B2Bのプロダクトデザインとコンサル経験の繋がり
カリフォルニアでB2Bのプロダクトデザインに関わり、丸2年が経ちました。チームメートの移動などで、この頃プロダクトの一部分をリードする役割を担うようになりました。
そうすると、だんだんHeads downでデザインに取り組む時間は減り、プランニングやステークホルダーとのコミュニケーションに比重が行くようになり、コンサルファームで学んだ事が生きてきた感覚があります。全く繋がらない業界に転換したつもりだったけれど、コンサルスキルって、結構色々な業界で生かせるのかもしれません!
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プロダクトチームの中のデザイナーの役割
まず前提として、私の経験はB2Bの自社ソフトウエアプロダクト開発チームでの経験に基づいています。to Cであったり、マーケティング的なプロダクトの場合にはここで話す内容は当てはまらないかもしれません。また、カリフォルニア拠点での話なので、日本のプロダクトデザインプロセスとは少々異なるかもしれません。と、断っておきます。
私は、プロダクトチームは、デザイン思考でよく使われる3円のバランスのもとに成り立っていると思っています。ビジネス・エンジニアリング・デザインの要素で、それぞれが市場への適合性・技術的実現性・ユーザーの声を代弁しています。
デザインの役割は、ユーザーのニーズを理解し使いやすいデザインに落とすという所なんですが、私はビジネスで製品開発をする以上、ビジネス的な視点も持つべきだと思っています。いくらユーザーをHAPPYにするデザインでも、実現するための工数が多すぎたり、収益を上げることができなければビジネスとして存続しません。その辺りも鑑みて、プロダクトに最適なデザインを提案する事がデザイナーの仕事だと考えています。
この頃、UXデザイナーやUX/UIデザイナーというタイトルから「プロダクトデザイナー」へ変更する企業が多いのも、この辺りの調整を含めての役割を期待されての事なのかなーと🤔
エクスペリエンスを分割して実装していく
もうひとつ、私の中で大事だと考えているデザイナーの役割が、いかに実装しやすい=検証しやすいデザインに削ぎ落とすかという事です。もちろん、デザイナーが最適だと考えるデザインについて考えるのは重要ですが、機能やインタラクションを盛り込みがちなのです。ユーザーのためを思ってというのは分かるんですが、例えば1つの機能を実装するのに1年かかるものでは、現実的ではありません。
プロダクトデザインは、直線的なプロセスではなく、ユーザーのデータを元に形を変えていくものです。ユーザーがやりたいことを実現する最小のデザインに落とすかが重要になってきます。考え抜いて、ユーザーリサーチをしたものであっても、実際のユーザーに使ってもらってフィードバックをもらわない限り、真の検証にはなりません。早く実装しリリースしてフィードバックサイクルに乗せる思考が必要です。
私はビジネススクール系のデザインスクールに行ったので、デザインスクールで実装を意識したデザインの組み方というような所を学ぶのかは分かりません。。学生さんのポートフォリオを見ている限りでは、エクスペリエンスを作る所が焦点になっているようなので、エンジニアさんと組んで動くものを作る経験をするクラスは少ないのでは?と推測しています。
となると、この削ぎ落とす作業はOJTで身につけなくてはならず。チームのプロセスやそのデザイナーの勘の良さにかかっているのが現状だと思います。
プロジェクトマネジメント的要素
デザイナーとしての担当範囲が大きくなってくると、だんだんプロジェクトマネジメントも担当する事になります。私は、特にデザインチーム内で今誰が何を担当していて、進捗やブロッカーは何といった事をプロダクトマネジャーやDevリードが見えるようにするよう心がけました。
私のチームでは、Dev - PM - Designがそれぞれ別のプロジェクトマネジメントツールを使って進捗管理していたので、お互いの状況が見えにくい状態でした。すぐにどれかに統合できるような状況でも無かったので、エクセルで、それぞれが追っている案件をまとめ、デザイン視点でまとめたものを作りました。こういう時にエクセルの柔軟性がとてもありがたいです。各担当がとても喜んでくれたので、デザインチーム以外も互いの進捗が見えず苦労していたみたいです。
本当は、全てのプロダクトチーム共通でひとプラットフォームにまとめれば良いんですが、それではそれだけでコンサルプロジェクトになってしまうし、、最初のステップとしての施策です。この辺りの考え方や進め方は、前職のコンサル経験がとても役に立ちました。
一見、論理と創造性の対局にいるようなコンサル職とデザイン職でも活用ができるので、どんな職種でもコンサルの情報を整理したり、関係者を動かしたり、仕組みを可視化し構築したりといったスキルが生きてくる所はあるんだと思います。
おそらくデザインスクールの教育ではあまり触れない所だと思うので、例えばシニアロールに就くときの研修や、マネジャー研修で身につける機会があるといいのかな、と思います。
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