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AWESOME Choices Issue no.030 脳の研究に新たなアプローチをするために、知的好奇心や探究心を持って情報科学の学習に励んでいる理系女子大学生

Yさん

現在、東邦大学理学部情報科学科の2年生で、数学やプログラミングを勉強しています。数学は一見難しそうに見えますし、大学数学では、すぐには理解できない内容を習うこともありますが、じっくり考えて納得できたときの喜びは、数学ならではのものだと感じます。また、プログラミングで作品を制作するときは、決められた正解があるわけではないので、先生に聞いたり自分で調べたりしながら、自分なりの作品を作り込んでいくことになります。夢中になって頑張って作った作品が完成して、先生や同期から、良いね!と言ってもらえたりすると、達成感があります。
趣味は映画鑑賞で、 休みの日は家族と一緒に、家や映画館で映画を見ます。

現在は数学やプログラミングの学習をしているとのことですが、子どものころはどんなことが好きでしたか?

私は、一つのことに長期間熱中するというよりは、広範囲に興味を持つタイプで、周りの人の影響も受けながら、その時々で関心があるものに熱中する子どもだったと思います。幼稚園から小学校の頃は、体を動かすのが好きで器械体操を習ったり、芸術や音楽への興味からピアノやバレエを習ったりしていました。物語を読んだり映画を見たりすることは昔から好きで、小学校の教室で、読んでいた小説に感情移入しすぎて泣いてしまったこともありました。あとは、一人で校庭を見ながら空想に浸ったりしていたように思います。

何かを作ることも好きで、幼稚園や小学校の頃は木で椅子などの簡単な家具やおもちゃを作ったり、家庭科の授業が始まってからは、ミシンでバッグを作って友達にあげたりしていました。勉強に関しては、家で家族と勉強するのも好きでしたが、小学校6年生からは中学受験のために塾に行っていました。塾に通い始めた当初は、国語が得意科目で算数が苦手科目でした。しかし、塾の先生のお陰で、算数の勉強が楽しくなって成績も伸びました。ちなみに、塾の授業では、特に社会が面白かった覚えがあります。塾の社会の先生に影響を受けて真田丸という大河ドラマにハマってから、歴史が好きになりました。歴史好きが高じて、長期休みには好きな武将に関わる史跡めぐりをするなど、歴史の勉強も趣味の一つでした。

子供の頃から好奇心旺盛で様々なことに興味を持っていたのですね。

高校で理系に進もうと思った理由について教えてもらえますか?

ここまでのエピソードからも分かる通り、私は小学生の頃までは、理数系の科目は受験などで必要に迫られた時に勉強するくらいで、文系科目のほうが得意で興味も持ちやすかったように思うのですが、理数系に強い中学校に入学したこともあってか、中学入学後は英語と数学が得意科目になりました。中学受験の勉強でも、一番短期間で急成長したのは算数だったので、そのような考え方で言えば、もとから算数や数学の成績は伸びやすいタイプだったのかもしれません。私は、英語と数学は、論理的に考えれば必ず答えが出ると感じていたため、好きでした。英語は文系・理系に関わらず勉強するものなので、数学を勉強するために、理系を選びました。

英語と数学の論理的な側面に魅力を感じ、急成長した数学を学ぶために理系を選ばれたのですね。

大学で理学部情報科学科を選んだ理由についても教えてください

脳の仕組みやメカニズムに関する研究をしたいと思ったからです。脳の研究と聞くと最初に思い浮かぶのは医学部だと思います。しかし、近年では、人工知能によるシミュレーションなどによって脳の仕組みやメカニズムを知ろうとする研究も行われています。脳には、まだまだ解明されていない働きや疾患がたくさんあって、それによって生活に困難を抱えている人も多くいます。情報科学を学んで情報技術を用いることで、脳の研究に新しいアプローチで貢献したいと考えたため、情報科学科に進学しました。

情報科学を用いた新たな脳の研究へのアプローチに興味を持ち、この学科を選ばれたのですね。

今の大学での授業・実習・プログラムのなかで、これは面白い!自慢できる!というものについて教えてください

昨年9月に、タイの協定校で行われるプログラムに参加したのですが、とても面白かったです。私は教職課程の選択科目の一つとして参加しました。プログラムでは、タイの協定校の学生と10日間、一緒に勉強したりタイの大学の研究所を周って話を聞いたりしました。タイと日本の生物系の学部同士のプログラムに教職課程履修者として参加させてもらったので、生物関係の話が多くて私は初めて知る内容もありました。しかし、タイの学生と協力して観察や考察を行うのがとても楽しかったです。さらに、授業や見学が終わった後も、タイの屋台などをタイの学生に案内してもらって、お互いの大学生活の話や将来の話などをすることができて、貴重な体験でした。ちなみに、教職課程履修者としては、タイの大学で日本語を学ぶタイ人学生との交流も、とても興味深いものでした。彼らの英語や日本語の習熟度はとても高くて、刺激を受けました。最終日には、タイと日本の自然環境や生き物の違いなどについて学んだことを、英語でレポートにまとめて、他の参加者の前で発表しました。この発表でも、資料作りやプレゼンテーション能力について、タイの学生から学ぶことが多くありました。このように、海外の学生と英語を用いて一緒に学んだり交流したりして、たくさんの刺激を受けることができたので、とても面白いプログラムだったと思います。

タイの学生と交流して観察や考察を行い、英語で発表を行うなんて、とても有意義な経験ですね。

日々の生活の中でご自身が「理系が出ているな」と感じることなどはありますか?

理系では、興味を持った話題や必要な知識を自分で調べながら勉強していく機会が多いように思います。そのため、はじめは難しく思えるような話でも、興味を持って聞いてみて、自分で調べて勉強しながら理解していくという姿勢が自然に身についたと感じています。また、理系の勉強によって、日頃から知的好奇心や探究心を持つようになったと思います。

理系の学びを通して、知的好奇心や探究心を持ちながら自分で深掘りしていく姿勢が身についたというのは、とても大きな成長ですね。

「理系を学んだこと」や「リケジョ」に対して何か思うことなどあれば、教えてもらえますか?

知的好奇心を持って、興味のあることを調べたり学んだりしているとき、理系と文系という枠を意識することはないと思います。ただ目の前のことについてもっと知りたい、という興味から学びは広がるはずだからです。しかし、私は文系だから理系は勉強したくない、とか、私は理系だから文系っぽいことは苦手、といった先入観や思い込みを持っている人が多いため、理系と文系の分断が大きくなってしまったのではないか、と私は思います。理系分野を学ぶことは特別なことではありません。性別や経歴、いま習っている理系科目が得意かどうか、などに関わらず、理系分野に興味を持ったり探究したいという気持ちを持つことは、誰にとっても、自然なことだと思います。私は、文理や性別にこだわらずに、関心のある事柄や学問を自分なりに探究する姿勢が重要だと考えます。

確かに理系・文系という枠にとらわれず、興味のあることを自由に探究する姿勢が大切ですよね。

これからの進路を考える女子中高生や理系学部で学んでいる学生の方などに向けて、ぜひ一言アドバイスをお願いします

どのような進路を選んだとしても、その道で一流になって社会で活躍していくには、学び続けることが重要だ、と私はある人から言われました。挫けそうになることもありますが、それぞれが選んだ道で、常に学び続けて、成長し続けましょう。一緒に、頑張りましょう。

最後に

幼少期から好奇心旺盛で、論理的側面に魅力を感じた数学を勉強するために、理系の世界に進み、現在は脳の研究に貢献する情報科学の学習に励んでいることがよくわかりました。知的好奇心や探究心を持って、関心のある学問を学び続ける姿勢を持っているYさんの更なる活躍を応援しています!貴重なお話、ありがとうございました。

あとがき

AWESOMEでは、理系で培ってきた強みを活かして、さまざまな業種や職種で活躍する女性の「選択(Choices)」から見えてきたストーリーを紹介していきます。
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