強迫性障害と彼氏(だった人)

大学1回生のときに初めて彼氏ができた。

しばらくは内緒にしてたけど、確か半年くらい経った頃、強迫性障害という病気だということを伝えた。

彼はそのことについて何も否定してこなかった。

残念ながら強迫性障害を持った人と付き合いたい人なんていないだろう。
でも否定してこなかった。

人前では気になることがあっても自分を誤魔化したり、後でなんとかしようと言い聞かせて(反応遅延というらしい)普通のフリをしているので多分、病気だと伝えた時点でそんなにおかしな様子は見たことがなかったはずだ。
のちに彼のお家に行くようになってからはおかしなところを色々見せてしまったし、困らせたとも思うが、否定はしてこなかった。

振られた理由に強迫性障害だからというのが少しでも入っていたら本当に悲しいなと思うのだけど、そのようには表面上、言われていない。

私の方はといえば、彼を優先して病気の方に無理をかけていた。

付き合ってしばらくすると、彼が家に来るようになった。
家の中は私の中で綺麗な場所、汚い場所というように分かれている。
それもきれいな二分法ではなく細かく細かく分かれている。
だから、この場所のものを触った手で別の場所を触ってはいけない(汚れが移るから)というような制限が多々ある。

けれどそれをいちいち説明するわけにもいかず、彼が帰った後に掃除すればいいと思って平気なふりをしていた。

1番大変だったのは布団の洗濯。
そんなこんなで汚さレベルがごちゃまぜになった状態で布団に入るので、布団を洗わなければいけなくなる。

彼が帰った後、毎日毎日布団を洗った。
シーツ、ベッドパット、布団カバー、布団そのものまで。
大物なので洗うだけでとても時間がかかる。
乾くのにも時間がかかる。

本当に本当に大変だった。
彼が帰ったら床を拭いて、お風呂に入って、布団を洗わなければならない。あそこもここも掃除しないといけない。

それでも、それでも、私は彼に会いたかった。
病状に負荷をかけてでも、会いたかった。

彼はこのことを知らない。(と思う)
そこまでしてわざわざ会っていたとは思っていないだろう。
でも、そのくらい好きだったのだ。

本当のところどう思っていたかは分からないけれど、いっときでもこの病気を持っている私を受け入れてくれたというのはとてもありがたいことだった。そういう意味でも大きな存在だった。

次の恋があるよ!次行こう!と言われるものの、この病気があるということは大きな不安要素で、また受け入れてくれる人に出会える気は今のところ全くしていない。



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