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ツナマヨ②

何とも言えない色の中型犬だった。雑種だろうか。
絶妙な焦茶とも赤茶とも言えないマーブル柄だった。
頭のところにペットボトルの底くらいの大きさで、クリーム色の毛が生えていた。

犬は僕に気付き、ゆっくり尻尾を振って僕の膝のところへ擦り寄った。
僕もしゃがんでそれを受け入れた。受け入れたが、一体これは誰の犬だろう。まさか人様のうちの犬を攫って帰ってきてしまったのだろうか。
僕は犬を撫でながら怖くなった。

 すると犬が寝ていた場所の横に毛羽だったトートバッグが置いてあった。僕は中身を確認すると、そこには犬の餌とくしゃくしゃのルーズリーフが入っていた。そこには小学生のような時でこう書かれていた。

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