eMAXIS SlimとMAXISと米ETFの成績を比べてみるnote(S&P500)
お読みいただく前の注意
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どうして比較しようと思ったか?
新NISAブームでどこでも投資に関する話が聞こえてくるようになりました。
今は投資系インフルエンサーが様々な発信をしていて、巷では指数連動型投信に年初で一括がとても強力な投資方法として紹介されることが非常に多いです(筆者も当然のごとく一部その方法で運用しています)。
あまり売り買いをしない人であればこの方法で十分いいだろうと思うのですが、ある時期から相場中に売買できるETFのほうが暴落対策もしやすくってもっと効率的に投資できるのではないかという仮説を持ち始めました。また売買しなくても、いつでも売買できるETFの状態で放っておいた方が取引の柔軟性があって良いのではないか?とも考え、それらのここ数年のリターンを比較してみてETF放置の可能性を調べてみようと思ったのでした。
大してリターンが変わらなければ、3日後に約定する投資信託よりも、即座に約定するETFのほうが使い勝手がいいですからね。貸株の在庫があるならいざというときに売りで入ってもいいわけですし。
今回比較した金融商品について
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
もはや日本人にとって通称「S&P500」といったらこれでしょう。本家の指標よりこっちがまず出ちゃう人が多いんじゃないかとすら思います。三菱UFJアセットマネジメントが手掛ける「現状」最強の投資信託ですね。円換算したアメリカのS&P500指数に連動する投資成果をめざしてるやつです。詳細はこちら。これはいわゆる投資信託です。オンタイムで売買できませんね。
MAXIS米国株式(S&P500)上場投信
通称「2558」、これの詳細はこちら。これも「円換算したアメリカのS&P500指数に連動する投資成果をめざす」金融商品ですがこっちは日本ETFですね。日本の相場が開いている時間にオンタイムで売り買いができます。
MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(為替ヘッジあり)
通称「2630」、これの詳細はこちら。これも日本ETFで2558と同じですが、為替のヘッジがついています。商品の為替レート変動による影響を無視できるようにしてある、という理解で十分に思います。
Vanguard S&P 500 ETF
通称「VOO」、これはアメリカETFですね。当然S&P500に連動。詳細はこちら(英語です)。アメリカのETFなので、アメリカの市場が開いている時間にオンタイムで売買できます。買うためにはドルが必要なので、購入時の為替に基づいてドル転して購入する必要があります。
投資信託とETFの特徴の違いまとめ
それぞれのちがいを表にしてまとめておきます。有利な面は緑、不利と思われる面には赤をつけていますが・・・、あくまでこれは主観です。
比較の方法
investing.comのデータをデータソースとして、2018年1月1日からの生データCSVをダウンロード(investing.comは神サイトです、こんな簡単に各銘柄のヒストリカルデータを落とせるところは他にないと思います)。
2021年2月26日のそれぞれの銘柄の価格を1として、それ以降の値動きを比率計算。2021年2月26日を1とした理由は2630が設定されたタイミングと合わせるため。
それを一つのグラフにプロットして比較。
結果
考察
投資信託vsETF、リターンはどれだけ変わるの?
2024年12月6日段階現在で、eMAXIS Slimの対2021年2月末日比は「2.35」。対して2558は「2.25」。差はおおむね0.1・・・、と聞くと感覚のマジックで大した差がないようにも見えますね。
が、こう考えた場合はどうでしょうか?2021年2月末日に360万円一括投資していたとすると、eMAXIS Slimの資産額は845万円、2558の資産額は812万円、その差は33万円となります。見方によってはとても大きく見えます。しかもこの差は今後もどんどん広がる方向ではありますね。
ここは個人的な感覚になりますが、私的にはその差は大きいように感じます。やはり超長期前提なら信託報酬の低い投資信託だろうな、というのは2億4千万パーセント同意です。分析してみて改めてわかりました。
ただもしS&P500やアメリカ相場をしっかりと理解して暴落をある程度回避できる自信がある方の場合は、2558もありなのかもしれません。投資初心者はeMAXIS系投資信託、投資中級者以上は2558で少しAcive目に攻めてみるのもありかな・・・?という風に思います。またどっちも併用するってのも全然ありかなーと思いますし。新NISAの枠はeMAXIS、成長投資枠の一部と特定口座は2558(もしくはVOO)みたいな。私のような投資初級者が2558買うのは冒険かもしれませんが初級者脱却の足掛かりになるかもしれませんね。
どうなる「分配金を加味した2558」 vs 「eMAXIS Slim」
一つ要素として忘れていはいけないのが分配金の存在です。2558は分配金が出ます!ということで以下の前提で配当金を加味したリターンを計算してみました。
Google検索で過去の2558の分配金のデータを得る。
各年の末日に配当金をもらえるとした。
配当金入金日まで調べられなくはないのですが、そこまで詳細にやっても大した差はでなさそうだったので、この方法で近似的シミュレーション。
まあどちらかというとリターン不利な側に働く前提ですね。
配当金を再投資する場合と再投資しない場合で計算。再投資する場合は、ETFの価格からくる端数を一切考えず、全額再投資可能の前提とした。
分配金にかかる税金も無視。本当はここは少なくないですがご愛敬で。
この方法だと再投資なしで差が17万円、再投資ありで8万円まで差が縮まりました。まあ前述のとおり、分配金にかかる税金とかETFは端数を入金できないとかを考慮するともう少し差は開くとは思いますが、それでも「あれ?思たよりも差は小さいかも・・・?」、というところまで来る感もあります。
ショートでの入りで暴落回避の可能性を持てる上に、分配金加味ならリターンがeMAXIS Slimと似てくるというなら2558悪くない選択肢かも、っていう判断あっていいかもと少し思ったり。揺らぐ私の心なのでした。いや、やはり大して揺るぎせんね 苦笑、eMAXIS Slimやはり強いです。
VOOとeMAXIS Slimの比較
まずVOOと本家S&P500がかっちり連動してて笑いました(当たり前)。本家S&P500のグラフを書いているのですが、VOOのグラフで完全に隠れてしまっています。
VOOの成績って12月6日現在で「1.60」なんですよね。VOOの成績は本当のS&P500としての強さとみていいと思うので、eMAXISの躍進の背景にある「為替ブースト」がここ数年強すぎたというのが改めての認識です。
為替ブーストがあるならいつかは為替ブレーキもいつかはくるでしょうね・・・。
ちなみにおまけでVOOにドル円をかけた価格の推移も載せていますが、かっちりほぼ2558のグラフに乗ります。なので円で取引したいなら2558で攻める、ドルで攻めるならVOOは日本円を基軸としてみるならほぼ同義ですね(当たり前)。ここは好みですね。
為替ヘッジ付き2630の存在感のなさ
超絶いまいちです、リターンは「1.37」。本家VOOを大きく下回る成績です。あえて投資する意味はないかな・・・。為替変動がよほど怖い人以外は触る必要がないと思います。
2630の2022年12月以降のVOOとのリターンの乖離が大きいのが気になりました。為替ヘッジのコストがあがった・・・?よくわからないので偉い人や頭のいい人に聞いた方がよさそうですね。まあ投資対象としてはいまいちなのでそもそも確認する必要もないかもしれません。
その他雑感
2022年にS&P500が死にかけているときに、eMAXISと2558は為替ブーストで+のリターンを維持しているのが興味深いです。逆に2023年に、S&P500爆上げしているのに、為替のせいで停滞するeMAXISと2558・・・。もはやドル円の投資信託といってもいいんじゃないかと思える勢いですね!
アメリカ投資は為替も見ないといけないと警鐘を鳴らしてくれる人はいますが、しっかりグラフに書いてみた方がいいと思います。説得力のあるグラフをどう書くかって本当に大事。
2022年12月10日ごろにemaxis slim S&P500の信託報酬をさらに引き下げる旨のニュースが出ておりました。今回計算した差はさらに広がるかもしれませんね! (2024/12/10追記)
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございます!今後もこんな感じのニッチな分析をやっていきますのでよろしくお願いいたします!