天下分け目のかぶライン
日本には"かぶらライン"と呼ばれる境界線があるのをご存知ですか。全国に80種ほどあるかぶを大まかに分けると、ちょうど日本の真ん中あたり(愛知~岐阜~福井を繋ぐ縦ライン)で東西に二分することができるのです。
東日本は、アフガニスタン原産からヨーロッパを経て伝わった西洋型。西日本は、西洋型より以前に中国から伝わったもので日本型といわれます。日本に伝来した時期は定かではありませんが、『日本書紀』にも登場することから、約1400~1500年以上前かと思われます。
気候に順応しやすいかぶは、日本全土の地方に土着して多くの固有品種を生みました。赤かぶは東日本に、白かぶは西日本に多くみられますが、関東圏でもっともポピュラーな"小かぶ"。 東日本では山形の"温海かぶ"に代表されるような赤かぶも多く栽培されています。
関西圏では京野菜の"聖護院かぶら"、中型で扁平な形の大阪の"天王寺かぶ"、水炊きに使われる博多の"据りかぶ"など色も形も多種多様。日本型は西洋型よりも水分が多く、肉質がやわらかいのが特徴です。
かぶはベータカロチン、ビタミンB群、Cなどが豊富。根の部分だけを料理しがちですが、実は葉にも栄養が含まれているので、ぜひ捨てずに調理を。実は和洋問わず多彩な料理に、葉は漬け物やお味噌汁の具、油炒めと使えば料理の幅も広がります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?