「お母さん」も1人の人間
母はずっと私に厳しく思い通りにならないと否定してきた。
「私はあなたのためにこんなにやってあげているのに感謝が無い」
「なんでこんなことができないの」
は何度も言われて思い出しただけで息がしづらい。
私が母とは違う意見を言うと、母は機嫌が悪くなり部屋から出てこず、物に当たり、口も聞かない日が3ヶ月続くことは普通だった。みんなとは話すのに私とは話してくれない。
すごく怖かった。
私は苦しくて、愛されていないと自分を責めていた。
家に居場所がなく、学校にもなく、心休まらない日が続き私は摂食障害になった。
「こんな私にしたのは母のせいだ」と恨んだ。母が苦しむことをやってやろうと思っていた。
でも、やっぱりお母さんに愛されたいし、お母さんが大好き。
親子とはある意味残酷。
お母さんの幼少期、母の父である祖父はお酒を飲んでは祖父の悪口を言い、家族に当たり散らした。
酔い潰れて道で寝てしまうこともあり、よく家族で探したそうだ。
母の中で、長男である兄は両親に可愛がってもらっていたため、母は寂しい思いをした様だ。
祖父から祖母を守ろうといろいろ気を使った幼少期だっただろう。
母は母で、愛されようと必死だったのだと思う。
母も褒めてもらった記憶がなく、寂しさや愛される事など、
そのまま長女である私で埋めようとしていた様に感じる。
母の顔色を伺って生きてきた私は、母の否定的な言葉に大きく心が動揺する。
だから以前問題が起きたとき以来、もう一年近く会っていない。
「母親なのになんでわかってくれないの」と言う私の思いは、
母も1人の人間として、今まで生きてきた経験からの今の母親であると考えると、
母も苦しかったんだな。母は完璧な人間では無いんだな、思えた。
母に認めてもらえない自分自身を少し許せた様に感じ、私は楽になった