「不便そうだから田舎に住めない」は本当!?
最近淡路島に移住して来た20代と関わる機会がある。私(27歳)より年下の夫婦や、観光施設に勤めている人などだ。他にも大学生がインターンをしにくるというケースも増えて来ている。コロナ禍の大学生活で、サークルやゼミも満足にできず、何か成し遂げたという機会を求めて半年間休学し、淡路島に飛び込んできたと言う人もいた。面白いのが、インターン生は学歴が高い人が多いと言うことだ。
実際のところ淡路島に移住する20代の数など、高が知れていると思う。しかし面白いことに、口コミ社会の淡路島において同質の存在は引き寄せられるのだ。そして年が近いというだけで信じられないほどの親近感に襲われる。都会で同年代とすれ違っても意識もしないが、淡路島では二度見レベルだ。
都会の人の感覚から言うと「田舎は不便」と言う認識がある。しかし、不便だから住めないと決めつけてもらいたくない。実際東京から移住した私だが、それほど不便さは感じていない。
そこで、私の暮らす地域がどれほどの「不便レベル」なのか紹介しよう。淡路島には3市あり、中でも一番南の南あわじ市というところに住んでいる。南あわじ市は淡路島の中でも一番の田舎っぽさがある。しかし、私の家から徒歩10分圏内にコンビニが二つある。しかもローソンだ。イオンまでは車で10分程度で小学校までも歩いていける。そしてこの記事は、かの「マクドナルド(家から車で5分!)」で書いている。どうだ、それほど不便ではないのだ。南あわじ市の自然は淡路島の中でも格別で人の温かさも相まって私は日々楽しく暮らしている。
バルニバービと言う淡路島で飲食店等の施設を経営している会社がある。社員は、淡路島島外から移住して来ているのだとか。初めは不安だったそうだが、今では「ローンを組んで永住したい」と言う社員もいるのだとか。仕事の理由で淡路島に来た人は職場以外で人との関わりを持てず、孤独を感じる人もいる。しかし、バルニバービは地域と融合してコミュニティを形成していったのだという。そして、ついには廃校の利用を任され、新たな地方創生に取り組んでいるのだという。
廃校が生まれ変わり「SAKIA」と言う地域の複合スペースになり、地元のひとに涙を流しながら喜ばれたこともあったという。地域の人と移住者の間に初めから溝がない訳ではない。しかし、一歩踏み出せば化学反応が生まれるのだ。
バルニバービの事例でもわかるように淡路島は面白いのだ。そこにたどり着くまでにはどうしても「人間関係」がある。都会のルールに縛られず、自分から一歩踏み込んで会話をすることを楽しめる人には、地元の人は優しく接してくれる。
自分が本当に望んでいるライフスタイルを送れていないなら淡路島を思い浮かべてほしい。一応私は南あわじ市定住促進協議会の理事にも入れてもらっている。年齢、性別、国籍関係なく一度きりの人生の冒険の場所として「不便な田舎」も悪くないと思う。