青木美帆(ブルーノオト/so blue.)

編集者/執筆者。国内バスケットボールをメインフィールドに仕事をしています。部活ノンフィクション短編集「青春サプリ。」(ポプラ社)上梓。4歳男児の母。

青木美帆(ブルーノオト/so blue.)

編集者/執筆者。国内バスケットボールをメインフィールドに仕事をしています。部活ノンフィクション短編集「青春サプリ。」(ポプラ社)上梓。4歳男児の母。

最近の記事

MY FIRST SLAM DUNK

小学2年生だか3年生のころ、同じクラスにコシヤマくんという子がいた。 遠い昔のことすぎて記憶が定かでないが、コシヤマくんはクラスの「怖い系男子」に属する少年だった。 彼とつるんでいたコエダくんが、乱暴でガラの悪い「ザ・怖い男子」だったのに対し、コシヤマくんは別のベクトルで怖い男子だった。物静かで、大人びていて、やたらと腹がすわっていた。コエダくんとは取っ組み合いのケンカをするような関係だったが、コシヤマくんにはほとんど近づかなかった。子供ながらに自分の底の浅さを見透かされ

    • 高砂高校 Big Friendly Jazz Orchestra

      部活ノンフィクション集『青春サプリ。』の第2シリーズで書かせてもらった兵庫県立高砂高校ジャズバンド部「Big Friendly Jazz Orchestra(BFJO)」の3年生の引退公演を聴くため、岡山へ。 引退公演の数日前に行われた学生ジャズの全国大会「Japan Student Jazz Festival」では、見事グランプリを受賞。この代が始まったころに取材をスタートし、イベントで撮影された演奏をyoutubeでくまなくチェックしていた私(もはやファン)は、気づけば

      • 【アシスタントレポート】伝統のスタイルに磨きをかけて~日本体育大(スプリングトーナメント)

        アシスタントの山宮です。今回は関東大学バスケットボール選手権大会(スプリングトーナメント)から、井手拓実選手(4年、18番)の取材をもとに日本体育大学について記事を書かせていただきました。今大会を振り返り、今後へ目を向けた記事となっています。 走るバスケで躍進を見せるも、2連敗で大会を終了 日体大はキャプテンであり司令塔の井手を筆頭に、全選手が走り、得点にからんでいく、チームの伝統的なスタイルで優勝を目標に臨んだ。  準々決勝で優勝候補の一角であった専修大に67-64で勝

        • 【アシスタントレポート】プライドがぶつかり合った全国の切符争い〜神奈川IH予選男子レポート

          アシスタントの山宮です。今回の記事は、6月27日に開催された「全国高等学校バスケットボール選手権大会 神奈川県予選(インターハイ神奈川県予選)」最終日の男子の2試合です。今回は初のインタビューにも挑みました。選手のコメントを織り交ぜた記事を、ぜひお読みください。 全国高等学校バスケットボール選手権大会 神奈川県予選 最終結果  支部予選を勝ち抜いたチームによるトーナメント形式で行われ、ベスト4からは総当たりのリーグ戦で2枠のインターハイ出場権を争う。  男子の最終結果は以下

          神奈川インターハイ予選にまつわるエトセトラ

          6月27日、神奈川インターハイ予選の最終日を取材してきました。 コロナ禍による取材自粛を経て、2年ぶりにやって来た神奈川高校バスケの聖地・平塚総合体育館。この時期ならではの(たぶん)七夕飾りも懐かしいものでした。 この記事では男女7チーム(東海大相模はタイミングが合わず取材ができませんでした。無念!)のショートトピックをお届けしつつ、神奈川高校バスケに対する個人的な考えを綴らせていただきました。 ■■■お読みください!■■■  この取材は、各種メディアを介さず私個人とし

          神奈川インターハイ予選にまつわるエトセトラ

          【アシスタントレポート】数か月前まで高校バスケ部員だった、記者の卵が見た関東大会

          4月からアシスタントをしてくれている山宮くんに、トレーニングも兼ねて時々記事を書いてもらうことにしました。今作は記念すべき第一弾。多少私の方で手直しを入れましたが、ウインターカップまで高校バスケをまっとうした彼ならではの、熱いレポート記事です! はじめまして。私は青木美帆さんのもとでアシスタント業務に務めさせていただいている、山宮です。小学校から高校までの10年弱、バスケットボールに選手として取り組んでいました。今春入学した大学では競技から離れることを決め、選手以外の方法で

          【アシスタントレポート】数か月前まで高校バスケ部員だった、記者の卵が見た関東大会

          「青木の部屋@Clubhouse」はじめました

          声のコミュニケーションスキルのなさを憂い(参照:「フリーライターが学生アシスタントに逆取材してもらったら色んなことに気づけた」)、最近はガチガチに編集した記事の価値について考え込みがちな私にとって、Clubhouseは渡りに船的なツールである。 ↑悩みはつきない ・インタビュアーとしての腕を磨きたい ・依頼される記事とは別基軸の文章を書きたい ・読者に「素材」が「記事」に変わっていく過程を見せても面白そう ・人が持つ「自分のことを話したい」という欲求にリーチする 上記の

          「青木の部屋@Clubhouse」はじめました

          フリーライターが学生アシスタントに逆取材してもらったら色んなことに気づけた

          私は昨年度より、学生のアシスタントを雇用している。 主な理由は以下。 ・インタビューの文字起こしを外注することで、執筆や企画に費やす時間を増やしたい ・若い世代に執筆業や出版業に興味を持ってもらいたい ・自分の考えや仕事のノウハウを他者に共有するスキルを身につけたい ・年齢的に、後進を動かす/育てる経験をしてないのはヤバいと思った 今年度は2人の学生アシスタントに仕事をお願いしている。その一人の福田さんは、体育会バスケ部に所属しケーキ屋でバイトをしながら、それでも

          フリーライターが学生アシスタントに逆取材してもらったら色んなことに気づけた

          伝えること、読ませること、届けること(Number Bリーグ選手名鑑執筆後記)

          2年ぶりに、Number版Bリーグ選手名鑑が発行されました!  そして執筆陣の一員に加えさせていただきました。 というわけで、執筆させていただいた4本の記事にまつわるエピソードをご紹介します。注)ネタバレありです。 2年前からの成長と変化(篠山竜青×藤井祐眞)前回のムックと同じ組み合わせということで、編集さんは取材前に「2年前からの2人の変化が透けて見える内容になればいいな」ということをお話ししていました。それに加え、2人の人柄や関係性も見えるような構成を意識してまとめ

          伝えること、読ませること、届けること(Number Bリーグ選手名鑑執筆後記)

          賢者の過去と現在(吉田健司/4years.編集後記)

          大学スポーツ界の名将の半生や指導哲学を紹介する、4years.の連載企画「監督として生きる」。 昨年、大学バスケ界の名将として陸川章さん(東海大)と恩塚享さん(東京医療保健大)について書かせていただきましたが、今年は編集部のたってのリクエストで、筑波大男子部の吉田健司さんに取材を依頼しました。 筑波大はご存知の通り、昨年末のインカレ覇者。近年は、Bリーガーの輩出率もどんどん増加しています。 「筑波の吉田さん」と「東芝の吉田さん」を近づける私より年配のバスケ関係者・ファン

          賢者の過去と現在(吉田健司/4years.編集後記)

          【く記事】SNS上での"意識高いおばさん化"に疲れている

          タイトルの通りである。私は今、猛烈に疲れている。 かつての私は、もっとツイッターをラフに使っていたはずだ。一職業人として実名を晒してることをわきまえ、取引先の人や取材対象がフォロワーにいることを承知した上で、平気で「う○こ」とかつぶやいていたはずだ。しかし今や、掲載報告と意識高い系の長文ツイートばかりだ。 ふと気になり、自身のツイートに「う○こ」で検索をかけてみた。 ※う○こツイートの一部 数えたら7個しかなかった(アカウント開設から11年、ツイート総数2万9863)

          【く記事】SNS上での"意識高いおばさん化"に疲れている

          名古屋Dのエースが振り返る激動の大学1年目(安藤周人/4years.執筆後記)

          「今でも吐き気がする」大学生活の始まり朝日新聞社が運営する大学スポーツ応援サイト「4years.」にて、名古屋ダイヤモンドドルフィンズの若きエース、安藤周人選手の記事を執筆しました。前後編です。 大学スポーツサイトに掲載することを踏まえ、大学以前や現在の情報は必要最小限にとどめ、あくまで大学時代に焦点を絞って書きました。が、まさか1年時の話だけで2本書けるとは思っていませんでした(笑)。 安藤選手もツイッターで一言。 安藤選手は、自身の悩みを誰にも打ち明けなかったと話し

          名古屋Dのエースが振り返る激動の大学1年目(安藤周人/4years.執筆後記)

          伊豆へ

          12月に心身をすり減らしながら頑張った仕事のギャラが入ったので、ご褒美で河津桜を見るために伊豆に行ってきました(初)。 ↑つくしを撮っています 宿を決めたのが出発日の深夜2時というひどい段取りだったにも関わらず、泊まった下田のペンションが幸運にもあたり。 ↑暖炉 ↑暖炉と犬 サーフィン好きが高じて東京から移住してきたご夫婦が営むペンション。スタッフもプロのサーファー(イケメン)だった。 ボス(オーナーは奥さんなので旦那さんは仕方なくこう呼ばれているらしい)とスタッ

          過程

          年代不明 高校野球や高校サッカーがあんなに出してるんだから、高校バスケの選手名鑑も作れたらいいのになぁと思うようになる 2012年 白夜書房を離れ、フリーになる。高校野球雑誌「ホームラン」のセンバツ選手名鑑の制作を手伝う 2013年10月 お友達の原口くんのツテで、川端暁彦さん(エルゴラッソの編集長を務められ、育成年代への造詣が深く、高校サッカー名鑑を出版した方)に会い、名鑑の作り方のアドバイスをもらう 2014年2月 川端さんの古巣である、スクワッドさんの仕事を請ける

          違う

          学生時代から付き合いがある同い年の人(という表現も変だが、友だちでもないのでこういう表現になる)が高校バスケ部の指導者となり、そのチームが力をつけたことをきっかけに取材に行き、記事を一本書いた。 取材した3年生たちは最近引退を迎え、しばらく経ってから、彼から初めてメールをもらった。そしてある一文を目にして、なんだかものすごく悲しい気持ちになった。 "記事を書いてもらったのに結果を出せず、申し訳ありませんでした" 違うんだ。 「ごめん」なんて言われるために記事を書いたんじ

          この寂しさは何なのだろう

          神奈川ウインターカップ予選が終わりました。 おかげさまで10年(たぶん)にわたってバスケットを書く仕事に携わらせていただいていますが、そのすべてが全国で発売される雑誌に載る記事でした。当然ながら「色んなチームを」「広く浅く」の取材がほとんどだったわけですが、「スタンダード神奈川」の創刊のおかげで、インターハイ予選からウインター予選まで練習を見て、試合を見て、言葉を聞いてと、これまでより少し近い距離から数チームの活躍を見届ける経験ができました。 予選が終わるのがこんなにさび

          この寂しさは何なのだろう