自宅の太陽光発電パネルで電気自動車を走らせるには(理想と現実)
卒FIT(いわゆる家庭用の太陽光発電の買取期間が終了したおうち)後の売電価格の下落と、それに伴う蓄電池の売込みやら、V2Hの提案やら、電力会社乗り換えのお誘いやら
太陽光発電をされているお宅なら聞いたことがあるのではないでしょうか。
そんな中、
V2Hにすれば、太陽光発電した電力を車に充電できます!
みたいな売込みをする業者さんもあるみたいですね。
「太陽光パネル 車 充電」でググってみますと、そんな風に受け止められる広告が何件か入ってますね。
嘘じゃないです。ただお得かどうかは条件によるからね。
ちなみにV2H機器を導入しなくても、電気自動車用に200Vコンセントを設置してあれば、太陽光発電した電力を車に充電できますから
ただ普通に200Vの充電ガンを車につなげば、昼間発電した電力が車にも行きますよ。
ただし、200V電源の出力が3kWhなので、30分当たりの電気出力で見ると、どうやら7A分くらい電流が流れているようなんですよ
こちら2022年4月5日の我が家の電気使用量ですが、10時ごろから使用量が上がって12時頃に電力使用量が0に戻っています。
これは、自宅横にある果樹園に農作業に来た農場スタッフが、電気軽トラを我が家の駐車場に止めて、ついでに充電を始めたようなんですね。
我が家は昼間の電気代は夜間より高い契約なので、基本昼間に充電することはないのですが、スタッフとしては農場についてる充電器と同じ感覚で、つないだのでしょうね。
天気は晴ですから太陽光発電されていますが、その日の発電量は0.5kW出力ぐらいしか発電してないのです。
我が家に設置されたスマートメーターは30分ごとの電力量を記録しているようですが、
9:30~10:00の間の使用量が0.8kW
10:00~10:30が1.2kW
10:30~11:00も1.2kW
11:00~11:30は0.3kW
この間の総電力使用量が3.5kW
太陽光発電で0.5kWづつ2時間分電力を供給したとすると
30分ごとに0.5kWで0.5kWx4回分で2kW
ということで、約5.5kWh分の電気がEV軽トラに充電されたようです。
つまり太陽光パネルで発電された電気も車に行くけど、足りない電気は系統電力(うちの場合は東京電力)からも充電されるのよ
ということです。だから、我が家の太陽光発電パネルの総合計が30分当たり1.7kW以上の発電能力がないと太陽光だけの電気で充電は出来ないということみたい。
ここでみたいと自信なさげなのは、実際我が家の太陽光パネルにはそれだけの出力がないからなのです。夏場になったらその位まで出力が上がることもあるのかな?
我が家の発電パネルの出力はもともと3.6kW出力ですが、この倍の出力くらいパネルを積んでいれば、太陽光だけで車を充電できるかもしれません。
というか、車への充電出力が200Vの電圧だから賄えないのであって、充電出力が100Vであれば、同じ電流でも0.6か0.7kWくらいで済むので、もう少し日差しが強くなれば太陽光の電力だけで東電さんから電気を購入しなくても充電できるかもしれません。
その分充電時間はかかりますけどね。
この間宿泊した山梨県北杜市のペンション レキオさんでは充電器を改造?して、100V出力で充電できるようにしてありましたから、今度100Vで充電するとどうなるのか実験してみたいなと思った次第。
で、V2Hは倍速充電されますので、普通の200V充電器が3kW出力のところ6kW出力されます。
どういうことかというと、先ほどの例で言うと、普通充電器につなぐと1時間に3kWhの電力、30分当たり1.5kWぐらいの電流が流れるのです
200V電圧だと、7.5Aですね
それがV2H機器からの充電だと、倍の15A出力で充電されます。
200Vx15A=3kWですね
実際の電力消費量をスマートメーターの値で見ると、深夜の充電の値が30分ごとに最大2.7kWになってます。
昼間に太陽光パネルからの発電でV2Hの充電をすると一気に15A分の電流が必要になるので、パネルの出力がうちの倍くらいあって、条件が良くないとたちまち出力不足になって購入電力を使う事になります。
だから、太陽光パネルで車を充電しようと思ったら、一気に充電するのではなく、ゆっくり低電圧で充電する方が向いている。
ということですね。
蓄電池がついたトライブリッドV2Hみたいなのでなければ、V2H機器は、夜間の安い電力をEVに貯めて、昼間電力で使う電気のピークタイムシフトに使う!
というのが我が家の使い方では現実的なのです。