阿波十郎兵衛屋敷で「風流の国」展開催〜かつての日本で大流行した「風流(ふりゅう)」とは〜
大河ドラマ「どうする家康」皆さんご覧になっていますか?
今川義元が織田信長にまさかの敗戦を喫した「桶狭間の戦い」の後、主人公の松平元康(後の徳川家康)は、今川領の駿府に残した妻の瀬名や子・竹千代の身を案じながら、泣く泣く織田方へ寝返りました。
ドラマでは、元康の裏切りを知った、義元の嫡男(跡継ぎ)氏真の苛烈な復讐が始まりました。
まず、元康の家臣の妻子たちが夜襲され処刑。
ついに瀬名たちの身に危険が迫ります。
実は、元康と氏真は瀬名との婚姻を賭けて争った恋敵同士。
次回はどうなるのでしょうか…?
さて、ドラマでも元康の夢の中で、雅やかな笛の音色、華やかな旗や紙吹雪の舞う中、義元や人々が優雅に舞い踊るシーンが登場します。
この頃(1500年代)の日本の庶民を中心にこのような「風流(ふりゅう)踊(おどり)」が一大ブームとなります。
今川氏真は領内でこの風流踊りが流行するのを喜び、手厚く保護したことが知られています。
先日、「風流踊」がユネスコの無形文化遺産に登録されることが発表されました。
徳島県の風流踊、三好市の「西祖谷の神代踊」(国指定重要文化財)も登録されることになりました。
登録を記念し、阿波十郎兵衛屋敷では阿波の遊行写真展「風流の国」を開催しています。
かつて日本人の間で席巻した風流踊。
この風流踊と念仏踊が結びつき、現在の「盆踊り」が生まれていったと言われています。
これらの芸能を「古くさい」、「時代遅れだ」と思う方もいるかもしれません。
しかし、これらの民俗芸能には私たちの先祖が大切にしてきたスピリットが宿っています。
展示では「西祖谷の神代踊」のほか、徳島県内の神踊や太刀踊り等の民俗芸能を、舞踊家檜瑛司氏が生涯をかけて徳島県各地で採集した写真や貴重な映像とともに紹介しています。
ノスタルジーとか、郷愁という言葉がありますが、「なぜ人は故郷(ふるさと)を求めるのでしょうか?
その答えが「風流の国」展にあるかもしれません。
【お知らせ】
1月29日(日)15:00-16:00には「祖谷の神代踊り」「一宇の雨乞い踊り」の貴重な映像を上映!
皆様の来場を心よりお待ちしています。
阿波の遊行写真展「風流の国」
●展示期間/2023年1月21日(土)〜2月26日(日)
9:30〜17:00
●関連事業
★映像上映「徳島の風流」
①1月21日(土) 15:00-16:00 祖谷の神代踊り、宅宮神社の神踊り
②1月29日(日)15:00-16:00 祖谷の神代踊り、一宇の雨乞い踊り
③2月5日(日)15:00-16:00 祖谷の神代踊り、山川の神代御宝踊り
映像制作/(公財)徳島県文化振興財団
★風流の飾り作りを実演で紹介
1月22日(日) 14:45-15:30
講師/粟山鉦踊り・喜多二三男氏
★阿波の万葉集より踊り歌や民謡を書で体験(※要予約)
2月24日(金)18:30-20:00
講師/書楽家・安田有吾
●阿波人形浄瑠璃公演 平日11:00/土日祝11:00、14:00
●会 場 徳島県立阿波十郎兵衛屋敷
●入場料 一般410円、高・大学生310円、小・中学生200円
●主 催 阿波民族芸能文化保存会・徳島県立阿波十郎兵衛屋敷
●協 力 (公財)徳島県文化振興財団、(一社)神山アーカイブレコード