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【介護現場の虐待—あなたの職場は大丈夫ですか?】

📢 介護の現場で、入居者が暴力を受け、身体を拘束される—あなたの職場で同じことが起こっていませんか?

この記事を読んでいるあなたも、きっと何らかの形で介護に関わっておられることと思います。今回の事件は、わたしたち介護に関わる全ての人にとって、決して他人事ではありません。

毎日、それぞれの立場で介護に尽力されているあなただからこそ、この事件は深く心に突き刺さったのではないでしょうか。今日は、この事件について、あなたと共に考えたいと思います。

【事件の衝撃と、介護に関わる私たちの責任】

朝日新聞の記事によると、神奈川県藤沢市の介護施設「ことりの森 ふじさわ」で、入居者の方に対し、平手打ちや首を絞めるなどの信じがたい虐待行為が行われていたとのことです。想像するだけでも、胸が痛みます。介護に関わる者として、あなたはどのように感じられましたでしょうか?

怒り、悲しみ、不安…

さまざまな感情が湧き上がったことと思います。

もしかしたら、あなたは介護の現場で、以下のようなことを感じているかもしれません。

  • 「責任の重さに押しつぶされそうになる」

  • 「多忙な日々で、心身ともに疲弊している」

  • 「このままで良いのだろうか、と不安を感じることがある」

介護の現場は、その場所や形態に関わらず、常に多くの課題を抱えています。でも、どんな状況でも、介護される方の尊厳を守るっていう、わたしたち介護に関わる者の大切な気持ちは忘れずにいたいですよね。今回の事件は、わたしたちに改めて、そのことを強く意識させてくれている気がします。

【介護に関わる者として、共に考え、共に成長しましょう】

介護の現場では、常に高い倫理観と、介護される方への敬意が求められます。あなたは、日々の介護の中で、介護される方を大切にする気持ちと同時に、ご自身を大切にすることをどのように意識されていらっしゃるでしょうか? 今回の事件は、わたしたちに改めて、介護に関わる者としての自覚を促しているように思います。

もしかしたら、あなたは、介護の中で、つい感情的になってしまう瞬間があるかもしれません。人間だもの、完璧じゃないですよね。大切なのは、ご自身の状態を冷静に把握し、適切な対応を心がけることではないでしょうか。そして、時には専門家の力を借りながら、無理をなさらないことも重要です。

実は、わたしも以前、ある特別養護老人ホーム(特養)で勤務していた際、職員による虐待を目撃した経験があります。
その職員の普段の入居者の方に対する態度から、「何かおかしい」という疑念を抱いておりました。案の定、入居者の方に青あざが増えたり、皮膚が剥がれるといった事象が頻発していたのです。

私が目撃した虐待の現場では、入居者の方の表情が明らかに怯えていました。しかし、職員はそれを“しつけ”と言い訳していたのです。 私は、この状況を看過できないと考え、義務として施設長に報告しました。
しかし、施設長は「二度としません」という誓約書を当該職員に書かせるだけで、事態を収束させようとしました。これは明らかに不適切な対応です。
虐待を行った職員には、しかるべき処分が必要であり、誓約書だけで済ませることは、虐待を容認していると捉えられても仕方のない行為です。

この経験から、虐待の早期発見と適切な対応がいかに重要であるかを痛感しました。

「ことりの森 ふじさわ」での虐待事件も、施設側の責任が問われるべきです。さらに、報道によると、車いすをひもで固定したり、ベッドを柵で囲んだりする行為が日常的に行われていたこともわかっています。これは、身体拘束にあたり、介護を受ける方の自由を著しく制限する行為であり、絶対に許されるものではありません。

あなたは、このような事実をどう感じますか?

【なぜ、虐待は起こってしまうのか】

なぜ、介護の現場でこのような悲しい虐待が起こってしまうのでしょうか。その原因は、決して一つではありません。

  • 組織的な問題: 虐待を隠蔽しようとする組織風土や、職員の教育体制が不十分な場合、虐待が蔓延しやすくなります。特に、上層部が虐待を軽視する組織では、職員同士の相互チェック機能が働かず、問題が放置されることが多いのです。

  • 慢性的な人手不足: 介護現場では、常に人手不足が深刻です。日勤・夜勤をこなしながら、1人で10人以上の入居者をケアしなければならない現場もあります。結果、余裕を失い、対応が荒くなるケースも…。

  • 過酷な労働環境: 長時間労働、夜勤、休日出勤などが常態化している介護現場も少なくありません。疲労が蓄積し、判断力が低下してしまうこともあります。

  • 介護技術や知識の不足: 介護に関する専門的な知識や技術が不足していると、適切な介護を提供することが難しくなり、結果的に虐待につながる可能性があります。職員の多くが、認知症の方への適切な対応を学ぶ機会が少なく、対応に困った結果、力で抑え込もうとしてしまうケースもあります。

  • ストレスや精神的な問題: 職員自身の個人的なストレスや精神的な問題を抱えている場合、それが介護現場での行動に影響してしまうこともあります。

  • 介護を受ける側の状態: 認知症や精神疾患など、介護を受ける側の状態も、虐待を引き起こす要因となる場合があります。

【虐待を未然に防ぐために、あなたができること】

では、虐待を未然に防ぐために、あなたは何ができるでしょうか?

まずは、ご自身の心身の状態に目を向けることが重要です。 一人で抱え込まず、信頼できる人に相談することも大切です。

また、それぞれの立場で、相談できる窓口や利用できる制度を積極的に活用されることをお勧めします。 専門家のサポートを受けることは、決して恥ずかしいことではありません。

虐待を目撃したり、疑いを感じた場合は、まず地域包括支援センターや高齢者虐待防止の相談窓口に連絡しましょう。全国共通の『#7119』や、お住まいの自治体の窓口も活用できます。

職場では、以下のチェックリストを参考に、行動を起こしましょう。

  • ✅ 同僚同士で声を掛け合い、ストレスを溜め込まない

  • ✅ 「見て見ぬふりをしない」ルールを作る(問題を共有する文化)

  • ✅ 「あれ?おかしいな」と思ったら、管理者・第三者機関に相談する

  • ✅ 外部研修を積極的に活用し、ストレス管理を学ぶ

  • ✅ 地域包括支援センターや高齢者虐待防止相談窓口を知っておく

そして、もし、虐待を目撃したり、虐待の疑いを感じられた場合には、迷わず相談窓口に連絡してください。 誰かに相談することは、虐待を止めるための重要な一歩となります。たとえそれが身近な人であったとしても、不審に感じたことは見過ごさないでください。そして、虐待を見過ごしてしまうような組織体制にも、注意を払う必要があります。

あなたは決して一人ではありません。 同じように介護に尽力されている方々や、あなたを支えたいと思っている人々が必ずいます。共に手を取り合い、より良い介護現場を築いていきましょう。

【支え合い、より良い介護現を場創る】

毎日、本当にお疲れ様です。介護は大変なことですが、それ以上に、大きなやりがいと喜びを与えてくれる尊い仕事であるとわたしは信じています。介護を受ける方の笑顔は、私たちの大きな励みとなります。

この記事を読んでくださっているあなたは、きっと素晴らしい介護者であると確信しております。これからも、それぞれの立場で、介護される方のために、その優しさと専門性を活かし続けてください。

あなたの行動が、虐待を防ぐ力になります。 「この状況を何とかしたい…」そう思ったあなたの気持ちは、とても大切です。もし、少しでも「何かおかしい」と感じたら、迷わず相談してください。

📢 あなたの職場は、虐待の芽を摘む環境ですか?
📢 あなたの周りの人は、SOSを出せる状態ですか?

小さな気づきが、大きな命を守ることにつながります。あなたの優しさと専門性が、より良い未来を作ります。

今の職場で違和感を覚えたら、ぜひこの記事を職場の同僚や上司と共有してください。小さな気づきが、あなたの職場をより良くするきっかけになるかもしれません。一緒に、虐待をゼロにする介護を目指しましょう!

最後に、この記事を読んで、何か感じることがございましたら、ぜひコメント欄にお寄せください。あなたの率直なご意見を、私は心からお待ちしております。

コージ@60代介護福祉士より

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