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もしも学校の英語授業がすべて英語で行われたら

オンライン英語講師の仁科綾子です。

今回は「学校での英語授業がオールイングリッシュなのですが…」と、ご相談いただいた時のことを、綴ってみたいと思います。

以下のようなご相談がこれまで数件ありました。

・ご相談は小学生のお子さんをお持ちの保護者様から
・通っていらっしゃる学校は私立中高一貫校の附属小学校
・国内で育った子どもさんがインターナショナル校に入学する場合

結論から言うと…「まず動詞」…これに尽きます♪このことを子どもたちの置かれている状況を踏まえて綴ってみたいと思います。



では、スタートです♪



授業についていけてる、いけてない…の判断基準

ある保護者様が、うちにお話に来てくださった理由というのが…
「参観日に行ったのですが…うちの子、先生の指示について行けてなくて…ほとんどの動作が遅れがちなんです。」…メンタルにも影響してしまっていて、授業に積極的に参加できなくなってしまっているので、やさしく丁寧に指導してほしい…というご要望があってのことでした。

また、別のケースでは、「先生と外国人のもう1人の先生がひたすら喋った後、その大意を理解しているかどうか、授業中に質問される。」というケースがありました。「この授業の、この難関を乗り越えたい。聞いてわかるようになりたい。」というご要望でした。

前者は小学校入学直後のお子さんの保護者様、後者は小学4年生の保護者様でした。

今回は前者のケースを中心に扱いますが、高学年においても動詞優先(さらには同意表現にも意識を拡張した学習)が奏功すると考えます。

(インターナショナル校の生徒さんであれば、後述する2つの書籍を全ページにわたって活用します。)


小学生低学年なら、まずはここから

英語教室でよくあるアクティビティで”Walk!“ “Stop!” “Sit down!”…とか先生の指示に従って子どもたちが動作をするものがありますね。

あれはTPR(Total Physical Response)いって、英語を身体で覚える…という趣旨のものですが、これをもっと本質的なところまで掘り下げて考えると、より意義深いものになると思うのです。アレがただのお遊戯のようになってしまっているのは、実にもったいない!


英語教室でよくあるタイプの、あのアクティビティの本質

幼児英語教室では一年ぐらい、小学生低学年対象のクラスでも半年ぐらいは、このTPRが多くカリキュラムに取り入れられています。最後の方になると、ホワイトボードの前に生徒さんを呼びよせて”Draw an apple!”とかやるようになるので、こうなると授業中に先生が英語で指示を出しても、生徒さんたちは各自鉛筆を取って…プリントに名前を書いて…指定されたアルファベットを書いて…ということができるようになります。

これができるようになるということは、「先生の指示のもと集団行動が取れる」ということです。アーノルド・シュワルツネッガー主演、映画「キンダーガーデン・コップ」をご覧になったことがあるでしょうか?典型的なTPRの場面が出てきます。たとえその集団が警察であろうと軍隊であろうと…「動詞がわかれば動ける」ということですね。(主述関連等文法未習でもOK)



小学校低学年の参観日で、保護者様が「うちの子、指示についていけてない」とご心配になったということは…そのお子さんにとって、その時の先生の指示が難しかったとか知らない表現だったとか…そういった状況なのでしょう。

ここで先生が出している指示は、すべて命令文です。
動詞が解れば命令文に強くなれる!

ここにフォーカスしましょう♪




では、どの動詞を覚えますか?

答えは…先生が授業中に使いそうな動詞…です♪

ただ、これは我々周囲の大人が推測するしかない♪
どうやって?

『Essential Grammar in Use』(初学者用の赤い本)のExercise (右ページ)を見てみましょう。

指示語にパターンがあることがわかります。
”Complete the sentences.”,
“Use these verbs.”,  
“Put the verb into the correct form.”
“Write short answers.”

などなど。
これらに真っ先にフォーカスした方が良いです♪

「先生の指示をまず、わかるようになりたいよね」と提案して…
「どこをやってるのかわからなくなったら、すぐに近くのお友達や先生に尋ねるんだよ。日本語禁止の授業の時は”What page?“とか短くて使いやすい質問形を使えば良いからね。」と伝えておきます♪

Oxford Picture Dictionary も授業では扱いました。


私立小中高一貫校の方には、はじめの12ページのみ、インターナショナル校の方には200〜207ページ(算数関連)も。


覚えるだけでなく、こんなことも想定して…

この2冊の資料で先生の指示すべてを予習するのは無理というものですが、このように考えれば、かなりの範囲をカバーすることができるかと思います。

  • 小学生対象の授業なので、およそ難単語が使われることはないはず

  • まずはレベルをCEFRのA1A2に絞り込む

  • Oxford3000リストのA1A2に掲載されている動詞は約110語。まずはA1動詞!

https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/external/pdf/wordlists/oxford-3000-5000/American_Oxford_3000.pdf


Oxford3000リスト


…で…これらの動詞(特にA1)について想定される同意表現がないか考えてみる…
(ネイティブの先生なら、単語1語で表現するところをイディオムを使う…ということもあるかもしれません。日本人にとってはその方が難しい時もある。



↑↑↑↑↑↑
…というようなことを、授業準備の過程で行っています♪♪♪


結構手間のかかる作業ですので…そこは「餅は餅屋」と申しますしww
お任せください♪




まとめ

オールイングリッシュの授業についていく…となると、お子さんの方ではかなり緊張するようです。特に「お受験頑張った、その先」でのことです。クラスの中には「おうち英語ガチ勢」もちらほら…。

私が拝見する限りでは、小学生低学年のうちに能力別クラス編成にされる学校はほぼないようです。クラスに帰国子女が…ということもあるようです。

…と、言うことは…

入学直後に「ガーーーン、アタシ、できない?!」…となっても不思議ではないのです。学校はひたすら良質な教育を提供したくて先生が想いを込めた授業を進めてゆかれます。クラスの半分ぐらいがついてゆけそうなら「えっ?…小学生のうちから、こんなに浴びるように次から次から英語を…解説なしで?」というケースが多々あります。

もちろんそうではない英語の授業が別にあって、そこでは懇切丁寧に文法を教えてくださる先生がいらっしゃいます。私学の場合は特に。ただ…「そっちの授業は分からなくはないけど…こっちの授業は苦手」という、もったいないことになってしまいかねません。

せっかくの授業だから、わかりたいよね。ついていきたいよね。


…そこを、お手伝いするとしたら…
私はこの方法を採ります♪



今日はここまで

ではまた♪


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