ディズニー×クイーン考察4〜Dルネッサンスについて〜リトル・マーメイドから、あるレジェンドの存在。
たかが、子供のアニメ。
しかしこれに命をかけた人がいた。
新ディズニーでも、人生を懸けたドラマがそこにはあった。
旧ディズニーでは、前述のレジェンド、作曲家フランク・チャーチル。ウォルト自身も、クリエーター達も、関係者も。
詳しくは前記事。
はじめに
今回からは、クイーンが新ディズニーに与えた影響を考察します。
しかし、新ディズニーもクラシック同様かなり沼でした。
ハワード・アッシュマンのせいです。
とてもまとめられる自信はありません。頑張ります。
まず、ディズニー・ルネッサンス(第二黄金期)について。
1でも考察しましたが、
1966年ウォルトが亡くなり、
80年代は暗黒期。
甥のロイEディズニーが経営しますがうまくいきません。
まず経営を立て直したり、新しい人材を呼んできます。
経営では、86年からの経営者アイズナーがのちのクイーンに関わってきます。
あと、89年公開の、ルネッサンス始まりと言われるリトル・マーメイドを作るにあたり、ある人材を登用します。
これが、ハワード・アッシュマンです。
彼は作詞兼、製作指揮者。
昔から歌があり、楽しさもロマンチックもあったディズニーですが、
新ディズニーのある段階では、狙ってやったのかはわかりませんが、もっと大人な感じの「ミュージカル(・コメディ)」に移行したようです。
ミュージカルというと、心情の重要な部分なせいか、歌がかなり重要で、脚本と同様とも言われる。
アッシュマンはもとはオフ・ブロードウェイで、作曲家アラン・メンケンとタッグを組み、ヒット作を生み出しました。
彼はディズニーに呼ばれたときも、作曲家はメンケンを志望し、また二人はまた組むことに。
これがディズニー・ルネッサンスの始まりの一つ。
ルネッサンスは1989〜1999年のほぼ90年代の約10年間、10作品が連続ヒットした期間のこと。
特に、アラジン('92)、ライオン・キング('94)はすごい数字を叩き出す。
2013年のアナ雪まで超えられなかった。(2000年代もディズニーのオリジナルの手描きアニメは下火、10年代くらいにCGでまた復活した。)
ざっとこんな感じがルネッサンス。
前述のとおり、リトル・マーメイドから始まる。
リトル・マーメイド
アッシュマンも製作に関わる。
監督は、前の作品「ビアンカちゃんの大冒険」から、ジョン・マスカーとロン・クレメンツのペア。
このリトル・マーメイドがまずディズニーにとってブレイク・スルーとなる。
人魚姫の物語自体、ウォルトも40年代構想はあった。
おもに4曲に詩がついている。
1.パート・オブ・ユア・ワールド
2.アンダー・ザ、シー
3.poor unfortunate souls(哀れな人々?)
4.キス・ザ、ガール
1.パート・オブ、ユア・ワールドは、アッシュマンがアリエル役をスパルタ指導して作り出した。
同じく呼ばれてきた経営陣の一人かカッツェンバーグはアッシュマンを呼んだ人らしいが、この曲はいらないと言われてしまう。
しかし仲間の説得かなんかで残り、主人公の自由になりたい気持ちが共感をよび、いまでは重要な曲となる。
3.哀れな人々?
悪役ビラン、叔母の魔女アースラUrsulaウルスラがアリエルに声を引き換えに契約をする。
アースラのモデルはドラァグ・クイーンのディバイン、「神の」という意味。見た目はファンキーなソウル歌手のよう。
吹き替えはオペラ歌手の森久美子さん。
なんとなくアラビアっぽい曲。ボディーランゲージ!
因みにアリエルの父トリトンはギリシャ神話ではネプチューンの子。トライデントという三叉の槍を持ち、姉妹のアースラに奪われる。
4.キス・ザ、ガール
音楽家の赤カニ🦀セバスチャンが即興のオーケストラを作る。素晴らしい。
アースラの時点から、旧ディズニーのキーワード、true lover’s kissを提唱する。
ディズニーの旧プリンセス3人のように。
セバスチャンはかなりブラック系の訛りがあり、ルイ・アームストロングを彷彿とさせる。
2.アンダー・ザ、シー
アカデミー賞、歌曲賞を受賞。
カリプソという西インド発祥のカリブっぽい音楽で陽気。マリンバという金属的な琴みたいな音が特徴的。
パート・オブ〜の対抗歌。
詩も素晴らしい。いろんな楽器と魚の名前が沢山出てくる。
アランはアカデミー作曲賞も取るが、歌曲賞ではこの曲でアッシュマンと二人でとる。
1990年あたり、リトマでとったアカデミー賞授与式で、メンケンはアッシュマンの異変に気づく。
今は言えない、と、ロスからNYに帰り、
式から2日後、アッシュマンはエイズの症状が出ていることを告げる。
もう時間はなかった。