骨太の方針2024
6月21日に「経済財政運営と改革の基本方針2024」(通称「骨太の方針2024」)が閣議決定されました。労働改革や財政健全化目標が注目されていますが、スタートアップ支援も引き続き重点項目です(第2章4.(1)等)。
骨太の方針とは
骨太の方針は、政権の重要課題や翌年度予算編成の方向性を示す方針です。各省庁の利害を超えて官邸主導で改革を進めるため、総理大臣が議長を務める経済財政諮問会議で毎年6月ごろに策定します。かつて宮沢喜一財務大臣が同会議の議論を「骨太」と表現したことから、骨太の方針と呼ばれるようになりました。小泉政権時の2001年度に始まり、近年は総花的で焦点が見えづらくなったとも指摘されていますが、これに沿って政策が進められることに変わりはなく、依然として注目すべき文書です。
2024のスタートアップ支援
引き続き「スタートアップ育成5か年計画」(2022年11月28日新しい資本主義実現会議決定)に沿って施策を進めていくこととされていますが、今年は特にエコシステム構築のためのネットワーク形成に重点を置いて下記のような施策を進めることとされています。
スタートアップを担う人材の育成や国内外のネットワーク構築
海外からの投資を呼び込むための「スタートアップ育成5か年計画」に基づく取組の海外への発信を強化
地方でのスタートアップの活性化
フラッグシップ拠点は拠点をハブとして、内外のスタートアップ間の連携を強化することにより、グローバルネットワークを構築
スタートアップが有する高度かつ独自の新技術を行政の調達ニーズに合わせて随意契約を可能とする仕組みの活用を促進
地方公共団体を含め社会課題に直面する行政とその解決に資する新技術・サービスを有するスタートアップのマッチング機会を拡充
研究開発の社会実装を促進するSBIR制度を推進
スタートアップが、そのスタートアップに伴走する事業会社と連携を進める中で、当該事業会社から長期購買確約契約(オフテイク契約)を獲得できるよう、支援することについて検討
ディープテック分野の研究・事業開発に対し、支援段階や内容、方法の充実を図る
非上場株式の流通活性化、官民ファンドの出資機能の強化など、レイターステージを含む成長段階に応じて、資金が円滑に供給される環境を整備
エンジェル税制における再投資期間の延長について、検討
出口戦略の多様化に向け、IPOに加え、M&Aの活性化を図る
大学や大企業に加え、スタートアップも参画する新たなオープンイノベーションを推進
スタートアップのM&Aを促進する観点から、のれんの非償却を含めた財務報告の在り方を検討
企業の参入・退出の円滑化やスタートアップ育成の観点から、規制改革や知的財産の保護・活用を推進
経営者の判断により早期の事業再構築を進めることができるよう、多数決によって金融負債の整理を進めることができる法案の早期提出を目指す
社会的起業家(インパクトスタートアップ)等への支援を強化
インパクト市場拡大のため、公的機関と民間機関が連携し、エクイティ投資の取組を推進
官民協議会による外資系企業・VCの呼び込み等を通じアカデミアから産業界にわたる多様なプレイヤーをつなぎ、アーリーステージを含む各ステージに新たな研究開発資金が投じられるよう、その推進体制の整備も含め創薬エコシステムの再編成を図る
大学病院等の研究開発力の向上に向けた環境整備やAMEDの研究開発支援を通じて研究基盤を強化することで創薬力の抜本的強化を図る
医療介護分野のヘルスケアスタートアップの振興・支援の強力な推進
最後に
Axelage株式会社は、世の中の多種多様な領域で興る新規事業を支援することによって、時代を加速させるようなイノベーションを促進します。上記の支援策も含めお気軽にご相談ください。