コーチングが料理のようになった世界を見てみたい
わたしには今、二つの想いがある。
「コーチングが、自転車のように誰にでも使える道具として多くの人の日常の中に溶け込むといいな」という想い。
そして、「プロフェッショナルサービスとしてのコーチングも、活用する人や提供する人にとって幸せなものであってほしい」という想い。
コーチングスキルは職場や家庭、接客などさまざまなば場面でお互いにとって幸せな関係性を築くための後押しになるという実感と、プロフェッショナルサービスとしてのコーチングが個々の人生や社会をさらに彩り豊かなものにするという実感、どちらもがあるからだ。
誰にでも広く行き渡り、気軽に使えるようになるということと、プロのサービスが存在し利用者がいるということ、一見相反するこの2つの状況は両立しうるのだろうか。
そんなものがすでに世の中にあるとするとそれはどんなものだろう。
そんなことを考えていて思い浮かんだのが料理だ。
料理、もしくは料理をするという行為はわたしたちの日常の中に当たり前のように存在している。
生きていくために毎日欠かせないものであり、そのためにやろうと思えば自分で行うこともできる。
一方で、プロフェッショナルが料理を提供してくれる場もあり、そこにも人は足を運ぶ。
いろいろなジャンルがあり、特別な日のための料理もあれば、何気ない日に気軽に食べられる料理を出してくれる場所もある。
料理を食べられる場所は、同じ料理を食べられるチェーン店もあれば、独自の料理を出しているお店もたくさんある。
大きなお店もあれば、小さなお店もある。
価格帯もさまざまで、それぞれの料理、それぞれの場所を必要とする人がいる。
いろんな料理があるけれど、共通しているのは料理を食べた人は何かしら満たされるということだ。
空腹が満たされることもあれば、精神的に満たされることもある。
たまに満たされないこともあるかもしれないけれど、それは料理の仕方に何かの手違いがあったか、材料や組み合わせが適切ではなかったか、そもそも料理で満たされるものとは違うものを求めていたかだろう。
料理は学校でも習う。
本もたくさん出ていて、それぞれの人が自分が好きなジャンルの料理を作ってみることができる。
家庭料理というジャンルもあり、その中にもいろいろなレシピがある。
いろいろなレシピはあるけれど、大切な「基本のき」もある。
包丁の持ち方、切り方、焼き方、味付け、道具の手入れ。
「基本のき」を知っていれば、それなりに必要なものを作ることができる。
そうしてわたしたちは日々の暮らしに必要なものを自分で作ることができて、さらにそれ以外のものもさまざまな形で楽しむことができる。
コーチングは関わりだ。
自分の考えを言葉にする。
感情や感覚を言葉にする。
想いを言葉にする。
言葉にならないものを感じる。
それらのプロセスをともにあゆんでくれる人がいる。
これらを通じておなかは満たされないけれど、わたしたちにとって大切なことを体験することができる。
誰かとの関係を深めることもできるかもしれない。
やってみたいことに一歩踏み出すことができるかもしれない。
社会や宇宙とのつながりを感じるかもしれない。
わたしが見たいのは、「コーチングが日常の中にある世界」でも「コーチングがプロフェッショナルサービスとして認められている世界」でもない。
日々の食を大切にし、特別な食も楽しんで、健やかで笑顔でいる人がたくさんいるように、誰もが自分にとって大切なことに気づき、それを大切な人や出会った人と話すことができて、日々を健やかに喜びとともに生きている。
そんな世界をわたしは見たい。
おまけのつぶやき
料理と比較すると、今のコーチング(についての学び)は家庭料理とお店で出す料理がごっちゃになっているのではないだろうか。
日常遣いのスキルを学んでそれをもとにお店を出そうとして苦労するという状況があるように思う。
料理にも創作料理や家庭料理をベースにしたお店の料理もあるように、日々の暮らしや人間関係、マネイジメントに必要な知識やスキルを学んだり、自己流で学んだことをもとに独自のサービスをつくることはいくらでもできる。
むしろその方が自分らしさが滲み出てくるかもしれない。
だけれども、プロになる人のための料理学校があるように、プロになるための学びと実践はもっと、プロとして提供するものを追求してもいいのではないだろうか。
これからコーチングはきっと誰しもが日常の中で手に入れられるものになるだろう。
そんな中、プロフェッショナルサービスとしてのコーチングの価値は何なのか。
ぜひ、あえて「プロ」を選ぶ仲間たちと探究をしていきたい。
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