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鹿島鉄道の足跡
僕が職場で親しくしている人たちは、ニッチな趣味をお持ちの方が多い。
最近は頻度が低くなってしまったが、僕を含めて4人で「団地部」という非公認の部活を結成し、関東の団地を巡る催しをたまに開いている。
先週末、その団地部のメンバーで、茨城を巡ることになった。ただ今回の目的は団地ではなく、鹿島鉄道の廃線跡を辿ることであった。
鹿島鉄道は鹿島参宮鉄道時代から含めると大正期の頃から2007年まで運行していた鉄道で、茨城県の石岡から鉾田までを結んでいた。
元々輸送収入は厳しく、旅客だけでなく貨物輸送によって経営を成り立たせていたが、その頼みの綱だった貨物輸送が廃止されたり、つくばエクスプレスの開業など、さまざまな要因が重なっての廃業となったらしい。
正直、僕は鹿島鉄道の存在自体をまったく知らなかったのだが、他の部員の強い要望により、いまだに廃線として残っている駅のホームなどを見に行ったのである。
こういった廃線跡というものをしっかり見たのは初めてだったのだが、かつてその鉄道を中心とした生活の名残が微かに感じられる上に、今もそこで鉄道のない暮らしが営まれているという、過去と現在の両方の時間軸で想像を巡らせる経験となった。おそらく昔は駅前広場だった場所が今ではバス停となっていたり、付近にはシャッターが閉じた店舗が多い商店街が残っていたり。
僕の知らないところで、暮らしが刻々と形を変えながらも紡がれているのだと思うと、なんだか神秘的な気持ちになるのであった。
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鹿島鉄道の車両は、現在「ほっとパーク鉾田」という公園に展示されている。この公演は広大に芝生が広がっていて、ポツンと車両や遊具が置かれていたりする風景がなんだか幻想的で良かった。
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高齢化が進み、地方では更なる人口の減少が止まらないと聞く。北海道なんかはほとんど赤字路線のためどんどん廃線化が決断されている。
鉄道会社も慈善事業ではないので、収益性とか需要とかを考慮してそのような判断を下していることに対して、特段批判的な考えは持っていない。
ただ、鉄道がなくなるというインパクトというのは少なからず地元の人の生活に大きく影響しているわけで、そういった部分の想像力というのは、個人的にいつまでも失わずにいたいと思っている。