見出し画像

朱色のエプロンを早く脱ぎ捨てたい と思っていた

今年の4月から 珈琲屋で働いている。
といっても カフェや喫茶店のようなお店ではなくて、
主に珈琲豆を取り扱っているお豆屋さん。
(テイクアウトの飲み物や軽食も少しだけ提供している)

フリーターの期間を有意義な時間にしたくて、
"関心のある珈琲を勉強できる場所で働きたい"
そんな曖昧な頭で見つけた求人に応募した。

面接をしてくれた店長も 働いている人も
雰囲気も感じも良くて 働きはじめた。

はじめは難しいことがいっぱいで、毎日頭を抱えてた。
商品を覚えるのはもちろん、
受け答えとか 包装の仕方とか リボンの結び方とか。
商品を覚えるために毎日3~5杯分くらいのコーヒーを飲む日もあった。
( 正直言うと カフェインで体がしんどかった。)

ずっと 暇な時にやる仕事(コーヒーの入れ物(ガゼット)作り)をして、心を落ち着かせながら 難しい仕事を覚えていた。
でも、時々それしかできない自分に嫌気がさしてた。
「ガゼットを折るだけの人生なんてもう嫌だ」とかTwitterの下書きに変な文章を残してた。

2,3ヶ月後そんなことどうでも良くなるくらい 職場の人との交流が楽しくなった。
当たりの強かったひとが 時間が経つにつれ、やさしくなった。
仲良くなれて うれしかった。

社員さんだけに関わらず、アルバイトの人とも
飲みに行ったり 語りあったり…。
今思えば「本当にまだ半年しかお世話になっていないのか」 と
不思議におもうくらい 楽しくて濃い時間を過ごしていたみたいだ。


気温に夏を感じるようになってから、いろんなことが変わった。

店長が変わったり、急遽リニューアルオープンをしたり...。
自分は 働いていたライブハウスから離れたり、ライブ活動に対して心が疲れてしまったり。
お店や自分の事情、環境の変化が重なったので 就職活動をしていた。

僕が目指していた職種は間口が狭くて
面接をしても「まだ夢を諦めきれないんですね」とか
嫌味を言われることが多かった。
(心の中で「うるせーーーこんな会社こっちから願い下げだよ」と思って、面接の帰り やりとりしていたメールを こっそり迷惑メールフォルダにいれてた。やさぐれた反抗心。)

このままでは心が腐ってしまいそうだったので
視野を広げて就職活動をしていたら、とある会社から内定をもらいました。
運良く10月から社員として働くことになりました。

なので 今月(今日)で珈琲屋を辞めます。
半年間お世話になった吉祥寺を離れて、
来月から新たな場所で21歳を迎えます。
お別れがつらくて ちょっぴり苦しいけど前を向いて
新たな出会いを迎えに行きます。

今日 一緒にシフト入っていた人が
「内田さん、最終日おつかれさま⚪︎ 」
「これ 私の好きなお菓子、しょっぱい系の ! 」
と言って 無印良品のお菓子をくれた。
大切にいただきます。🥨


フリーターを終える感覚、
今はなんだか出所するみたいな気分です。

朱色のエプロンを脱ぎ捨てて、
今度は何色のエプロンを身につけようか。


お ま け

珈琲屋の目の前にパン屋さんがあって、
そこの店長さんと時たま なんでもない話をしていた。
いろんな人と仲が良い 気さくな人。
恐らく、お互いに名前を知らない。

退店時に偶然見かけて、話しかけた。
「実は僕、今日でここ辞めちゃうんです。」
事情を説明したら 最後
「そっか、これからもがんばってね」って笑顔で言ってくれた。

彼のような エネルギーを与える存在に すこし憧れている

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?