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先輩彼女の与田祐希は予想外に積極的だった件
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久しぶりにオフの日が重なった久保史緒里と山下美月は、二人で街中を歩いていた。
変わらずに乃木坂を引っ張り続ける史緒里と
卒業してなお活躍し続ける美月。
立場は変われど親友であることには変わりない。
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史緒里「いやー、でもほんと久しぶりにオフがあったね」
美月「ほんとだよ! クボは忙しいからね〜」
史緒里「やまに言われたくないわよw」
久しぶりの二人のオフ。
買い物に行ったりカフェでお茶したり。
束の間の休日を楽しんでいた時だった。
美月「…ねぇ、あれ与田だよね?」
見覚えのある顔に気付いた美月が少し先から歩いてくる人物を指差しながら隣の史緒里に問いかけた。
史緒里は美月の指さす方向に視線を向ける。
そこにはたしかに同じ乃木坂46のメンバーである与田祐希が歩いていた。
しかし、驚くべきことに彼女はなんの変装もしていない。
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周りを行き交う人々の何人かも気づいているようでチラチラ見ているが、さすがにオープンすぎて誰も話しかけてこないようだった。
史緒里「え…なんであんな変装も何もせずに歩いてるの!?」
美月「ヤバいよね、ちょっと声かけに行こう」
美月の言葉に頷くと、史緒里も足早に与田のもとに向かう。
美月「ちょっと! 与田!」
美月と史緒里は祐希のもとまで近寄ると、彼女の腕をつかんだ。
祐希はビクッと驚いた表情で二人を見る。
祐希「え、な、なんですか!?」
まるで見ず知らずの人にいきなりされたかのような、恐怖が入り混じる表情と声。
史緒里「こんなとこなんて格好で歩いてんのよ!」
祐希「ど、どこをどんな格好で歩いても私の勝手じゃないですか。っていうか、あなたたち誰ですか!?」
どうもおかしい。
祐希は訳がわからないといった表情で史緒里と美月に反論する。
まるで史緒里と美月のことなど知らないかのように。
彼女の態度はまるで赤の他人。
ん…?
…赤の……他人…?
その瞬間、史緒里と美月は思わず顔を見合わせた。
史緒里&美月「「ま、まさか…」」
祐希「??」
史緒里「ちょっとこっち来て!」
祐希「え、ち、ちょ!?」
史緒里が祐希の手を引いて、人通りの少ない裏通りまで移動した。
小さなベンチだけがひとつぽつんとある公園。
周りには3人以外の姿はない。
それを確認して、史緒里と美月はつけていたマスクと帽子をとり、変装を解いた。
史緒里「いちおう確認ですけど、与田祐希さんですよね?」
万が一の他人説のためにいちおう確認する史緒里。
しかし、その心配は杞憂だったようで
祐希「はい、そうですけど…」
祐希ははっきりと肯定しながら、なんで名前を知っているのかと怪訝そうな表情を見せる。
美月「与田、私たちのことわかる?」
祐希「え? 何処かでお会いしましたっけ??」
史緒里「乃木坂46ってわかる?」
祐希「あぁ! あのアイドルグループの! え、てか、もしかしてアイドルの山下美月ちゃんと久保史緒里ちゃん!?」
二人に気付いたのか、祐希は少しテンションが上がったように声を上ずらせる。
祐希「うわぁー、私芸能人はじめて生で見たかも」
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まるで一般人のようなことを言う祐希。
それを聞いて、史緒里と美月はすべてを察した。
美月「あぁ、またかぁ〜」
史緒里「今度は与田!?」
祐希「??」
〇〇「んで、うちに来たと」
祐希をそのままにしておくこともできず、史緒里と美月は〇〇の家にやってきた。
美月「だってしょうがないじゃん。例によって異世界転移しちゃってるんだから」
史緒里「それに、やっぱり向こうの世界でも〇〇の知り合いらしいしね」
〇〇「え、そうなの?」
祐希「へー、どこからどう見ても〇〇だけど、違うってマジ?」
史緒里や美月と話していると、祐希が〇〇を見上げるようにしながらジロジロと観察してくる。
祐希には道すがら今回のことを説明した。
多少は驚いていたが、思っていたよりも動揺はしていない様子で、こんな感じで観察したりしていた。
〇〇「ま、まぁ、いちおう〇〇ではあるんだけど…」
祐希「でも〇〇じゃないと… うーんなんか変な感じ」
史緒里「そういえば、聞きそびれてたけど与田と〇〇くんって向こうの世界ではどんな関係だったの?」
祐希「いちおう職場の同僚? 私が働いてる会社のアルバイトで〇〇が働いてくれてるの。ねっ、〇〇」
〇〇「いや、ねっ、と言われましても…w」
祐希「あ、そうだったw」
それから
仕事終わりの梅澤美波と齋藤飛鳥も合流して、なんだかよくわからないけど〇〇の家で宴会が始まった。
一大学生の普通のアパートに乃木坂のメンバー5人がいるって改めて見るとなかなかな光景だな。
それでも、5人がそろって話す姿に、乃木坂ファンでもある〇〇は少しエモい感じました。
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飛鳥「まさか与田もかー」
与田「ま、まさか齋藤飛鳥さんとお話できるなんて」
飛鳥「向こうの私はどんな感じなの?」
与田「そりゃ大スターですよ! モデルとしても大活躍ですし、みんなの憧れの的です!」
飛鳥「そうかそうか、いやーやっぱり与田はどこの与田も可愛いヤツだな」
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そういいながらいつもの調子で祐希の首に手を回す飛鳥。
美波「ちょ、飛鳥さん! こっちの与田と違うんですから手加減してあげて−」
祐希「あー、幸せですぅ」
美月「必要ないみたいねw」
結局
あのあとお酒も入り、翌日早くないメンバーと祐希は〇〇の家に泊まることになった。
昔の話にも花が咲き、結構な量を飲んだからか、みんな床で雑魚寝状態になっていた。
〇〇はそんな彼女たちをベッドに抱きかかえて移動させ、毛布をかけていく。
セミダブルに3人寝ているから少し狭そうだけど、床で寝るよりはいいだろう。
ようやく一段落したところで、〇〇はソファーに身を委ねる。
お酒の力と時間も遅いということもあり、まぶたが重くなりかけたその時だった。
祐希「ふぁ〜、サッパリした〜」
シャワーを浴び終えた祐希が戻ってきた。
しかし、彼女は下着しか身に着けていない。
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〇〇「ちょ! よ、与田さん!?」
乃木坂随一と言われる豊満な胸に、低身長が故の独特の色気も相まって、目のやり場に困る〇〇。
祐希「ふふ、どうしたの?」
祐希はそう若干不敵に微笑むと、そのまま〇〇がいるソファーまでやってくると、〇〇に跨るように乗りかかってきた。
そして、〇〇の肩を押すようにしてベッドに押し倒すと、上から見下ろすように見つめてくる。
〇〇の知っているこっちの世界の祐希とは明らかに雰囲気が違って動揺する。
〇〇「よ、与田さん、何してるんですか!?」
他のメンバーたちが起きないように極力小さな声で彼女を制す。
祐希「なにって、彼女が彼氏の家に来たらやることなんてひとつでしょ?」
〇〇の上でふたたび微笑みながら、顔を近づける祐希。
〇〇「か、彼女って?」
祐希「私が〇〇の」
〇〇「え、だ、だってさっきはそんなの一言も…!」
祐希「だってこっちの世界の私はアイドルなんでしょ? それに他のメンバーさんたちも〇〇のこと好きそうだったから、あまり言わないほうがいいかなって」
〇〇「そ、そうだったんですか。でも、俺のこと好きとかはないと思いますよ」
〇〇がそういうと、祐希はフフッと微笑んで〇〇を抱きしめながらキスをした。
唇に柔らかい感触が伝わる。
祐希「〇〇はやっぱり鈍感だね。こっちの私も苦労しそうw」
〇〇「く、苦労ですか…?」
祐希「ふふ、なんでもない」
そう言いながら、ふたたび唇を重ねる祐希。
触れるだけのキスからより深いものに変わっていった。
翌朝
目が覚めると部屋には誰もいなかった。
ベッドにも誰の姿もない。
スマホを確認すると、みんな仕事があるからと先に帰ったようだ。
時計の針はもう11時ちかくを指し示していた。
しまった、寝坊した。
いまからなら3限からなら間に合うかな
そんなことを寝起きのまだ目覚め働ききってない頭で考えていると
祐希「おはよう〇〇」
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祐希が歯ブラシを咥えながら、どこからか引っ張り出してきたのだろう〇〇のパーカーを羽織っていた。
〇〇「おはようございます与田さん。今日はお仕事は?」
祐希「美波ちゃんたちが気を利かせてくれてお休みにしてもらえたみたい」
祐希はそれだけ伝えると口を濯ぎに洗面所へ向かう。
そして、戻って来ると〇〇の間近にやってきたと思ったら上目遣いで見上げてくる。
〇〇「よ、与田さん?」
祐希「できれば祐希って呼んでほしいな。向こうと同じみたいに」
〇〇「ゆ、祐希…」
祐希「うん。ご褒美あげる」
そういうと、祐希は少しだけ背伸びをして〇〇にキスをした。
そして、昨日と同じように、今度はベッドに〇〇を押し倒すように乗りかかる。
〇〇「ちょ、祐希、また!?」
祐希「フフフ、一日休みの日に彼氏と彼女が家ですることなんて決まってるよね」
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しばらくして、祐希も無事に戻っていったのだが、
こんな感じの日々が祐希が元の世界に戻るまで続くことになるのは、この時の〇〇はまだ知らない。
つづく
※この物語はフィクションです。
※実在する人物などとは一切関係ございません。