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淡雪
2019年8月13日 18:12
前回 手が悴む。指先が氷に触れた時のように冷たい。 季節はあっという間に移り変わっていくなと、しみじみ感じる。今日は随分冷え込んだ。夜には雪がチラつくとか。 冷えきった手に白い息を吹きかけながら、いつものように神社へと向かう。鳥居をくぐると、いつものように彼女がいた。 「こんなに寒いのに、来てくれてありがとう」紅は、そう言ってふわっと笑う。とくん、と胸の奥が鳴るのを感じた。
2019年7月25日 13:28
前回今朝もクラスが騒がしい。特に女子が。ハテナマークを浮かべる俺に、クラスメイトが言った。 「なんか、隣のクラスに転校生が来たらしいぜ。それも男の」 それで、女子が騒いでるのか。まぁ、珍しくもないか。見に行ってみるか? とクラスメイト達につられ、野次馬心で行った。ドアから顔を出し、見渡すと明らかに女子が集まっている机を見つけた。机の主は、鬱陶しそうに教室から出ていく。次の瞬間だ