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仕事:相馬野馬追のプロモーション
騎馬武者と神社との祭礼:相馬野馬追
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今日は今現在担当している仕事の話。
南相馬市観光交流課は、みんながイメージする一般的な観光振興業務(観光協会とやりとりしたり物産振興したりするヤツね)だけでなく、国の重要無形民俗文化財に指定されている伝統行事「相馬野馬追」を行う相馬野馬追執行委員会なる組織の事務局を兼ねている。
相馬野馬追は、平将門が野に放った馬を敵兵に見立てて捕まえる軍事訓練が由来とされていて、、、みたいに野馬追の説明を全部するとものすごく長くなるので割愛(笑)
その辺は公式HPとWikipediaを参照して。
何故か知られていない相馬野馬追
この相馬野馬追、勇壮・迫力・豪華絢爛といった美辞麗句で謳われたり「東北夏祭りの先駆け」なんて言われる割に知名度が高くない。
関東〜東北エリアでのアンケートによると、以下のような結果だ。
関東圏まででこの結果なのだから、関西以西は推して知るべしというところだろう。
Q:相馬野馬追を知っているか
知っている 25%
知らない 75%
(特に40代以下、関東在住、女性の認知度が低い)
Q:行ったことがあるか
ある 3%
ない 97%
Q:行ってみたいと思うか
思う 31%
思わない(+わからない) 69%
野馬追のように、数百騎もの騎馬武者が一度に参加する祭事は世界でも例がない。以前思い立ってギネス事務局に問い合わせた際も「登録可能じゃないかな(意訳)」と言われたこともある。
また、野馬追の行事の中で、最も長く続く「野馬懸」は、全国の神社で奉納される「絵馬」の原形として、馬そのものを神前に奉納するという形を今なお残す。
個人的に言えば(色メガネで見てしまう部分を差し引いても)本当に素晴らしい行事だと思う。
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それでも知名度が低い、特に若い人に知られていない実態には真摯に向き合わないといけないものの、逆に言えばまだまだ来訪者やファンを作る余地がある(広大な未開拓地が残っている)ということだろう。
今までプロモーションらしい取り組みをやってきておらず、広告宣伝費として支出しているのは、お付き合いでの県内テレビ局へのCM出稿やポスター作ることくらいだったためだ。
そんな折に、新型コロナ感染症の影響で、思うような対外公演(それまでは平将門公繋がりで各地の祭事や競馬場で騎馬武者行列などを披露していた)ができなくなってしまった。
テレワーク、オンライン会議が広まるのと同様に、リアルでのプロモーションからオンラインでのプロモーションにシフトする必要に迫られた。
オンラインプロモーションを手探りで
そんなことで、まず相馬野馬追のプロモーションを進めるにあたっては以下の方針を中心に進めることにした。
デジタルの力を最大限利用する(HPの刷新、SNSの活用)
伝統文化の「古い、重苦しい、堅苦しい」というイメージを、「新鮮、カッコいい、オシャレ」というイメージで上書きする
双方向コミュニケーションを重視する
それっぽいことを書いているけれど、正直「多分こんな感じ」という程度。なんとなくこうなったらいいな、というくらいのものだ。
元々SNSやデジタルマーケティングには一定の理解があった(というとカッコいいけど要はネットオタクに近い)ため、各種アカウントを作成したり、HP刷新の段取りなどはスムーズに進められたものの、いざ日々の運用が始まるとただただ試行錯誤の連続だった(当たり前だよね)
日々、巷が炎上騒動で賑わう中、プロモーションとはほぼ縁のなかったイチ伝統行事の知名度をどう高めていくか、先達(企業公式アカウントとしてタニタさんや東急ハンズさん)のプロモーションを参考に手探りしながら運用し始めた。
2019年4月
相馬野馬追の担当係長として着任
2019年11月
公式Instagramを開設
2020年3月
公式HPを刷新
2020年6月
公式Twitter、Facebookを開設
2020年7月
新型コロナ感染症の影響で相馬野馬追が大幅に縮小
2020年9月
公式HP YouTubeチャンネルを開設
2021年3月
各チャンネル本格運用開始
当初は、気が向いた時に「あ、投稿しなきゃ」くらいの更新だったが、本気で取り組み始めたのは、2020年の相馬野馬追が新型コロナ感染症の影響で規模を大幅に縮小せざるを得ないこととなった頃。
観光交流課内でも「やっぱり南相馬市の観光で推すとしたら野馬追だよね」という意見が大勢だったので、その野馬追で「観光客が呼べなくなった」ことで、「こんなことあるのか」「どうなってしまうんだ」という危機感が現実になったためだ。
結果から見れば、2021年3月、前述の「双方向コミュニケーション」に力を入れるため、メインツールをTwitterとして本格的に運用し始めてから、オンラインプロモーションを一気に加速させることができたように思う。
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Twitterでは、団体公式アカウントとして公式情報は随時伝えながらも、日常の投稿やフォロワーとの絡みにはいわゆる「中の人」としての人格を前面に出し、「伝統文化の「古い、重苦しい、堅苦しい」というイメージを、「新鮮、カッコいい、オシャレ」というイメージで上書きする」を心がけてきた。
その結果、フォロワー13,000人という、恐らく日本の祭事主催団体としては最大のアカウントにすることができた。
※2回ほど炎上一歩手前のヒヤリハットはあったけど(笑)
正直、相馬野馬追の圧倒的なコンテンツ力あってのことなので、全ての祭りや伝統行事で同じことができる訳ではないけれど、コロナ禍で新しいプロモーションに取り組んだ成果の事例としてもらえればいいなと思っている。
今後の相馬野馬追プロモーション(予定)
ここまでの主にオンライン、Twitterを軸にしたプロモーションは、ほぼゼロ予算で行ってきたものだけど、今後はある程度の予算を投じて、知名度向上からの来場者数やライブ配信視聴者数などに繋がるような仕掛けを考えている。
予算化となると、なんだか行政っぽくなってしまうけれど、Twitterでのフォロワーとの双方向コミュニケーションは引き続き行いつつ、野馬追のイメージ向上や収支改善といった課題を、プロモーション側から解決していくことを目指していこうと思う。
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