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チョコレートグラミーって熱帯魚なんだ
「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」町田そのこさん。
「52ヘルツの鯨たち」を読んで「コンビニ兄弟」を読んで、そしてこれ。
いいね。沁みる。エモい。
オムニバスの短編で構成されている。
章立てでシンボライズされているのは魚、海。
ランプアイ、チョコレートグラミー、ハナヒゲウツボ、スイミー、そして海…。
餌の為に売られているカメルーンの青いめだか。
マウスブルーダーのチョコレートグラミー。
雄性先熟のブルーリボンことハナヒゲウツボ。
大海に出て行くスイミー。
そして「うみのいりぐち」
居場所を求めて彷徨う人々。
不幸な境遇を乗り越えて希望に漕ぎ出して行く。
傷付き助け合いながら、登場人物は繋がり合い新しい明日へ…。
「スイミー」をオマージュしたような作品です。
構成や仕掛けそれに内在する思いをうまく描き出す筆力。
まさに驚嘆に値するものです。
これからの作品も期待が出来る素晴らしい才能です。