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地域おこし協力隊と自治体

「ふるさと納税」と並んで地方創生の代名詞(?)である「地域おこし協力隊」
総務省が推進するこの制度について、総務大臣から令和8年(2026年)までに年間10,000人にすると表明がされたというニュースがありました。

一時期、自分も協力隊になることを考えた身としては、「はー、ついに大台かぁ」という想いがある一方、「数を目標にするのは分かりやすいんだろうけど、ミスマッチで地域を離れてしまった事例の収集や改善にも力を入れてるって言ってほしいなぁ」というのが本音でもあります。

南相馬市でも、当初3人から始まった地域おこし協力隊の活用。
現在ではNext Commons Lab 南相馬として、「起業型地域おこし協力隊」を謳い、主に旧避難指示区域を中心とした課題山積の地域で事業化を目指す方々を受け入れています。

ただ、これまで全てが順風満帆ではなく、地域を離れてしまった方がいることも事実。
新たなスタートのためにお互い納得ずくのことであれば良いのですが、正直不完全燃焼で地域を去ってしまった方がいなかったわけではないと思っています。

「外部人材の活用」を謳って、これまでの行政だけではできない新たな取り組みにチャレンジすることはもちろん望ましいと思いますし、そのための財政上の措置、自由度のある制度として地域おこし協力隊という制度は本当に素晴らしいと思っています。
近年でも、制度の穴を埋めていくように、短期間で移住要件のないインターンやお試しの制度が作られていることもまた、地域の窮状に寄り添おうという国の姿勢の表れだと思います。

総務省HPより

それでも、定着率7割弱という数字に、自治体は真剣に向き合わないといけないと思っていて、(今やないと信じたいですが)「国が金払ってくれるからタダで若者ゲットできてラッキー❗️」みたいな感覚で地域おこし協力隊を募集することは絶対にあってはならないことです。

"元"地域おこし協力隊の方のブログや口コミなどが蓄積している今、「地雷案件」と呼べるような「何してほしいか自治体の職員から示されることもなく、ただ地域のおじいちゃんたちの事務作業だけ手伝わされた」とかは少なくなっていると思っていますが、地域おこし協力隊を募集していくなら、「現役時代の貴重な時間の数%を無為に過ごさせてしまうかも知れない」という緊張感や責任感を、首長から担当者まで全員が持たないと、この国の数少ないリソースを無駄にするばかりか、地域にとってネガティブな効果しか残りません。

行政マンとしてだけでなく、自分ごととして、メモがわりに。

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