持っている気質と違う国で暮らしてみる
ピーターさんが庭で水撒きをしている。わたしはベッドをととのえる。
場をととのえることは全ての始まり。場をととのえるプロセスで、心や身体も自然とととのっていく。そんなことを実感している。
ベッドの上にかけたモスキートネットを巻き上げながら「自分の気質とは逆の国に住んでみることは大事なことかもなあ」という考えが浮かんできた。
ドイツに住み始めたとき「寒いのは苦手だからヨーロッパで暮らすことは考えてもみなかったけれど、意外と合っているかもなあ」と思った。オランダに移り住み、「寒いのも意外といい」と思うようになった。(オランダの家はインテリアや壁の色などが素敵で長くて寒い冬でも家の中で快適に過ごすことができたからだ)
あたたかい飲み物を片手に、ブランケットにくるまってひたすら本を読む。好きなことを探究するにはもってこいの環境だ。
セッションを通じて深く人と向き合っているため、プライベートの人間関係は最小限でいい。コロナがやってくる前から、二ヶ月に1回くらい日本から誰かが訪ねてきてくれた人と会うくらいだったけれどそれくらいがちょうどいい。
自分の気質に合った環境に身を置くと心地がいいし、気質はさらに発揮・強化されていくだろう。
今滞在しているニカラグアは何かをストリクトに探究するには向かない場所だ。ほどよくあたたかい気候の元では、机に向かうよりもハンモックに寝転がる方が心地いい。金曜の夜から週末にかけて町には賑やかな音楽が溢れている。何をするにも時間がかかる。それを人々はあまり気にしていない様子だ。
わたしの引き締まりがちな思考が、ここでは自然と緩んでいく。
一緒に暮らすパートナーも「ストリクト」とは真逆の時間を過ごしている。なんせ仕事をしていない。「予定」などというものはほとんどなく、そのときそのときやりたいことをしている。
話しかければ必ずじっくり聞いてくれるし、料理は盛りつけまで楽しんでいる。
振り返ってみるとこれまでわたしは仕事熱心な人が好きだった。自分も仕事が好きだし、仕事を通じて学ぶ人間哲学や世界の見方をあれやこれやと話をするのも好きだった。
だけれども仕事に重点を置くがあまりに他のことが疎かになってしまっていたと自分を振り返る。
今、彼の軸足は「暮らし」だ。日々暮らしに向き合っていたらそれが「今ここ」を生きることにつながるのだとその姿を見ながら感じる。
ゆっくりと飲み物を飲みながら庭の端に並ぶ鉢植えの植物たちを眺め、「この植物はちょっとしおれているからもっと水をあげなきゃ」などと言う。
自分とは違った気質の人々が暮らす国に身を置き、自分とは違ったライフスタイルを持った人と暮らす。
その中でひらいていくものもあるだろう。
賑やかな音楽が聞こえてきている。夕方まで予定のない日曜日。今日はどんな風に過ごそうか。2022.1.23 Sun 8:54 Nicaragua Granada
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