【QUEEN和訳】「ファニー・ハウ・ラブ・イズ」番外編~音のおはなし~【一緒に歌おう】
フレディ・マーキュリーのあたまのなか。
彼の世界は音楽であふれているのがわかります。
前の記事が長くなってしまったので、続きにしました。
概要
前回は、韻について、主な部分のみをお伝えしました。
そもそも韻(ライム)とは、洋楽や英語の詩で、行の終わりの発音が一致すること。
ラップで踏むやつです。
今回は、主な部分以外の発音の一致や頭文字一致について、かいつまんで紹介します。
主な韻については、前の記事を参照してください。
今回注目するのは、以下の太字部分です。
"Funny How Love Is"
Written by Freddie Mercury
[1-A]
Funny how love is
everywhere just look and see
Funny how love is
anywhere you're bound to be
Funny how love is
every song in every key
Funny how love is
coming home in time for tea
Funny, funny, funny
[1-B]
Funny how love is
the end of lies when the truth begins
Tomorrow comes tomorrow brings
Tomorrow brings love in the shape of things
That's what love is,
that's what love is
[2-A]
Funny how love can
break your heart so suddenly
Funny how love came
tumbling down with Adam and Eve
Funny how love is
running wild and feeling free
Funny how love is
coming home in time for tea
Funny, funny, funny
[2-B]
From the earth below to the heavens above
That's how far and funny is love
At any time, anywhere
If you gotta make love do it everywhere
That's what love is
that's what love is
[3-A]
Funny how love is everywhere just look and see
Funny how love is anywhere you're bound to be
Funny how love is every song in every key
Funny how love is
when you gotta hurry home cos you're late for tea
Funny, funny, funny how love is
[3-B]
Tomorrow comes, tomorrow brings
Tomorrow brings love in the shape of things
At any time, anywhere
If you got to make love do it everywhere
That's what love is, that's what love is
便宜上、1~3番の詩をA、B2つに分けています。
前の記事で述べたように、基本の韻は、
「いー」と、「ズ」で終わるところ。
「あー」や、「あ」と「い」も要素として多い。
また、Fや、発音が類似のHの、2つの子音もポイントだとのべました。
では詳しく個々に見ていきます。
音声が必要ならばこちらを参照ください。
Queen - Funny How Love Is (Official Lyric Video)
1-A
Funny how love is everywhere just look and see
Funny how love is anywhere you're bound to be
Funny how love is every song in every key
Funny how love is coming home in time for tea
各行の最初は、「Funny how love is」で統一されていますが、
次から始まる単語は、最初の3行は「エ」から始まります。
(everywhereとanywhereとevery song)
2行目はbound to beは頭文字一致。
3行目も、everyが2つで、inをはさんでリズムがうまれる。
その3行目と4行目は、inの位置が一緒で、リズムも同じ。
4行目は、行内でも、coming home inがリズム感がいい。
続く、time for teaも、頭文字一致。
4行目は、詩の2番にも出てくる。リズムに関して、後ほど解説したい(ワーク付き)。
1-B
Funny how love is the
end of lies when the truth begins
Tomorrow comes tomorrow brings
Tomorrow brings love in the shape of things
That's what love is, that's what love is
1行目は、1-Aの最初の3行のように、Funny how love is (the)の後に、「エ」から始まると言ってもいい。(end)
またこの行は、「ズ」で終わる単語が3つ、「is」「lies」,「 begins」。
endとwhenもリズムがいい。
続く、
Tomorrow comes tomorrow brings~
のところも、三人称や複数形の「ズ」が4つ。
後ほどでも出てくるので、詳しくはそちらで解説したい。
2-A
Funny how love can break your heart so suddenly
Funny how love came tumbling down with Adam and Eve
Funny how love is running wild and feeling free
Funny how love is coming home in time for tea
最初の2つは、中間部は最後が is じゃない。
これらはCから始まるが、発音としては「ケン(キャン)」と「ケイン(ム)」でちょっと違うが、近い。
so suddenlyで頭文字一致。
2~4行目はingが多いうえ、動詞のtumble, run, comeは全て明るい「あ」。
その各頭についているタイトル・フレーズの中の単語、funny、loveも同じ「あ」。
そしてこの3行のリズムは非常に類似している。
特に2行目を、詳しく解説したい。
tumbling down with Adam and Eve
もともと、mやnで区切れる単語が多く、リズムよし。
「tumbling down with Adam and Eve 」を
ぜひ声に出して何回か読んでみてほしい(ローマ字読みで、ラップ風でOK)。
たんぶりん・だうん、うぃず、あだ・まん・にーぶ。
歌うと、こうなる。
(ケィン、)たーん、ぶぃん、だーぅん、うぃ・ざーだ、まん、にーv。
たぁーん、ぶぃん、だぁーぅん、うぃ/ざぁーだぁまぁん、にぃーv。
母音ではほぼ「あ」と「い」のみ。あとは「ん」。
あーん・いん、あーぅん・い、あーああん・いー
とてもリズムが良いことがわかる。
大波に揺られている感じ。
adam and は、見た目もa,d,mnだらけで美しい。「あーだまん」など、「あ」が多く、続く最後のeveは逆にe(イー)。
しかも、「funny how love came(あーいーあぅ、あー、えぃん)」から1行を通してみると、
あーいーあぅ、あー、えぃん、
あーん・いん、あーぅん・い、あーああん・いー
「ア」と「イ」だらけとわかる。(特に「ア」)
続く3行目も、リズムがかなり似ている。
running wild and feeling free
「ing」2個が「and」で並べられ、同じリズム感がある。
feeling freeは頭文字一致。母音「イー」も同じ。
ここも「あ」「い」だらけ。
余裕があれば、声に出したりして、検証してみてほしい。
最後の4行目は、さっき詳しく解説するといったところ。
Funny how love is coming home in time for tea
これもぜひ声に出してみてほしい。
ここは、「アダムとイブ」同様、リズム感が最高なのだ。
前の文と同じく「ing」が同じ位置にあることはいいと思う。
ここも、MやNが多く、inも2つある。
さらに頭文字一致のtime for teaをつなげると、すごい。
coming home in time for tea
を読んでみる。
かみん、ほぅむ、いん、たぃむ、ふぉ、てぃー。
cAmin' hou min / tai-ho-ti
かぁみん、ほぉー・みん / たぁーぃん・ほぉ・てぃー。
(便宜上、Fは下唇噛むくらいでHとほぼ同じとみなしています)
「みん」2つと「いん」、頭文字「T」2つが、音階に乗ってリズムを生み出す。
母音だけだと、
「あぃん、おーぅ、ぃん / あぃん、ぉ、いー」。
この母音一致率の高さ…。
これ以上いうと、くどくなる。
声に出してもらわないとこのすごさはわからない。
ぜひ!
いづれにしてもこの音の一致は美しすぎるので、このフレーズは、1番も2番も共通して使われるのだと思う。
まさにシンプリシティ(シンプルさ)のパワー。
[2-B]
From the earth below to the heavens above
That's how far and funny is love
ここは、FやHが多いと言っておきたい。
また、2行目は
That's how far and funny is love
「ぁっあぅあーぁん、あいーず、あー」
と、「あ」だらけ。
最後は、省いてきたところをまとめて、説明。
[3-B]
Tomorrow comes, tomorrow brings
Tomorrow brings love in the shape of things
At any time, anywhere
If you got to make love do it everywhere
これらは、2回目同士。
構造が非常に似ていることがわかる。
1行目で、キーワードの繰り返し、
2行目ではloveの位置が同じ。
こちらもリズム感を生み出している。
そして、歌もここで消える。
ざっとした発音やリズムのポイントは以上です。
お疲れさまでした。
このように、音をかなり考えられて作られていることがわかる。
または感覚なのか。
彼は天才であり、もっともっと彼の作り出した芸術作品を堪能していきたい。
あなたも、ぜひ一緒に歌ってみてください。
とても心地がいいです。
ここまで、読んでくださり、本当にありがとうございました。
Queen - Funny How Love Is (Official Lyric Video)
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