美味しいさくらんぼを食べながらオーストラリアのタスマニアを懐かしむ
最近、スーパーでよく見かけるさくらんぼ。日本では今がちょうど時期なんだろうな。
今年は息子も食べるかな?と思い、糖度が高めの佐藤錦を買ってみた。
少量でお値段も高めだが、見た目も可愛いいし、何個でも食べたくなる美味しさ!
息子は2〜3個は食べていたが、甘い中に少しの酸味、この微妙な甘酸っぱさがやはりあまりお好みではないようで、夕食のプレートにデザートとして出したらそのまま私にまわって来た。😅
そんな「さくらんぼ」🍒
私は毎年このくらいの時期に日本でさくらんぼを見ると、懐かしいオーストラリアでの生活を思い出す。
えっ?なんで、さくらんぼを見てオーストラリアのタスマニア?
と思う人もいるもしれないが、オーストラリアの中でも南の方(シドニーより下の方)にはチェリーファームが多数あり、チェリーで有名な街も多く、品種も色々ある。
そして、タスマニアにもチェリーファームが多数ある。タスマニアには、日本のさくらんぼ(佐藤錦)を品種の一つとして育てている広大なファームもあり、オーストラリアで育てて日本向けに出荷していたり…。(昔の話だから今はわからないが)
チェリーファームの敷地とはまた別の場所に箱詰めや出荷などをするパッキング施設があるような大きな会社だったが、私達はその会社のファームの方でチェリーピッキングを2シーズン行ったことがある。
楽しかったから、1年後にもう1回同じファームへ戻って2年連続で働いたのだ 笑。
もう15年くらい前の話。
私と主人はHarvest trail(ハーベスト トレイル)といって、季節ごとに求人募集をするファーム仕事を巡りながらキャンパーバンで寝泊まりをし、広大なオーストラリアを旅する生活をしていた。その期間5年くらい…笑。
ファーム仕事と言っても驚くほど色んな仕事がある。
フルーツピッキング、グレープなどの木を切る仕事、イリゲーションというファーム内に張り巡らされた水撒きシステムのノズルの詰まりを点検する仕事、フルーツが実りすぎないよう間引きするシィニングという仕事、つる状になっているイチゴの苗と茎の部分を手で切り離して苗だけを束ねていくストロベリーランナーという仕事など…。
他にも色々な仕事を経験したし、仕事がある場所を探して移動しながらオーストラリア国内の色んな田舎街を旅して回った。
その中でも、タスマニアでチェリーピッキングの仕事ができたことは本当に幸せだった。
私達が旅生活を始めた初期の頃、偶然同じファームで働いていた私達と同年代の夫婦2組が
「11月終わり頃からタスマニアでチェリーの仕事があるから行くといいよ。私達も皆んなそこへ行くからタスマニアで再会しよう!」と仕事情報をくれたのだ。
その時、季節はまだ6月くらいだったので「もうそんな先の仕事まで見つけて準備ができているんだぁ!😵」と驚いた。
この2組の夫婦とは今でも交流があり仲良くしているのだが、彼らとの出会いは私達の生活を一気に楽しく豊かに変えてくれたし、今でも本当に感謝している。
その頃、私達はファーム仕事を始めたばかりでどの季節にどこへ行けば良い仕事があるのかなど、あまり先々の仕事について知らない時期だった。後になってチェリーの仕事は競争率が非常に高く、仕事を見つけるのがとても難しいということを知ったのだった。
〜〜
タスマニアへ!
メルボルンからタスマニアへはキャンパーバンものせてフェリーで海を渡った。🚢
そして、チェリーファームがある地域まで移動し、旅の途中で仲良くなった夫婦2組と数ヶ月ぶりの再会を果たした。
ファームはとにかく広かった。外から見ても何のファームかよくわからず、入り口付近を入っても広いキャンプ場と倉庫があり、その横にはリンゴの木が沢山あるだけで、チェリーは全く見えない。
チェリーの木はファームの奥の方へどんどん入って行かないと見えない作りになっていた。それくらい広かった。
チェリーピッキングは当時は出来高制だった。(今は支払いシステムが時給制などに変わっているかも)
チェリーは軽くて負担が少ないので、私のように小柄な女性でも無理なく働けたし、ハーネスをつけて体の前に抱える箱も小さいので、その箱の中に取ったチェリーを入れての持ち運びもしやすかった。
木によってはハシゴを使う場合もあったが、多くの若い木は枝がしなり、その枝を脇に挟んで両手の指を上手に使いながら順番にチェリーを取って箱の中にそっと落としていく。
最初はぎこちなかったが、徐々に指の動きやコツも掴んで箱がいっぱいになる速度もどんどん速くなった。
箱も満タンにしてしまうとチェリーが重みで傷んでしまうので、一定量までと1箱に入れてもいい重さも大体決まっていた。
箱の中をいっぱいにしなくていいのは私にとっても重さ的に好都合だった。
まぁ出来高制だとやった分だけ収入になるから、人って働くよね 笑。
オーストラリアは日本とは季節が逆で、12月頃からは夏でかなり暑くなり、日照り続きの時もあった。
チェリーはデリケートなので暑すぎる日はピッキングをしないし、作業時間も早朝から始めて、その日の気温によっては昼ごろで終了という日もあった。
なので、仕事時間内はとにかく黙々とチェリーを取りまくった 笑。そして、シーズン中は人生の中で一番チェリーを食べた。🍒
数日短い作業時間の日があっても、チェリー1箱に対してもらえる金額が高いので、時給換算にするとファーム仕事の中では驚くほど賃金が高かった。🤩 だから人気な仕事で競争率が高いのも納得だぁ。
2シーズンの間にチェリーファームで出会った人達は、穏和で楽しい人が多かったことも幸運だったと思う。
バックパッカーと呼ばれる各国から来ていた若者達や、退職後に気ままなキャラバン生活をしている年配ご夫婦など、働いていた人達の年齢層もバックグラウンドも様々だった。
でも、揉め事もなく皆んながシーズンを楽しんでいた。
仕事が早く終わった日や休みの日は、敷地内のキャンプ場でキャンプファイヤーをしたり、皆んなで飲んでパーティーしたり、音楽したり…。
そんな訳で、私にとって「さくらんぼ」は食べても働いてもダブルでおいしい、なかなかできない貴重な経験の象徴なのだ。
久しぶりに日本でさくらんぼを頬張ってみた。うん、やっぱり美味しいね!😋
旅の思い出や出会った人達の楽しそうな笑顔が蘇ってきて、嬉しくてとっても懐かしい味がした。
※タスマニアのチェリー時期は12月(早い時は11月終わり)頃から1〜2ヶ月だったと思う。
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