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私は内省によって虚ろ人と語り合う【自動記述20241217】

 午後11時48分

 断続的な吐き気と得体の知れない不吉な塊。
 そして川の流れのようにスムーズな時の流れ。

 橋を渡るときには親指を隠さなければならない。
 なぜなのかは説明されないまま。

 夏の記憶を思い起こしながら冬のなかを行く。
 季節を観念のなかで混交させることで初めて現れる生物を見つけるために。

 湿り気のあるところにそれはおり、湿り気のある身体で這っている。
 得体は知れない、だから探すのだから。

 煙突から入って暖炉で焼かれた後に居間でくつろぐこと。
 煤にまみれた身体でくつろぐこと。

 眠気は眼球の奥に溜まって、それから胸の奥に溜まって、そこから頭のほうへ回ってゆく。

 そうして耳から出ていって雲を作って雨を降らせて世界を眠らせる。

 世界とすぐに言いたくなる何らかの病はだから雨によるものだとの推測が立つ。
 雨に降られたことのない人などこの世にいないだろうし、それは自分自身例外ではない。

 黙っていたって腹は減るもので、黙っていたって退屈するもので、黙っていたって何がどうなるわけでもない。

 しかしだからといって立ち上がって何かをするというのはどうなのか。
 それはそれで思慮を欠いているのではないかと思わなくもない。

 考えることと行うこととの交わらない境界で、私の身体は持ち重り、私の精神は持ち重る。

 持ち重った私は地へめり込んで、めり込んで地のなかへ深々と潜ってやがてマグマと一体化して数千万年の時を経て火山の火口から地上へ出るだろう。

 赤いマグマに周りを埋められた、人型の間隙となって。

 虚ろ人うつろびととなった私は周りを埋められていなければ存在しえない存在として永久に岩塊に閉じ込められたまま、誰と顔を合わせることもなく無限の時を生きるかもしれない。

 あるいは雨に降られたことのない人も、だからいるのかもしれない。

 何も考えられなくなったとき、私は岩塊のなかの人の形をした間隙を思い浮かべよう。

 そうして私はその間隙に自らの観念をぴったり合わせて、内省することで彼と語り合おう。

それから私は、何をしようか? 

 午後11時57分

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