③宝物の長女


阿弥陀様、他神様、御先祖様に守られて、希望が叶う

オッパイが出ない為針をして貰う。

この産婦人科は、夜は赤ちゃんを
預けてゆっくり寝る事になっているが、
何かと理由を付けてきゆたんを部屋に連れ込んだ。

顔を見てると、
手を握ってみると、
足を触ってみると、
止め処なく涙が溢れ、
この感動をこれからの育児に迷ったり、
行き詰まったりした時に思い出そう。


5体満足に生まれてきてくれた。
茉由の分まで幸せにしなくては、私が絶対に守る。


夫の両親、弟が来てくれた。
母と夫は勿論毎日顔を見に来る。


退院の日、先生とナースにきゆたんを抱いてもらい写真を撮った。


幸せな毎日。
両親、弟がお風呂を手伝ってくれる。
弟はきゆたんにメロメロだった。
夜泣きをすると、カゴにきゆたんを入れてドライブに行ってくれる。


私が夜泣きで寝れないときは母が絞ったオッパイを持って私を寝せてくれた。


欲しい物があると、皆のお財布が緩んだ。


そして、プールに行ったりサークルに入ったりして友達が出来始めた。


私は3歳児神話を信じていて3歳迄はとにかくベッタリと甘やかした。


私が風邪を引くと母が義実家に連れていき、母の仕事が終わると連れて帰ってきてくれた。


きゆたんは人見知りが激しく、
お客さんの顔を見てはギャーと泣き、
私が居ないとギャーと泣いて、
布団になかなか寝ない子だった。
おんぶや抱っこが好きで、
直ぐ寝てくれるので、抱っこ紐、おんぶ紐、色んな種類を買い漁った。


勿論ベビーカーになど乗らず、B型ベビーカーを買う羽目になった。


キティちゃんが好きでハーモニーランドは年間パスポートを2年買って通った。
ハーモニーランドは車で2時間かかる。
きゆたんは
「お母さん、明日はキティちゃんに会いに行くから、お弁当作って
きゆたんのジュース忘れんで、
ぜーんぶ車に積んで、きゆたん
を起こさずにベビーカートに入れて、キティちゃんの所に付いたら、
きゆたんを起こしてね!」
と週に一度は言うので、頑張って通った。


全てがきゆたん
中心の毎日だった。
多分きゆたん
は自分は宇宙一番のお姫様と思っていたのだろう。

そのうちお友達に段々赤ちゃんが出来てきた。
私は5歳離すつもりだったが、
きゆたんは日々
「なんできゆたんには赤ちゃんこんの?」
と困らせる様になった。
「きゆたんがお姉ちゃんとして赤ちゃん可愛がるようになってからね!」
と流すと、いきなりお姫様からおねえちゃんに変身して、私にせがんだ。


「お姉ちゃんは幼稚園では泣かんのよ。」と諭すと、
実母に言いつけに行っていたらしい。

自分の意見が通らないと、
直ぐ両親、弟に言いつけに行っていた。




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