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小野寺史宣という人。

サクサクと軽い。
スナック菓子のような食感。
そんな文章を書く作家。

もちろん、それだけではない。
本屋大賞銀メダルですからね。(「ライフ」風にいえば。)

最初は短文の連なりで「メールの文章のようだな…。」と思ったけど、そのリズム感が心地よい。
段々強くクレッシェンドのようになったり、逆にデクレッシェンドのようになったり…。

で、ズドンと結論。

いい。すごくいい。

軽そうでいてそうでもない。深い。
登場人物は、ひょうひょうと今を生きている。白か黒ではなく、グレー。

主人公の物語のスタートの境遇は冴えない。年齢に関わらず達観している。
いや、達観しているように描いている。

冷静で熱くならない。
今の若い子に私が持っているイメージ。

市井の人々を今風に捉えるとこんなに面白くなるのかと思う。

池波正太郎や山本周五郎、藤沢周平に夢中になって行った時のような引き込まれ感がある。

で、ついついポチッとする。
最初に「ひと」、次に「まち」を探すが本屋にもなくなり、それでオンラインのBOOKOFFから、「夜の側に立つ」「ひりつく夜の音」そして今「ライフ」を読み終え「ROCKER」を手にしている。

ハズレなし。

浅いようでいて深い。
暗いようでいて明るい。

音楽への造詣も深い。
そしてうまく軽くして物語に乗っける。

昔、オヤジに(国語教師でした)「難しい文章を書くのは簡単、難しい事をわかりやすく書くのは本当の物書き」と言われた事を思い出す。

それと同列で良く使われているカタカナ英語で自己顕示欲を満たそうする、薄っぺらい文章を良くみるが、

この人、まるでそんな事がない。

わかりやすい。でも心の内側に切り込んでくる。

相当、推敲しているのかな?

と思う。

多分、まだ読み続けると思う。
サッカー作品は嫌いなので後回しになるかと思うけれど。

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