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スナック社会科×ふれしゃか生誕祭~ケイン樹里安さんの論考をいま横串に通してみる~が終わりました②

 長かったアーカイブ配信期間もいよいよ明日23:59までとなりました。お見逃しのないように!(大体いつも配信チケットを買いながら見逃した方から「どうにかなりませんか(泣)」というお問い合わせがあります。やりがち。)
 学割・困窮割チケットは500円なので、ご遠慮なくご活用ください!

 続いて、SNSでお寄せいただいたご感想の紹介(許可を得て掲載しています)。

obaさん/配信参加

 アーカイブ配信をようやく一通り見ました。ケイン樹里安氏が共編者、著者として参加された、『ふれる社会学』北樹出版, 2019.『プラットフォーム資本主義を解読する:スマートフォンからみえてくる現代社会』ナカニシヤ出版, 2023.『ゆさぶるカルチュラル・スタディーズ』北樹出版, 2024.という三つの本の編者がそろい踏みで、司会進行役のサトマキさんの問題提起に応えつつ、それぞれが足場にしている社会学,経済学、カルチュラルスタディーズといった、学問分野を飛び越えつつ語り合う、といった趣向……というとざっくりまとめすぎかも。
 時折、話の中で、何かというと酒を飲んで?人と人とを縦横につないでいった、ケイン樹里安氏の思い出話が挟まって、文章を通してしか知らない、その人の人となりが、ほんの少し垣間見えるという感じでもありました。
 現在の社会における様々な構造的な問題や課題に、どういう切り口で向き合っていくのか、色々な論点があったのですが、前半、特に興味深かったのが、この3冊が現在の学生にどう届かせるか、ということをよくよく考えて作られていたところ。テーマの設定や、論考の配列など、編集の過程も少し伺えて、なるほど、そうやって作られていたのか、と大変興味深かったです。
 ただ、それなら電子書籍版(安く買える各章分割販売版とか…)も欲しかったな、とか思ったりも。まあ、なかなか電子書籍の商売も難しいので、それはちょっと贅沢というものかもですが……
 さらに、後半は、許諾を得て資料として配布された、ケイン樹里安「帝国のタイムライン : 「ひろしまタイムライン」とポストコロニアル・メランコリア」『対抗言論 : 反ヘイトのための交差路』(2):2021.2,p.88-103.も絡めつつ、レイシャル・キャピタリズムというキーワードの解説から、資本主義批判やSDGs批判も飛び出して、また、その批判にちょっと釘を刺したり展開もあったりで、知見のある人が集まって話をするとやはり刺激的。
 ただ、こうしたイベントを簡便に観られるというのも市場と資本の働きがもたらした状況ともいえる訳で、資本主義が抱える構造的な問題点を指摘して、資本主義を批判するだけでは、なかなか届かないよなあ、という感想も持ったりも。
 『ふれしゃか』からの3冊を日本全国で入手できるような仕組み自体、市場と資本主義なしで成立しえたのか、ということも含めて、届ける、ということそのものが抱える難しさ、みたいなことも感じたりしたのでした。
 何はともあれ、こうやって考えるきっかけになる、ということ自体、良いイベントだった、ということの証明ですよね(雑な感想で恐縮ですが…)。登壇者のみなさま、サトマキさま、ありがとうございました。

obaさんのMastodon投稿より 

 がっつり見ていただいてありがたい限りです。またこうしたイベント自体も出版物が全国で手に入るのも資本主義という枠組みがあってこそなのは本当にそうで、このあとの打ち上げでも資本主義をめぐる議論は続いておりました。

打ち上げ会場のトルコ料理屋さんのピザ。キッシュかタルトかという厚さで最高。

 また、上記のobaさんの感想にもある通り、今回の配布資料は関係者皆さまのご厚意により『対抗言論第二号』掲載のケイン樹里安さんの論考"帝国のタイムライン(略)"の全文掲載が叶い、杉田俊介さんにはその論考を引いたメッセージを頂きました。ここでしか読めませんので併せて是非(ツイキャスの配信画面→コメント欄に資料の共有ドライブへのリンクがあります)。

『対抗言論 第二号』掲載「帝国のタイムライン 『ひろしまタイムライン』とポストコロニアル・メランコリア」より一部抜粋・加工

 今回初めて、この論考を読まれた方も多かったのではないかと思いますが、いかがでしたでしょうか?。また一昨日は韓国では軍事クーデターになってもおかしくなかった尹大統領による戒厳令発布というニュースもあり、国会前に集まる市民たちに光州の記憶があることや歴史と現在が繋がっていることを目の当たりにしました。これを羨むのでもなく、矮小化したり揶揄するのでもなく(いずれにせよ韓国の人たちが血を流して民主主義を手にしてきた歴史に大いに日本は加害者として関わっているのでどちらも出てくる感想としてはおかしいと言えばおかしい)、大日本帝国時代の歴史を都合よく忘却したり、もしくは美化したりせずに正しく現在の日本にどう接続(または切断)されたか向き合い、検証するにもこの論考は参考になるのではないかと思います。
 話は戻って、今回の企画は3冊の論考にこの「帝国のタイムライン」を入れて、いま現在起きていることにも繋げるというのが私の当日のテーマだったのですが、実力不足が甚だしく、ご登壇の先生方に助けられました。が、実力不足ということはまだ伸びしろがあると思って懲りずに頑張ります。まだまだ樹里安先生からは学ばせていただくことがありますからね。今回、この会をやったことで本当に再認識しました。これから見る人も、もう見た人も是非ご感想をお寄せください!

 では残り1日とちょっと、どうぞ引き続き宜しくお願い致します!

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サトマキ
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