骨太の方針2023
6月16日に「経済財政運営と改革の基本方針2023」(通称「骨太の方針2023」)が閣議決定されました。少子化対策や労働改革が注目されていますが、スタートアップ支援も引き続き重点項目です(第2章2.(3))。
骨太の方針とは
骨太の方針は、政権の重要課題や翌年度予算編成の方向性を示す方針です。各省庁の利害を超えて官邸主導で改革を進めるため、総理大臣が議長を務める経済財政諮問会議で毎年6月ごろに策定します。かつて宮沢喜一財務大臣が同会議の議論を「骨太」と表現したことから、骨太の方針と呼ばれるようになりました。小泉政権時の2001年度に始まり、近年は総花的で焦点が見えづらくなったとも指摘されていますが、これに沿って政策が進められることに変わりはなく、依然として注目すべき文書です。
2023のスタートアップ支援
基本的には「スタートアップ育成5か年計画」(2022年11月28日新しい資本主義実現会議決定)に沿って下記のような施策を進めていくこととされています。最近話題となったストックオプションに関する施策も示されています。
従業員に対して付与するストックオプションについて予め発行枠を設定し、柔軟に付与できる仕組みの整備を含め、ストックオプションの活用に向けた環境整備
メンターによる支援の拡大
国内外における起業家育成の拠点の整備や人材交流
各地域の大学・高専等でのスタートアップ創出、起業家教育
海外起業家・投資家の誘致拡大
ディープテック分野の国際共同研究とインキュベーション機能を兼ね備えた「グローバル・スタートアップ・キャンパス」を東京都心に創設
ベンチャーキャピタルへの公的資本の有限責任投資
ベンチャーキャピタルとも連携した事業開発等の支援の更なる推進
SBIR制度による支援の推進とスタートアップの実態を踏まえた運用改善
エンジェル税制の活用促進
株式投資型クラウドファンディングの環境整備
未上場株の取引環境の整備
特定投資家私募制度等の見直し
オープンイノベーションを促すための税制措置に関する検討
公募増資ルールの見直し
大企業が有する経営資源のカーブアウトの加速
多数決により金融債務の減額を容易にする事業再構築法制の整備
規制改革の推進
知的財産の保護・活用の推進
経営者が事業不振の際、M&A・事業再構築・廃業等を早期に相談できる体制の確立
事業成長担保権の創設を含め、経営者保証に依存しない融資の拡大
社会的起業家の認証制度を早期に創設し、認証企業に対し公共調達の優遇措置を導入
民間で公的役割を担う新たな法人形態について検討
寄附性の高い資金を呼び込むため、公益法人の事業変更認定手続や公益信託の受託者要件の見直し
休眠預金等活用制度における出資の実現に向けた取組
複数年度の案件形成支援や予算の戦略的活用により、SIBを含む成果連動型民間委託契約方式(PFS)の一層の拡大
インパクト投資の普及に向けた基本的指針を年度内に策定し、インパクト指標や事例等を具体化するコンソーシアムの設置について必要な措置
専門家派遣事業等の検討、個人投資家とつなぐビークルの早期の枠組み整備などインパクト投資促進のための総合的な支援策を推進
最後に
Axelage株式会社は、世の中の多種多様な領域で興る新規事業を支援することによって、時代を加速させるようなイノベーションを促進します。上記の支援策も含めお気軽にご相談ください。