自由と責任はセットだっていう話。
仕事をしていて、特にNPOとか一般社団とかいう、組織形態が不定形(笑)なところに関わっていると、何を基準にして判断していいかがわからなくなることがある。でも、私の中にはなぜか「権限と責任はセットである」という行動基準が明確にあって。しかしこれって、なぜ私の中に染み付いているんだろう?と思ってさかのぼってみた話です。
結論からいうと、明確に意識したのは、高校時代だと思います。
もちろん、ベースには、家庭環境もあるんだと思いますが。
「学園は自由なれど、責任は重し。」
高校の入学式の時に、ちょっと怖い顔をした校長先生の話の中で、この言葉がとても印象に残っています。これが記憶の中に明確に残っているのには、おそらくもう一つ、印象的な出来事があったからだと思います。
上履きの黄色いライン。
同級生のみんなは覚えているでしょうか。
うちの高校は、本当に自由な学校でした。たいした校則もなくて、というか「登下校時の履物は靴または下駄とする」という、時代錯誤な校則がそのまま残っているくらいで。もちろん制服もありませんでしたし、入学当時は、上履きの指定もなかったと思います。でも、私たちが入学したときから、あるルールが徹底されることになります。
「上履きには黄色い印をつけること」
あまりに自由すぎたので、下足と上履きの区別がつかないトラブルが起きていたのでしょうね。ホームルームの時間に、黄色いポスカが回ってきて、その場で黄色い印をつけた記憶があります。そして、その時の担任のひとことが、強烈でした。
「君たち、これは屈辱的なことだと思え。
自分たちが責任ある行動ができなかった結果として、
自由が奪われたってことなんだから。」
うちの高校の先生たちは、どの先生もだいたいこういうトーンだったと思います。担任だけでなく、部活の顧問の先生も、そうだったなぁ。いい意味で、大人扱いというか、人として対等だった。きっと大人の手のひらの上で踊らされている部分もあったんだろうけど、一定の範囲の中で任せることは任せ、同時に責任も求める。そうやって育ててきてもらったんだと思います。
今と比べると生徒数が多い時代だったので、指導が行き届かないとか、いろいろあったんだろうと今は思いますが、でも好きな学校でした。
松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部社会学科卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factoryを設立。
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