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AWESOME Choices Issue no.013 「自分の理系で培ってきたマインドを武器に技術営業という仕事で第一線で活躍する」というキャリア

藤川由季さん

現在入社2年目、エネルギー関係会社で法人営業(技術営業)をしています。具体的には、主にメーカーや、スーパー・鉄道・ホテルのお客さまに対してソリューション(太陽光サービスを初めとした省エネ・脱炭素ソリューションなど)を提案し、お客さまの脱炭素経営を技術的な観点からサポートをしています。この仕事の面白さは脱炭素への貢献を直接感じられること・会社の顔として第一線で活躍できることです。 学生時代は、京都大学の工学部 地球工学科(環境工学コース)の後、工学研究科で琵琶湖や淀川などの水の水質の研究をしていました。

現在はエネルギー関係会社で法人営業のお仕事をされているとのことですが、高校時代の進路選択の時のお話について聞かせてください

自然現象が一個のシンプルな式で表せる物理に魅力を感じ、学びたいと思ったことが一番の理由です。もともと理系科目が得意だったということもあったかなと思います。また、理系科目は文系科目よりも努力が直結する学問であると感じていて、大学進学の際に、目指していた大学に入るためには、理系の方が確度が高いと思ったのも理由の一つでした。

加えて、理系に進んだ先輩や、理系方面に進もうとしていた同級生には努力家な人が多く、人として尊敬でき今後も関わっていきたいと思ったのも私にとっては大きかったです。
他には、マジョリティになりたくなかったからという部分もあったかなと思います。

物理に魅力を感じたという部分だけではなく、理系分野に進む人たちにも刺激を受けて進路を決められたというのがよくわかりました。

では、大学で工学部に進まれた背景について聞かせてください

IT技術や材料技術を初めとした工学分野の技術の進歩はスピードが早く、常に新しい事象に触れることができ一生飽きないと思ったからです。中でも、地球工学科に進んだのは、地元の香川の自然が好きで、自然の豊かさを後生まで残したいと思ったのがきっかけでした。環境工学コースに進み、その後水質の研究を選んだのも、地元では普通に飲めていた水道水が都会に出てくると味も悪く、安全性も低いという実態に問題意識を感じ、自らの手で主体的に研究したいと思ったからです。現在のインフラの仕事は、その延長線上で、今ある当たり前のインフラを今後も当たり前としたいという気持ちが大きく選びました。

あと、やはりマジョリティになりたくなかったという部分も少なからずあったかなと思います。

常に新しいことに触れていたい、そして地元香川で当たり前にある豊かな自然をこれからも残していきたいという思いから、工学部に進まれたということがよくわかりました。

では、現在のお仕事を選ばれた理由について教えてください

電気・ガス・水・道路などのインフラはあるのが当たり前のように思われるかと思いますが、決してそうではありません。人類の生存になくてはならないこれらに関わる仕事がしたいという思いが強く、インフラの仕事を選びました。ただ、大学院で研究をやりきったと感じ、今の自分にはできないような新しいことに挑戦したいと思い、研究職ではなく技術営業職を選びました。技術営業職はインターンシップの応募の際に初めて知りました。他の企業では、技術営業職のような職は技術職に含まれていたので、技術職で応募していましたが、私が入社した企業に関しては唯一別枠で採用枠を設けていました。最初から職種がある程度決められていた部分も決め手の一つです。周囲からは「研究職に就くのかと思った」「営業職は意外」などの声がありましたが、最終的には自分の中の「新しいことに挑戦したいという」意思を貫きました。

インフラへの強い思いとともに、理系が活かせつつも研究ではない仕事に魅力を感じたことが今の仕事につながるきっかけになったということがとても良くわかりました。

では、お仕事の中でご自身が「理系が出ているな」と感じたことや、理系ならではのメリットやデメリットなどもあれば、是非教えてください

お客さまの発言・データの根拠を深掘りする点と、詳細まで丁寧に説明する点です。例えば、お客さまからの「資料のこの部分はどういう意味ですか」と聞かれると、回答をロジックを立ててお答えすることは勿論、このご発言が今出てきたということは例えば「社内決裁が難航しておられるのだろうか」「他企業と相見積もりなさっているのだろうか」「予算時期で決定段階に差し掛かっているのだろうか」などあらゆる仮説を立て、様々な方向性の質問を投げかけ、お客さまの真意を図ることに努めています。

私が所属する部署は、文系出身の方が多く、数値や機械系にあまり強くないメンバーも少なくないため、そういう部分に強い自分が重宝されるところは理系のキャリアを歩んできたメリットの部分かなと感じています。
また、理系出身者が少ないが故、新たな考え方を提示でき、組織の活性化に繋がるところもメリットだと思います。

一方で、どうしても論理的に判断したいがゆえに時間を要してしまいがちなので、特に論理に重きを置かない意思決定をする時に、中々決定ができないところはデメリットなのかもしれません。

営業のお仕事の中でも、細部に理系で培ってきた思考が表れていることがとてもよくわかりました。

では、「理系を学んだこと」や「リケジョ」に対して何か思うことなどあれば、教えてもらえますか?

理系を学んだことで、地殻やエネルギーなどの地球創造の観点だけでなく、物事の論理や、はたまた人間の精神的な部分まで、あらゆるものの成り立ちを論理的に理解できるようになりました。また、常になぜ?を問いかけるようになり物事の本質に気づける力も身に着けることができたと感じています。今後より複雑で予測不能な時代でも、理系ならではのマインドでもある論理的思考力や批判的思考を活用することで、素早く状況の本質を理解し、時代に柔軟に対応するのが可能になると思っています。

理系での学びは、これからの予測不能なVUCA時代には誰もが身に着けてほしい力だなと感じています。

では最後に、これからの進路を考える女子中高生や理系学部で学んでいる学生の方などに向けて、ぜひ一言アドバイスをお願いします。

女性は男性に比べて現実的で丁寧なところから、割と理系に向いているのではないかと思います。そして、理系・文系にとらわれず、自分のやりたいこと・成し遂げたいことを見つけて欲しいです。もし見つけた先が理系であれば、私としては本当に嬉しいです。

私自身、今後やってみたいことは文系寄りのものですが、私が持つ理系マインドが多いに使えると感じています。文系だけ・理系だけに囚われず幅広い視野を持って欲しいです。

最後に

藤川さんのお話から、大学・学部選び、研究室選び、お仕事選びの根底に「当たり前をこれからも当たり前であるために」という思いが大きく存在しているということがわかりました。モノづくりというバックエンドではなく営業というフロントエンドから、理系マインドを武器に切り開いていく藤川さんの更なる活躍を応援しています!貴重なお話、ありがとうございました。

あとがき

いかがでしたか?
AWESOMEでは、理系で培ってきた強みを活かして、さまざまな業種や職種で活躍する女性の「選択(Choices)」から見えてきたストーリーを紹介していきます。
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