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アジア枠選手(一部の国)の入国手続きが変わります!!

『入国前結核スクリーニング』が開始されます。

※令和7年1月15日時点の情報です。

新規外国籍選手(ご家族を含みます)の入国手続きについて、フィリピン、中国、インドネシア、ベトナム、ミャンマー、ネパールの6か国について入国手続きが順次変更となります。

『入国前結核スクリーニング』が開始され「結核を発病していないことを証明できない場合、出入国管理及び難民認定法第5条第1項第1号、同法第7条第1項第4号に基づき、日本への上陸は現則として認められなくなります。

『何故急に?!』と思われる方も多いと思いますが、主要先進国では入国前のスクリーニングを実施している国は多く、日本国内における『入国前結核スクリーニング』の運用については、2018年に厚生労働省の厚生科学審議会において議論されており、2020年東京オリンピック前には運用を開始予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、入国者数が激減した為、運用の開始が見送られていました。

『入国前結核スクリーニング』導入の背景ですが、日本国内における結核患者数は年間約10,000人(令和五年)であるところ、外国生まれで日本滞在中に結核を発症する患者数は1,619人(令和五年)となっており、一部の国における出生者が高い罹患率となっている為、日本国内における結核患者数の多い国から、日本国内で生活される方へ入国前に結核を発病していないかを確認し「結核を発病していないことを証明できない者の入国を認めない」とし、日本国内における結核罹患率を下げることを目的としています。

現在6か国が対象となっていますが、厚生労働省の資料を見る限り対象国が増加していく事は、現時点では予定されていません。

『入国前結核スクリーニング』の開始時期は?


①令和7年6月23日予定
フィリピン、ネパール

②令和7年9月1日予定
ベトナム

③開始に向け調整中
中国、インドネシア、ミャンマー

上記期日より、日本国政府が指定する選手本国の「指定検診医療機関」で取得した「結核非発病証明書」の提出を義務付けます。

『入国前結核スクリーニング』の実施方法と注意点は?


①本国の指定検診医療機関で、医師の診察及び胸部レントゲン検査を受診。

②検査で結核を発病していないと判断された場合「結核非発病証明書」を発行してもらう。

③「結核非発病証明書」の有効期間は、胸部レントゲン撮影実施日から原則180日間。

④入国後に提示を求められる場合もあるため、「結核非発病証明書(本人控え)」を大切に保管して入国する。

『入国前結核スクリーニング』導入に伴う入国までのフローは?


スポーツ選手及び、選手ご家族の入国に焦点を置き記述します。

該当国の外国人を中長期在留者(3か月を超える日本国内滞在者)として、ビザの申請をする場合、日本国政府が指定する選手本国の医療機関から「結核非発病証明書」を取得し提出が必要となります。

取得した「結核非発病証明書」の提出時期ですが、スポーツ選手やご家族については、次の方法になるかと思われます。

①入管へ新規入国選手(家族含む)のビザ申請時に、「結核非発病証明書」を一緒に提出して申請。

※「結核非発病証明書」を添付せずに申請した場合、審査中に「結核非発病証明書」の提出を入管より求められる可能性があります。
「結核非発病証明書」を提出できなかった場合、在留資格認定証明書(COE)が不交付となる可能性もありますので、予め準備しておいた方が良いと思われます。

②入管における審査において「結核非発病証明書」を提出せずに、在留資格認定証明書(COE)が交付され、COEに「結核非発病証明書未提出」と記載がある場合。

※本国の在外公館(フィリピン人であれば、在フィリピン日本大使館)における査証申請時に「結核非発病証明書」を提出。

これらの審査を経てから、日本国内へ入国となります。

出典:厚生労働省ホームページ(入国前結核スクリーニング Japan Pre-Entry Tuberculosis Screening |厚生労働省)より

なお、現在日本国内でビザを保有している選手が、シーズン中もしくはシーズン終了後に、一時帰国をしてビザを失効する事なく日本へ再入国して、2025-26シーズンをプレーする場合は「結核非発病証明書」の提出は不要となります。

その為、対象国の国籍で、現在日本国内でプレーしている選手とご家族については、ビザを失効させず保有したまま、再入国の方法で2025-26シーズンを迎える事を推奨します。

『予想されるトラブルは?』


このように入国フローが変更になる場合、導入初期段階では、予期せぬトラブルが発生する事も予想されます。

※予想されるトラブル(あくまでも筆者の予想です。)

・「結核非発病証明書」を取得する医療機関が、なかなか予約できない…

・選手から日本へ送られてきた「結核非発病証明書」が指定の医療機関のものではなかった…

・選手と奥様は問題なかったが、お子様に結核の症状が確認され、家族一緒に日本で生活できない…

・「結核非発病証明書」を発行する指定の医療機関が、選手の自宅から果てしなく遠い…

・検査後「結核非発病証明書」の発行まで、想定外の時間を要する…etc

本日時点では情報量も十分ではなく、『入国前結核スクリーニング』の導入時期(令和7年6月23日予定)から、スポーツ業界では秋〜春スポーツである「Bリーグ」「SVリーグ」そして、「Jリーグ追加登録期限」が最初の事例となる為、契約実務も難しくなる事が予想されます。

対象国から、どうしても選手を早期に入国させたい場合ですが、対象国の「結核非発病証明書」提出開始前日(※フィリピン、ネパールは令和7年6月22日)までに、入管へ在留資格認定証明書交付申請をされることをお勧めします。

※本稿の情報は令和7年1月15日時点での情報を基に執筆しています。

最新の情報は必ず出入国在留管理庁HP、厚生労働省HPをご参照くださるようお願い申し上げます。


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