緩やかな日々

　10月から新たな生活が始まった。

いま私はとあるゲストハウスで住み込みで暮らしている。

生まれてこの方、地元から離れず、小中高大を家から通う生活をして、安定した暮らしをしていた。

　そんな私は就職活動のタイミングで完全に行き詰まった。

　私は今までなんのために生きてきたのか、人生の中で何を目標としているのか、まったく自分自身の言葉にできない。

　自分がいかに何も考えずに生きてきたのかが明らかになって、自分に腹が立ったしとても悔しかった。

自分が何をしたいか分からないから就職活動をしない。
これからは自分の好きに忠実に生きる。
やりたいことをやる。

それが私が出した結論だ。

卒業後しばらくは、大学在学中にお世話になってきたバイト先でバイトを続けてなんとか自立できるように努めた。

けれどもやはり日々は味気なくて、つまらない。
居場所があるのは安心だけど、どこかもやもやした気持ちがあって、憂鬱だなとか、楽しくないな、とか負の感情に支配される毎日。

私は決心した。
少し地元を離れる時間をとってみよう。

変わりたい。
動き出したい。

そんな思いが私を動かした。

今ある暮らしは少し緊張して、不安もある。
まだ少し慣れない。

だけど毎日が新しくて刺激的で、そして美しい。
それは決して新生活だからという理由から来るものだけではない。

たまに不安になって逃げてしまいたいこともあるけど、志高い仲間がいるこの環境では、私も頑張りたいと思える。

数ヶ月後に私はどこまで成長しているだろうか。

自分自身の成長がちょっと楽しみな気がする。