5年間引きこもりだった子がたった半年でイケイケ高校生になった秘訣シリーズ3
受験宣言!!
今日は
以前、お話したことがある
”不登校”のお子さんの話の続きを
します。
私は、1年前の今頃、
中学3年生と受験勉強をしていました。
その中学年3年生の彼は、小学校高学年から
5年間学校へ行っていませんでした。
いわゆる”不登校”です。
実は、
私は”不登校”という言葉が
どうも好きになれないのです。
だって、
学校に行きたいけど行けない
自分の意志で学校に行かない
よく分からないけど行けない
その子その子の
事情や気持ちは様々なんですよね。
どれもこれも一括りで”不登校”って
いうコトに抵抗を感じます。
~対面~
家庭教師を引き受けることに
なった私は
その日
彼に会って
最初に何を話すのか
数日の間
色々考えを巡らしていました。
あっという間に
彼と会う日となり、
多少の緊張感と不安感
教師として働いていたことを思い出して
ワクワクする気持ちが
入り混じったまま
彼が待つ家のインターフォンを
鳴らすことになります。
彼の母親のYさんは
いつものように
穏やかな笑顔で
出迎えてくれました。
彼女の笑顔は
誰の心も癒すものなのです。
力んでいた私の心も
一瞬で和らげてくれた彼女の笑顔は
セラピストとしての最良な武器
居間へ通され、
彼を待つ時間
「学習に入る前に
彼にいくつか確認していたいことがあります。
今日はその確認だけで終わるかもしれません。」
母親であるYさんに了承を得ておきました。
私は
受験に合格するための家庭教師ではないのです。
そんなノウハウも経験もないのです。
正直・・・怖いのです。
彼も、母親のYさんもきっと怖いはず。
そんなことを考えていると・・・
髪の毛も整えられ
スッキリした顔つきで彼は
私の目の前に現れ、
静かに腰を下ろしました。
「こんにちは。初めまして。
倉本あや子です。」
私から挨拶をしました。
何度か会ってはいますが、
正面からちゃんと挨拶をしたのは
これが初めてでした。
「こんにちは。」
しっかりと
挨拶を返してくれました。
見た目はまだ少年のような
あどけなさを残してはいますが、
変声もして大人への階段を
着実にのぼっている様子。
「まずは、いくつか
質問したいんだけどいい?」
と伝えると、コクリと頷いたTくん。
そこからは、
その日の体調など
いくつか話しましたが、
1番に聞きたかったこと
それは
Tくんの好きなこと、
Tくんの興味のあること
その話をするTくんは
それはそれは雄弁です。
話は将来の夢にまで広がりました。
たっぷりと話を聞いたその後、
私は、
「そんなにハッキリとやりたいことが
あるのなら、高校に行く必要は
ないんじゃないのかな?」
と伝えました。
ここで彼が
「そうだね。じゃあ行かない」と
答えれば、私の役目はコレで終わり…
しかし、
ここまで流れるように話していた彼は
一瞬考えて…
「でも、ママさんやパパさんが
高校くらいは行った方がいいって…」と
口ごもりながら言い訳めいたことを。
おや?おや?さっきまでの君はどこへ?
「私が聞いてるのは、Tくんの気持ちだよ」
「高校は義務教育じゃないから行かなくても
全く問題ないよ。
それに義務を課されてるのは
親であって、
Tくんには権利が与えられてるのよ」
私が、当たり前のことを淡々と伝えると、
彼は急に不安そうな表情をしました。
そう、彼はある意味大人でもあり
ある意味また子どもでもある。
まだまだこれから多くの経験を積んで
自分になっていく…その途中にいる。
だから、私は聞かない。
不登校になった訳を。
どれもホントでどれも違うかもしれないし
不登校になった原因を
取り除けば登校できると考える人もいるけど
私はそうは思うわない。
大体にして、
そんな雲を掴むような話をしている時間は
彼にはない。受験は目の前に差し迫っている。
そして、私の経験上
99%の保護者は
そういう風に切羽詰まってから
どうしたらいいのかと相談にやって来る。
どうであれ、
高校受験はその時の彼が選択したこと
決めたら、先に進むしかない。
話は聞く。
どんな時も彼の気持ちを優先もする。
でも、彼が一度決めたことだ。
私や両親が言いくるめたことではない。
彼がハッキリと受験すると言ったのだ。
一方で
休んだ分の学習の遅れを
どれほど取り戻せるのか?
毎日コツコツ努力してる子ども達と
同じ土俵にこれから本当に乗れるのか?
私は不安でいっぱいだ!
それなのに
彼は、高校受験という決断ができて
何だかホッとしたようだった。
さてさて…来週からは
彼との受験勉強の旅に出ることに…
私も久しぶりに受験勉強
忘れかけていた記憶を
呼び戻さなければ…
彼の実力も見定めなければ…
~私が教師を目指したワケ~
人にものを教えるのが
好きなのか嫌いなのか
そんなこと考えたことが無かった。
ただ、必要とされたことを
続けてきただけ。
正直、好きでも嫌いでもない。
教師になったときに
自分の思いはどこかに置いてきたようだ。
ただ、私が教師を続けたその理由は…
それを引き出してくれた出来事はある。
中学校実習へ行ったときのこと
少し不良の男子生徒が
つかつかっと私の前に近づいてくると
「教師なんて信用できないな!」って言うと
睨みつけながらその場から去っていった。
私にだけ言ったのではなく
その場に居た何人かの私と同じ実習生に向けたようだった。
彼が去った後
男子学生は
「気を付けた方がいいぞ。
腕力じゃ敵わないぞ。」と
女子学生は
「怖かったね~大丈夫?」と
私に声を掛けてきた。
私より背も高くガタイもイイ
その男子中学生を
私は観察するようになった。
気になって仕方が無かったのだ。
すると
「教師なんて信用できないな!」という言葉は
「先生!俺を見てくれよ!」という言葉の裏返しだって気付いたのです。
そして
実習期間が後2日となった日
彼のいる班で給食を食べる日でもあった。
私の斜め前に座っていた彼とは対照的に
向かいの人懐っこい男子生徒は
話しかけてきた
「先生、彼氏いんの?」
「なんで、先生になりたいの?」
私は
「彼氏いるよ!両手に余るほど!」
と軽妙に答えた。すると
「やべ~じゃん!」と彼が言い、
周りの子も笑う。
「そういう風に言うってことは、いないんだね(笑)」
隣の女子が話題に入ってきた。
この手の話に興味のない中学生は少ない。
隣の班の生徒も会話に混ざって来たりして盛り上がる。
私の斜めの彼も言葉はないが
会話の中にちゃんといて、柔らかい表情
時々笑ってる。
「私ね、人前で話すの苦手なの。
教えたりするの…とっても緊張する。
でもね、
人が成長するのを見るのがスキなの。
成長するみんなの応援ができるように
なりたい。」
そう静かに話す私の言葉を
私の顔をしっかりと見ながら聞いてくれたのは
私の斜め前の”彼”だった。
直接何も話さなかった。
でも、一緒に笑った。
目と目があって、
この子は大丈夫だと感じながら
彼にだけ分かるように小さく頷いてみた。
彼には伝わったはず。
「あなたは本当は人の痛みが分かる子だよ」
そう私が思ってることを。
実習最後の日
担当教諭から
手帳に書き終わっていないから
最後に職員室によるように言われた。
他の実習生は満足そうな顔をして
手帳を読みながら一足先に門の外へ
人の少ない職員室に私一人・・・
出来の悪い私だけお小言をもらうのかと
とても居心地悪い・・・。
すると、担当教諭から意外な言葉が・・・
「君は実習中ずっと生徒の中にいたね。」
「正直、俺が手こずっていた彼の心を
ノックしてくれたの助かった・・・。」
「教師になって一緒に働こうな。待ってるよ。」
人の心は不思議だ。
さっきまで自信がなかったはずなのに
だった一言で背中を押されて
教師になろうと思ってる
あの時の思ってもなかった言葉。
何十年たっても思い出す。
そのたった一言で私の人生は動き出した
教師を目指したのは
担当教諭に褒められたから。
大学の先生から現場に出なさいと言われたから。
それだけ。
なんとなく。
そして、続けられたのは
楽しみながら子供たちの成長に関われたから。
でも正直言うと
現職の時は楽しいとか苦しいとか
そういう感覚も味わえないほど
必死だった・・・
トータルすると”楽しかった”と
教職を離れて気がついたのです。
※現在
学校へ行っていない子どもが増えていると言います。
困り果てて何からしていいか分からない・・・
そんな親御さんの話をきくことから始めようと
思っています。もちろん無料です。
教師の経験を生かしたアドバイスですので、
基本オーラ鑑定とは別です。