よいしょっ!こらしょっ!よっこいしょっ!説
ラーメン屋での話。
先日惜しくも亡くなられた小出監督に似たおじさんが隣に座る時の話である。
よいしょっ!こらしょっ!よっこいしょ!と、ラーメンで言えば全部のせのような掛け声をかけて座ったおじさん。
比較的高齢になった方からはよく聞く言葉だが、3つをリズムよく発して座る人には生まれて初めて出会った。
本人は相当な意気込みで座ることができるろう。
ここで椅子の立場に立って考えてみると、3連続の声が発せられたら相当覚悟しなくてはいけない。その人の座るぞ!という意気込みは並大抵ではないはずだ。
このおじさん、ラーメンも本当に美味しそうに食べる。
実際に観察はしていないのだが、麺をすする音、そしてレンゲは使わず丼を持つスタイルであろうスープの飲み方から容易にその食べ方が想像できる。
下品に聞こえるかもしれないが、むしろ上品である。
上品でありながらも豪快さを兼ね備えている。
そんな様子を見ながら、小出監督に思いを馳せた。
誰よりも豪快であり誰よりも繊細であったという。
テレビで見るイメージは豪快そのもので、何があってもガハハと笑い飛ばしてくれそうな雰囲気がある。
最近はこう言ったガハハおじさんが減ったように感じる。
平成というよりは昭和によくいそうなおじさん。
平成最後のおじさん達は、どこかで何かに怯えているようなイメージがある。
細い体に、サイズが合わないスーツ、視線はいつも斜め下。
時代の写し鏡とも言えそうなサラリーマンの姿。
令和の時代はどのようなサラリーマンが増えるのだろうか。
個人的にはガハハおじさんがたくさんいる時代であってほしいし、
ネオ・ガハハおじさんに自分もなりたいと思う。