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高砂高校 Big Friendly Jazz Orchestra

部活ノンフィクション集『青春サプリ。』の第2シリーズで書かせてもらった兵庫県立高砂高校ジャズバンド部「Big Friendly Jazz Orchestra(BFJO)」の3年生の引退公演を聴くため、岡山へ。

会場は大正時代に建てられた日銀岡山支店をホールに作り変えた「ルネスホール」。素敵だった。

引退公演の数日前に行われた学生ジャズの全国大会「Japan Student Jazz Festival」では、見事グランプリを受賞。この代が始まったころに取材をスタートし、イベントで撮影された演奏をyoutubeでくまなくチェックしていた私(もはやファン)は、気づけば親戚のおばさんのような感覚で彼らの成長を見守っており、引退公演もひとしおの感慨を持って楽しませてもらいました。欲を言えばあと5時間くらいやってほしかった。まじで。

グランプリ受賞、本当におめでとう!当日の演奏も聴きに行きたかった!!!!

例年だと、BFJOはルネスホールで年に2回公演を行うそうなのですが、コロナ禍で中止が続き、3年生にとっては最初で最後の公演に。あこがれの舞台からはどんな景色が見えて、どんな音が聴こえたかな。

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生徒さんと親御さんの時間を邪魔したくなかったので、終演後はさっさと会場を出ましたが、本当はいろんな子にいろんなことを伝えたかったので、この場を借りて勝手に届けさせてもらいます。

まだどんな話を取り上げようか考え中だったとき、先生から「おもしろい1年生(当時)がいる」と紹介されて、取材初日に話を聞かせてもらったK君。当時は演奏的な拙さもあったんだろうけど、いつでも堂々と胸を張ってパフォーマンスしている姿がとてもかっこよかったです。JSJFで個人賞を受賞したと知ったときはめちゃくちゃ驚いたけど、なんだか自分のことのように喜んでしまいました。部員が少なくなる次代は、チャレンジングなことも増えるのかもしれませんが、みんなで知恵を出し合いながら、みなさんだけの最高のバンドを作り上げていってください。

繊細なピアノの音の持ち主のN君。当初は少し自信なさげな感じだったのが、演奏を聴くたびに成長が見て取れて楽しかったです(春休みにお邪魔した時に聞かせてもらった、ピアノの刻みがかっこいい曲、どこかのステージでも聴いてみたかったなあ)。代替わりではまさかMCになっているとは思わなかったけれど、味があって最高! 個性豊かな同期の男子4人で、新しいバンドをもり立ててくださいね。

Oさんの、体全体で音楽を楽しんでいる姿を見るのが大好きでした。ソロを演奏する子を、いつもニコニコしながら見守ってましたね。お邪魔するたびにあいさつしてくれたのも、とても嬉しかったです。甘いものでも食べながら、もっともっとおしゃべりをしてみたかったな。これからもチャーミングで素敵な女性でいてください。

Yさん。部長の大役、お疲れさまでした。楽器の持ち替えなども大変だったでしょう。ラストナンバー、本当に心に染みました(もっといろんなフューチャー曲を聴かせてもらいたかったなあ)。「一人ひとりが心から楽しいって思えるようなバンドになりたい」って言っていたけど、最後のみなさんの演奏、ハッピーで満ちあふれてましたよ。

F君。最初に学校を訪れた日、遠くでニコッと会釈してくれたときに、「この子を軸に書くことになるのかも」という予感がありました。
お父さんには「お上手を…」と言われたけど、F君の奏でるトランペットからはいつも歌が聴こえました。常に大人びたていねいな言動をする中で、音楽の話になると頑固さやわがままさ…取り繕わない素のF君が垣間見えて、この子は本当に音楽が好きなんだなと感じ入りました。このコンサートのパフォーマンスもめちゃくちゃかっこよかったし楽しかったです(ご時世的にマナー違反ですが、思わず叫んでしまいました!)
お父さんの背中を見て育ってきたF君は、音楽やそのまわりにあるものを高い解像度で知ってることと思います。ただ、どうか、いつでも「好き」「楽しい」という気持ちを真ん中に抱きしめながら、思った道を進んでいってほしいです。またどこかで演奏を聴ける日を心待ちにしています!

しつこい取材や謎の訪問を快く受け入れてくださった顧問のH先生、その他お話を聞かせてもらった部員さん、みんなみんな、本当にありがとうございました。

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私は3歳からピアノを始め、小学6年生から中3まで吹奏楽部でトランペットを吹き、中学から6年間ジャズの演奏をかじった後、いろんな理由で自ら音楽の第一線を離れました。あれから20年の時が経ち、気づけばあの頃の自分が想像だにしていなかった仕事をしていますが、いろんなめぐり合わせのおかげでみなさんと出会い、音楽と再会できました。とても幸せな時間を過ごさせてもらったことに、改めてお礼を言わせてください。

山里組、お疲れさまでした。佐藤組のみなさんの活躍も陰ながら応援しています。


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青木美帆(ブルーノオト/so blue.)
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