無かったのでしょうか。。。?

行政が重冨議員に提示した市民意見2例。

一方、今後の懸念材料かなと考えたのは「減税を始めた当初は九割くらいの市民に認知されていたのが、今は七割ほどではないか」という話。減税が続いているため慣れてしまい、当たり前なので気にされなくなっているということの様でした。減税が通常の状態というのはこちらからすると羨ましい限りですが、心配な面もあります。それは市民の間に「減税もお上がやってくれた」という、草の根運動とは真逆の意識が醸成されているのではないかという点です。”減税を勝ち取った”という認識は薄く、行政を監視して減税を続けると考える人はかなり少数派ではと思ったわけです。市役所や減税反対派政党が「行政サービスの向上」を訴えればある程度簡単に説得されてしまう有権者も少なからず出てくるかも知れません。行政組織が肥大化し、市民に対する過剰サービスを名目にした事業が増えつつある現在、不要な行政サービスの押し売り(利用しなくても税金という対価を強制的に徴収される)に対して「いい加減にしろ」と声を上げることが必要だと改めて感じました。市民に対する行政からの過干渉は有害無益で、この手の事業をバッサリ切り捨てることこそ最大の行政サービスだと思った次第です。

樗礫散木さんの感想続き

河村市長のトップダウンに近い形で始まった市民税減税なので、樗礫さんのご指摘はなるほど、と思います。強いリーダーであっても、支えるのは有権者の声ですね! 感想をお寄せいただき、ありがとうございました。

おわりに
 

 定期的に市民と交流の場を持つ議員が、減税に理解を示し、このような会を開催していただくことの意義は大変に大きいと感じました。消費税減税請願のお願いに上がった初対面から3年が経った今、減税について興味を持っていただけて本当に嬉しいです。 
 そして、日本で唯一、市民税減税を実行している、名古屋市長河村たかし氏にあらためて敬意を表したいと思いました。他自治体にも、減税を目指す首長が誕生するよう、そして、川崎市政にも減税の理解、機運が高まるよう、かわさき減税会として行動して参ります。

かわさき減税会
減税あやさん💛

追記
名古屋市が市民税減税していたことも、河村さんが頑張っていることも知っている”つもり”だった。
しかし、今回改めて、重冨さんの報告をまとめたり、河村さんのご著書を読んで、その本気で行動するバイタリティ、本気度に心を打たれました。
#私の学び直し  にエントリーした理由です。

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