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総合計画という名の未来予想

行政にあるまじき発言かもしれませんが、個人的に「計画」特に「中長期の計画」というものがあまり好き(≒得意)ではありません。

というのも、この先5年後10年後の自分がどうなっているのかも分からないのに、5年後10年後の世界がどうなっているのか、分析して、想像して、仮定して、それをもとに「だからこれをすべきなんだ!」と言い切るように作られるからです。

確かに、行政には住民に対する説明責任がありますし、「何故税金を使ってその事業を実施するのか」という問いに対し、適切に回答できないのであればその事業は行うべきではない(少なくとも一回立ち止まって検討すべき)だというのが正しいとは思います。

ただ、将来想定の上に、課題解決のための施策をぶら下げる形式の計画だと、将来想定がそもそも崩れた時点で施策の前提がおかしいということになってしまうので、どれだけズレない将来想定ができるか、というところが肝になるはずです。

しかし考えてみると、10年前(2012年)に現在(2022年)の状況が想定できているか、といえばそれは無理な話でしょう。
例えば
・世界規模で感染症が拡散し、外出制限や行動制限がとられる
・常任理事国が戦争を仕掛ける
・熊本と北海道で震度7を観測する
・プロ野球で開幕から16連勝する投手が現れる
といった大事件や大事故のほか、
例えば
・4G、5Gの一般利用化
・ドローンの低価格化、一般化
・オンラインミーティングの一般化
など、技術革新も地方自治体の職員の想定などはるかに超えて、大きな変化が生じています。

そんな中で、「向こう10年は、きっとこんな社会になるし、xxxという施策に力を入れていきます!事業ではxxxを●回実施するので、きっとxxxの数字は▲になります」といったところで、「いや、それホント?」ってなるじゃないですか。

でも自治体はそういった想定を前提に、基本構想ー基本計画ー実施計画といったピラミッド型の広範な計画を作ることに時間や予算、職員の労力をかけていきます。

決して計画そのものを作ることが悪という訳ではないですし、前述の通り市民に対する説明責任を果たす上でも、方向性や事業内容、それを決めた経緯などについて、分かりやすいイラストや図表などをもとにプランニングを発信することは重要だと思っていますが、例えばKGIやKPIの設定など精緻なモノを求め過ぎるあまり、将来想定も謎に細かくなってしまい、その結果、5年後に「なんでこんな想定してたの?全然いまと違うじゃん」なんてことにならないよう、せめて
柔軟性
可変性
みたいなものを土台にした計画策定をしたいものです。

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